こんにちはー。ふぁなてぃっく三神です。

前回に続いて中米の品種行ってみたいと思います。

ふぁなてぃっく独特の順番で国をセレクトしています。うふ。

Part2はパナマ、グアテマラを取りあげます!

恒例のWCR様

https://varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/

Panamaの品種

  • Typica
  • Bourbon
  • Caturra/Catuai
  • Geisha
  • Pacamara

以前に紹介したものが多いのでほとんど割愛します♡。Geisha種だけ取り上げます。ちなみにパナマのPacamara種はDon JulianやEl Carmen農園が有名です。テロワールが良いのか、資金が潤沢なのか(パナマだからね)、アップルフレーバーがあって甘さが強く、クオリティーは高いですよ!・・・値段も高いけど・・・。Geishaブームになる前はTypica種、Bourbon種、Caturra種辺りがメインであったように思いますね。

ということでGeisha種行ってみよう!

Panama Geisha(パナマゲイシャ)赤/黄色品種

エチオピア原種。Geisha種にはマラウィのGeisha種もあるのですが、結構キャラクターが違います。カップしても違いは一目瞭然(一舌瞭然??)で明らかにPanamaのGeishaは特有のフローラルなフレーバーを持ち、別格の存在感を打ち出しています。

1930年代にエチオピアのコーヒーの森から収穫された種子がタンザニアの Lyamungu research stationという研究機関に送られ、その後コスタリカのCentro Agronómico Tropical de Investigación y Enseñanza (CATIE)に1953年に持ち込まれました(大体みんなコスタリカを経由して中米入りするのね)。その際にT2722という品番が振られ、1960年にPanamaに配布されました。しばらくしてさび病にやや耐性があることが分かりましたが、枝がもろかったため生産者に嫌気され、あまり広まりませんでした。

CATIE

(Belize, Bolivia, Colombia, Costa Rica, Dominican Republic, El Salvador, Guatemala, Honduras, Mexico, Nicaragua, Panama, Paraguay, Venezuela等の各国がメンバーの研究機関)

https://www.catie.ac.cr/en/what-is-catie.html

2005年にLa Esmeralda農園を所有するPeterson一家がBoquete地方のGeisha種をBest of Panamaに出品してから、この品種への認知が急速に高まりました。当時のオークションではそれまでの全てのコーヒーオークションの記録を塗り替え、1ポンドあたり$20の値が付きました(落札したロースターには現金輸送車でデリバリーされたのは有名な話)。・・・10年以上たった今ではその時の30倍の値段がオークションロットについていますね・・・。恐ろしや。

GeishaかGeshaなのか、スペルに混乱がありますが、そもそもエチオピアの言語のさらにまた方言なので正式な翻訳がない状態です。なお遺伝子バンク上は”Geisha”で登録されているようです。もともとのGeishaがあった地域は“Gesha”(英語的な発音に近いスペル)と呼ばれていた山に近かったため、コーヒー関係者の中には”Gesha”にしたがっている人が多いみたいですね。

なお念のため、Gesha VillageのGeshaはパナマのGeisha種と異なりますのでよろしく・・・。

カップはフローラルで、乳酸のような甘さと、様々なフルーツを感じます。あまりベリー系という訳ではなく、柑橘系や上品なトロピカルフルーツ、紅茶、ジンジャー等のニュアンスがありあます。品種固有の味が強いのでわかりやすいですが、マイクロクライメット(テロワール)があってないと、ゲイシャフレーバー出ません。中米全土で広まってきており、COEでもGeisha種が多く出品されています。でもやはり本場のパナマ、もしくはコロンビアでないとこれぞ!というものに巡り合うのはなかなか難しいと思います。

また変異しやすいので、中米でGeisha種として見せてもらった生豆がロングビーンの形状をしてないこともあり、最近は真贋相乱れる(愛乱れる♡)状態になっている気もします。

・・・ん?ブリーダーは存在しないことになっているな、しかもPublic Domainで所有権がどこにも設定されてない!・・・植えてもいいけど種は自分で手に入れてね!・・・ってことかしら??

パナマでGeisha種を最初に打ち出したのは確かDon Pachi農園でしたね。その数年後にLa Esmeraldaが脚光を浴びました。Peterson一家の長男Danielさんは自分の農園の木の中でとんでもないフレーバーを持つものがいくつかあったので、それを選別していったということを言ってましたね。それにしてもパナマはGeishaバブルですごいことになりましたねー。

Yellow Geisha種も存在しており、同じくPanamaのKotowa農園で見せてもらいました(あれ?同じオーナーのRicardo Koyner所有のRio Cristalだったっけ?どっちだったかな?)。

Guatemalaの品種

  • Caturra/Caturai
  • Pache
  • Bourbon Cito
  • Bourbon Elite
  • Red/Yellow Bourbon
  • Red/Yellow Typica
  • Pacamara
  • Geisha

グアテマラも何気に多いのですが、これまたほとんど以前紹介した品種が多いので簡単にまとめます。Bourbon種系の亜種が多く、その中で木が小さいものをBourbon Cito(シット=小さい)種といい(それってCaturraじゃないの???)、Bourbon種の中でも特にカップクオリティーが高いものを”Bourbon Elite”と呼んでいますが、正式な品種というより、個体差に近い変異ですね。

有名な産地である古都Antigua(アンティグア)地区のRetana農園ではYellow Bourbon種が植わっているのですが、こちらは秀逸で甘さが強く、きれいな酸がありRed種にあるような青臭さがあまりないので結構いいですよ。ちょっとホワイトグレープっぽいのが出る時もあります。

また同じくAntigua地区のFelicidad(フェリシダー)農園でもブラジルで発生したYellow Botucatu種と同じように、農園内で黄色種に変異したTypica種があり、そのまんまYellow Typicaと呼ばれています。酸はマイルドで甘さ優位タイプ。

Pacamara種やGeisha種の登場も増えてきましたね。GeishaではEl Progreso地方のKalibus La Sierra農園が2019年のCOEで上位入賞してますね。新しく脚光を浴びる地区も多くなっているように思います。

それでは初登場のPache種をご紹介します。

Pache(パチェ)赤品種

Bourbon-Typicaグループ。Typica種の変異種です(あれ!Bourbonの変異かと思ってた)。他との交配を経ず、単一遺伝による変異によって矮小化しました。木がコンパクトなのでこれまた密植が可能になり、収量の増加が見込まれました。1949年、グアテマラのサンタロサ、サンタクルス・ナランホという場所にあるBrito農園で発見されました。

種子選別にあたってはMass Selectionが行われ、優秀なグループの木々の種子を継承し行くことを繰り返して選別が高められました。なお病害虫に特に耐性ありません・・・・。

標高は1200m以上が推奨(ペルーの場合は1400m以下まで)。降雨量は2500mm以下が良いようです。

・・・ぶっちゃけあんまりカップしたことないですねー。一応カップクオリティーはGoodになっていますね。Pacheって割と有名な品種ですけど、Micro Lot系のスペシャルティーでも最近はそんなに聞かないですね。でもそのうちブレイクしたりして・・・?

Guatemala El Injerto農園の代表的品種

  • Caturra/Catuai
  • Bourbon
  • Maragogype
  • Pacamara
  • Yellow Nance(Yellow Catuai)
  • Mocca
  • Panama Geisha
  • Malawi Geisha
  • SL28

では続いてグアテマラで最も有名で偉大な農園、El Injerto農園の品種概要を見ていきたいと思います。すでに紹介しているものが多いですね。新しいのはMocca種くらいですかね?ちなみにInjerto(インヘルト)は英語で言うGrafting=接ぎ木という意味です。

Caturra、Catuai、Bourbon種のブレンドは通称”Traditional”というブランドで出しています。(最近はCaturra種の割合は減っていると思います)。この農園のスタンダードラインですね。精選等のプリパレーションはレベルが高くとってもきれいな生豆です。でも最近はちょっと青臭さや微かなナッツっぽさがありますね。ただボディーはあるので重厚感はあります。

Catuai種単体で区画別に”Santa Rosa”、”Tanzania”というロットもあります。青臭さはなく、バランスが取れた感じで、類まれな品質ではないですけど、上質だなーと思えるカップですね。アシディティーも良好!

Bourbon種単体のロットもあり、これは長らくアメリカ、ポートランドのStump Town Coffee Roasters向けのほぼ専売品でした。最近はあまり買わなくなったのか、日本にも売ってくれるようになりました。同農園の看板商品の一つですね。甘さが強く酸は穏やかでほんとに濃いいという感じです。フローラル等のとびぬけた感じはありませんが質感も強く、Pacamaraが出てくる前のEl Injerto農園を代表するロットだったと思います。なお実は名前を変えてCOEに何回も出品されています。Las Macadamiasという名で出品されていて上位に入ってたりします。2019年のCOEはこっちの名前で出品したPacamara種が優勝しました。

Yellow Nance種は実は通称で、実際はYellow Catuai種です。しかし通常の物とちょっと生豆の形が異なっており、ややロングベリー形状をしています。生豆のアピアランスはおいしそうですがやや表面がくすんだ感じですかね。カップは・・・。正直ファナティックはあんまり好きじゃないかも・・・。アシディティーはあまり明確ではなく、甘さはあるのですが、ミルクチョコレート様で、フルーツはあまり感じられません。ボディはあるので質感重視タイプですかねー。

Maragogype種は下記で触れるPacamara種に準じたフレーバープロファイルになっています。テロワールやコンディションが合致すればPacamaraとそん色ないのですが、草っぽいグラッシーな感じが出やすいですね。El Injertoといえども少し落ちますね。ちょっと荒々しい・・・。あんまり数はなかったように思います。たまに玉が出てきます。

Pacamara種については、もうほとんど説明不要ですかね?この品種によってEl Injerto農園は一躍スターダムに躍り出ました。それこそ何回もCOEの1位に入賞し、ほとんど反則級のクオリティーを誇っていました。この農園によってはじめてPacamara種に偉大なポテンシャルがあることが証明されましたように思います。強い甘さと明確なトロピカルフルーツ、熟したアップルのフレーバーにみんなびっくりしてましたね。何度もCOEで1位になるのでEl Injerto農園もパナマのLa Esmeraldaに倣ってプライベートオークションを開催するようになりました。さすがに今では他の農園も力をつけてきているので、最近COEの連続優勝はしてないですが、素晴らしいコーヒーであることには変わりないですね。“Pandora”というロットが代表的なブランドです。

Geisha種はパナマのGeisha種、とマラウィのGeisha種の2ラインあります。正直マラウィの方はぱっとしません。フローラルないですね・・・。パナマの方はGeisha Centro AmericanoまたはLegendary Geisha(伝説のゲイシャ・・・)という名前でプライベートオークションで出てますね。フレーバーは本家パナマにそん色なく、やや乳酸的なフレーバーとフローラルさが感じられます。ロット数が少ないのでオークション以外には出回らない特殊なコーヒーですね。

SL28種はHPに記載がるものの、カップしたことないですね。おそらく木もまだ数本しか育っていないのでできちんとしたロットにするのにはまだ本数が足りないのでしょう。種子はエルサルバドルのFinca Kilimanjaroからもたらされたものだと思います そのうちオークションなどでもお目見えするかもしれません。

ではMocca種を紹介します。

Mocca(モッカ)赤品種 Mokka, Mokha等いろいろ表記あり

Bourbon-Typicaグループ。どちらの変異種であるかは明確に判明していません。発生源はエチオピアのHarrar地区近郊と見られています。名前がモカなので、イエメンのコーヒーと混同しそうですが、そっちの方ではなく品種の名前です(何かしら関係はあるかもしれません経由地とか・・・)。遺伝的には既出のLaurina種に大変近く、Mocca種もかなり小さい矮小種として発生しました。Laurina種と同じようにカフェインの含有率が低く、木は円錐形のコンパクトな形をしています。

実がこれまた極小で、Bourbon種とかの半分くらいの大きさしかありません。ついでに言うと当然花も小さいのですが、何となくコーヒーのミニチュアみたいな感じですね。El Injertoにはどうやって伝わったのか詳細には判明してませんが、おそらくメキシコから来たのではないかとみられています。El Injerto農園のあるHuehuetenango地区はメキシコ国境に近いのでそういった経緯もあるかもしれませんね。

ここ以外では、実は何故かハワイでも育成されています(1955年に伝播したとか)。 カップは・・・ナッツ感強くてフルーツ感はあんまりないですね・・・。特に素晴らしいコーヒーという訳ではありません。それでも数年前にプライベートオークションで韓国のMomos Coffeeが1ポンド$500位で落札した(その前は$300だったかな?)ことで、ちょっとしたニュースになりました。まあ・・・話題のコーヒーですが、品質は微妙ですね。ざんねんぽーん!

・・・・

・・・・

・・・・

やべ、もうすぐ5000文字だ・・・。

いったん区切るか・・・。

まあ今回はパナマのHacienda La EsmeraldaとグアテマラのEl Injertoがあったからしょうがないかな?

次回は中米編最後ですね。

あ、そうそう最近コロンビアの品種でSidra種というのがあって、WBCとかでも出てきているので、そのうち加筆しますね!

・・・・

・・・・

・・・・

・・・・

高嶺の花だなんだ言ってたら何もできないよ!!

かわいこちゃんには果敢にアタックだ!!

・・・・

「今夜僕と一緒にゲイシャをカップしませんか?」

・・・・

殺し文句はこれで決まりだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

べっぽ♡