こんにちはー。ふぁなてぃっく・・・みかみりょうです。

しばらく別ネタ掲載してたのですが、また品種に戻ってきました。

ということで中米の品種なのですが、主要生産国挙げると、メキシコ(実は中米じゃないけど・・・)、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマあたりの国々ですね。結構ありますね。

コアになる品種が大体Caturra種、Catuai種辺りでして、それらは以前にも取り上げたので、それ以外の品種から行きたいと思います。ということでトップバッターはエルサルバドルです。それからホンジュラス、ニカラグアの順で行ってみます。

ちなみに中米は国ごとに力を入れている品種が異なるので、まぢで長くなります(あべし)。ご承知置きを・・・。

んでもってまたWCR様のリンク下に貼っておきます。どうやらPublic Domainで公的に配布されている品種以外、個人や会社所有の個別品種は掲載されてないようですね。商標も絡むのかな?だからなのか掲載にムラがありますねー。

World Coffee Research

https://varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties

El Salvadorの品種

  • Bourbon
  • Caturra/Catuai
  • Pacas
  • Pacamara
  • Orange Bourbon
  • SL28(Sola一族?通称Kenya)
  • Bernardia

Bourbon/Caturra/Catuaiは紹介済みなので、Pacasから行きます。

Pacas(パカス)赤/黄色品種

Bourbon-Typicaグループ。ブラジルで発見されたCaturra種、コスタリカで発見されたVilla Sarchi種と同じ様にエルサルバドルで発見されたBourbon種からの変異種です。Pacasは他種と交配を経ないBourbon単一の変異から生まれ、その過程で木のサイズが小さくなる矮小化(Dwarfism=ドワーフ化)を遂げました。それにより密植が可能となり、更なる収量の向上が可能になりました。

1949年にエルサルバドルのSanta Ana地域にある、パカス家(人名)の農園で発見され、そのままPacasと名づけられました。そして1960年に研究機関である、Instituto Salvadoreño de Investigaciones del Café (ISIC)によってPedigree Selection、いわゆるPacas種の種子選抜が行われました。国内では広く植えられていて全生産量の25%に及びます。1974年にはホンジュラスに紹介されました。なお種はProcafe(グアテマラ、コスタリカ、エルサルバドル、パナマの合同研究機関)より今でも入手できます。

木は低くかなり小ぶりで収穫しやすい木ですね。でも各病害虫の耐性がなく、特にさび病に弱い特性を持ちます(致命的(涙))。生豆はやや小ぶりです。

エルサルバドルでは特に有名なPacamara種の親ですが、Pacamara種のフレーバーのもとはPacas種から来ているのではないかと考える生産者もおり、最近では特にホンジュラスで注目度が高いですね。なおYellow種もあって、こちらはニカラグア Fincas MierischのErwin氏がホンジュラスで持っているCerro Azul農園で栽培されています。

高い甘さがあり酸も明るく、柔らかく、とてもおすすめの品種ですね。ちょっと乳酸的な雰囲気もあるかも。

Pacamara(パカマラ)赤/黄色品種

Bourbon-Typicaグループ。Pacas種とMaragogype(またはMaragogipe。Guatemalaのところで解説します)種との交配種です。勝手に通称マラゴ3兄弟(Maragogype、Pacamara、Maracaturra)の一つです(笑)。

PacasはBourbonの変異種、MaragogypeはTypicaの変異種です。木は高く大柄で、Typica種の影響か、かなり実が大きくて大判型をしています。葉も巨大でTypica種の葉をそのまま大きくしたような形をしています。Pacamara種はEl Salvadorで発見された品種ですが、上記ISCIでの選抜が不完全だったため、やや変異しやすいようです。

類まれなカップクオリティーを示す可能性が高く、アップル、トロピカルフルーツやフローラルな香り、ジューシーな酸、高い甘さ等テロワール(Microclimate)が合致すると素晴らしいフレーバーと品質を誇ります。Cup of Excellenceでも出品が多く、エルサルバドルのCOEはほとんどがこの品種で占められるほどです。また後ほど紹介するグアテマラ Injerto農園のPacamara種は特に有名ですね。品質が素晴らしいので個別にプライベートオークションを開催しているほどです。Geishaに次ぐポテンシャルをもった品種でしょうね。

品質は良いのですが半面病害虫に耐性なく、特にさび病にかなり弱いです。しかも遺伝的に安定しておらず、次世代で変容しやすいので注意が必要です(ISCIの種子選抜不足も影響してるかも)。

Orange Bourbon(オレンジブルボン)オレンジ色品種

Bourbon-Typicaグループ。前回紹介したPink BourbonはコロンビアのHuila地方で発生したものでしたが、エルサルバドルでもRed Bourbonからの変異で異色系の物が発生しています。大体はRed BourbonとYellow Bourbon等の交配で発生しています。ものによっては色合いが桃色がかっていたりもするので、これまた同じようにPink Bourbonとも呼ばれることがあります(ややこしいー)。日本でも某Coffee Hunterさんの紹介でちょっと注目されましたね。

甘さが強く、Red種のような青臭さが出にくいです。Apaneca地方のSan Blass農園でも植えられています。酸も柔らかでおすすめ!まだ希少種なのでなかなかカップできないのが残念ですかね?でもエルサルバドルでも分布が広まってきているので、今後見る機会も増えそうですね。

SL28(エスエルトゥエンティーエイト=通称KenyaもしくはKenia)赤品種

Bourbon-Typicaグループ。基本的にはBourbonから派生した品種です。SL28はケニアで広く分布している品種で、Scott Laboratoryという研究所で誕生しました。詳しくはアフリカ篇で紹介します。

エルサルバドルのSL28は100年以上前にこの国を実質支配していた”14家族”のうちの一つ、”Sola Family”ソラ一家がアフリカのケニアに外遊に行った際に入手したものと言われています。その種苗はSanta Ana地区の農園に植えられて本当にわずかな気が人知れず育成していました。ようやく2014年ごろに日の目を見ることとなり、現在生産量が徐々に増えていっています。

La Divina Providenciaやその近隣に位置する有名農園Finca Kilimanjaro(Tanzaniaじゃないよ)等のSL28が有名ですね。

味わいは本家ケニアの様に鮮やかな酸があるタイプではありませんが、甘さが強く、ボディがあり、複雑な酸を感じます。World Barista ChampionshipでもEL SalvadorのSL28で優勝した方もいましたね。とてもおすすめ!!

Bernardina(ベルナルディナ)赤品種

Bourbon-Typicaグループ。上記でご紹介したPacas一家のMaria Pacas氏が購入したLos Bellotosで発見された品種です(この一家、新品種の引き強いね・・・)。発見当初はわずか5本の木のみ。最初はGeisha種だと思ったそうです。しかし当時はまだGeisha種の木はEl Salvadorに持ち込まれていなかったので、新たな品種であるということになりました。

カッププロファイルはそれでもGeisha種の様であったため、DNA鑑定したところ、70%がGeisha種と合致しており、残りの30%は不明なのですが、おそらく希少種であるAgaro種(どんどん新しいのがでてくるな・・・・。)に近いということが判明しました。しかしこの5本の木がどうやってエチオピアのAgaro地方より伝播したのかは謎に包まれています。なおこの木は樹齢70年を超えていたそうで、おそらく持ち込んだ人物はすでに他界しているものと思われます。Maria氏はこの品種を発見者の名前からとって“Bernardina”と命名しました。

味わいはGeisha種に近く、フローラルでバタースコッチのようなリッチさがあるようです。またアフターにやや心地よい、かすかなアーシーな酸(アーシーな酸ってなんだ?)を感じることができます。

ファナティックはCOEのサンプルカッピングしましたが、よかったような記憶があるものの、あんまり印象覚えてないです・・・。ただ聞いたことない品種だったので一応調べていました。でも2019年の3位だからきっといいはず・・・?

Hondurasの品種

  • Caturra/Catuai
  • Pacas
  • Lempira
  • IHcafe 90
  • Parainema

ホンジュラスはHybrid系に力を入れてますね。それではLempiraからはじめましょう!

Lempira(レンピラ)赤品種 *Catimorグループ

Hybrid系品種。Caturra種とTimor Hybrid832/1種との交配種のいわゆるCatimor種です。中米のCatimor種の正式品番は T8667となっており、ホンジュラスのInstituto Hondureño del Café (IHCAFE)で種子選抜されたものが“Lempira”種となります。コスタリカのCentro Agronómico Tropical de Investigación y Enseñanza (CATIE)で選抜された物は“Costa Rica90”種、エルサルバドルの Instituto Salvadoreño de Investigaciones del Café (ISIC)で選抜されたものは”Catisic”種とそれぞれ呼ばれています。

上記のコスタリカの研究機関であるCATIEがブラジルのFederal de Viçosa大学から雑種5世代目(F5)のT8667を入手し、その後、個人の農園主たちによってMass Selection(優良な区画グループの木から種子を選別し、増やすこと)されました。それが中米各国にひろまったのがルーツとなっています。

コーヒーの大敵であるさび病に対抗するために生まれたCatimorグループですが、最近の研究によるとLempiraはさび病への耐性がなくなったようです(えええええええ・・・!!)。

木はCatimorだけあってかなり元気があります。葉は枚数が多くつやつやで、わさわさしています(ちょっとお化けみたいで怖い)。Robusta種は根の面積がArabica種の2倍以上に生育するので、力強さも継承してるのでしょうね。

何度もお伝えしていますが、高標高では明るい酸を持つので、区画をきちんと選べばよいコーヒーが育ちます。ホンジュラス Raga Café 代表Rony Gamez氏はそのように言ってました。

IHCAFE 90(イカフェノベンタ)赤品種 *Catimorグループ

Hybrid系品種、ベースはCatimorグループのT5175がベースになっています。親は同じくCaturra種とTimor Hybrid832/1です。同じように上記のブラジルの大学からコスタリカに持ち込まれました。先頭の”T”はコスタリカの研究機関CATIEの所在地Turrialbaの頭文字から来ています。このT5175のF3(雑種3世代目)がコスタリカで展開され、その後ホンジュラスで選別されたのがIHCAFE90種となります。

さび病への耐性は失ったようで、さらにその他の病害虫の耐性もないので、もう何にも耐性がありません(あちゃー)。特にOjo de Galloという葉の病気に弱いです。また遺伝的に安定していないので変異しやすいです。樹勢はCatimorシリーズに準じており、矮小かつ実成が多く、葉も多いので元気な木ですね!

カップクオリティーは今までかなり低いとみられてきました。あんまり酸が明るくないというのが一般的でしたが、高い標高とHondurasの良好なテロワールで育まれたIHCAFE90種は、ボディーときちんとした酸があり、変なネガティブは感じないですね。マウスフィールは結構しっかりしてると思います。

Parainema(パライネマ)赤品種 *Sarchimorグループ

Hybrid系品種。Caturra種の変異であるVilla SarchiとTimor Hybrid CIFC832/2との交配種でいわゆるSarchimorグループにあたります。T5296種というSarchimorがベースになっています。このT5296がホンジュラスで種子選別されたものがParainema種になります。なおこのT5296は不安定で変異しやすいのですが、エチオピアの品種が戻し交配されることで、様々なF1(新雑種初代)品種が生み出されました。以下はその例です。

  • T5296×Rume Sudan = Centroamericano H1種、 Milenio H10種
  • T5296×Ethipiaの何かの品種 = Mundo Maya

・・・3つともあんま聞いたことないな・・・?El SalvadorのF1種もこれのグループの何かかもしれませんね・・・。

Parainema種は根腐れ病のNematodes(ネマトーデス)に耐性があります。さび病にも耐性があり、CBD=Coffee Berry Diseaseにもやや耐性を持ちます。

生豆はややロングビーンで一見Geisha種やPink Bourbon種に似ています。高標高だと実は引き締まり、さらに似て見えます。COE等でも出品が多く、しっかりした酸とボディーで凝縮感があるのでいいですね。ただミルクチョコみたいなフレーバーが出ることがあり、フルーティーさを阻害することもあるかな?ファナティックは基本的に密度の高いロングビーンは結構ポテンシャルあると考えています。

Nicaraguaの品種

  • Caturra/Catuai
  • Catimor
  • Villa Sarchi
  • Java
  • Yellow Pacamara
  • Maracaturra

ニカラグアも力を入れている代表的な品種がありますね。Caturra、Catuai、Catimorは飛ばして、Villa SarchiはCosta Ricaで解説します。Javaから行きましょう。

Java(ジャバ)赤品種(黄色もある?)

エチオピア原種。Nicaraguaでよく植えられているためNicaragua産の物は通称Javanicaと呼ばれています。その名の通り、19世紀初頭にオランダによってエチオピアからインドネシアのJava(ジャワ)島に持ち込まれたことが名の由来になっています。当初はTypicaと思われていて、Java島からカメルーンに持ち込まれたものはCBD(Coffee Berry Disease)にやや耐性があることが判明し、20年にわたるSeleciton(種子選抜)の後1980-90年にかけてカメルーンで広まりました。

当初はTypica種と考えられていたのですが、遺伝子分析の結果、エチオピアのAbysiniaに起源を持つ種であることが判明しました。1991年にコスタリカに持ち込まれ、CBD(当時中米にはCBDはなかったがそのうち到来することが予見されていた)に対抗するため、そして育成に肥料をそれほど必要としない品種であることも好感されて紹介されました。なおさび病にも少し耐性があります。

一応コスタリカからは他国に伝播しなかったことになっていますが、公式にその存在が認められたのは2016年のパナマにおいてでした。

高標高ではフローラルな香りを放ち、生豆の形も味もGeishaによく似ています。しかし全く同じレベルという訳ではなく、Geishaほどのカップクオリティーにはなかなか及ばないです。Nicaraguaではほかの中米諸国と比べても標高が低い地域、大体1400mで高くても1600-1700m程度なので、類まれなカップが出るのは結構厳しいですね。新芽がGreen/Bronze Tipの2タイプがあり、GreenはAcidityが明るく、Bronzeは甘さ主体だったような記憶があります。

ニュークロップサンプルではフローラルで素晴らしくても、日本到着時に香りが弱くなり、さらに半年も過ぎるとナッティーな感じに変容してしまうことが多いです・・・。標高が低いうえに乾燥がいまいちだからなぁ・・・・)。ポテンシャルはあるんですけどね。

Matagalpa地区のFinca Limoncillo農園などErwin Mierisch氏の所有する農園でよく植えられていますが、最近はNicaragua全土に広まってきていますね。Erwin氏はHondurasにも農園を持っているので、そこで植えているJavaはJavahonduと言ってますね(あらあら)。

遺伝的に安定しておらず、同じ木でもロングベリーとラウンドベリーが混じりやすいため特徴を維持しにくいようです。完全に変異してロングベリーを結実しなくなった物をErwin氏はJavacatu(ジャバカトゥ)と言ってましたね。フローラルフレーバーはロングベリーに宿るので、地道にロングベリーの実を選別してSelectionをしていました。大変骨が折れると思います・・・。

Yellow Pacamara(イエローパカマラ)黄色品種

Bourbon-Typicaグループ。Pacamara種の黄色バージョンです。上記Erwin氏の農園で栽培されています。農園のPacamaraの木が突然変異で黄色に変色したようです。それを選抜して数を増やしたようです。一時期バリスタの大会とかでもこのYello Pacamaraのナチュラルが良く登場していましたね。祖先のどこかに黄色品種がいると先祖返りして黄色の実が発生するとErwin氏は言っていました。

通常のPacamara種より甘さが強く、トロピカルフルーツフレーバーが顕著で素晴らしいクオリティーです。とっても素晴らしい!!でもなかなか売ってくれません・・・(しくしく)。Limoncillo、San Jose、La Huellaなどの農園で植えているようですね。

Fincas Mierisch

http://fincasmierisch.com/

Maracaturra(マラカトゥーラ)赤品種

Bourbon-Typicaグループ。上記で紹介したマラゴ3兄弟の一人です(笑)。Typicaの変異種であるMaragogype種とCaturra種の交配種で、1979年にニカラグアで発見されました。1800年後半ブラジルで発見されたとのソースもありますが、おそらくMaragogype種と混同されているようです。Nicaraguan Institute of Agricultural Technology (INTA)によって種子選抜が行われましたがニカラグア国内でSandinista革命が勃発し、内戦になってしまったため選抜を完了することができませんでした。一応個人農園でSelectionを引き継いだものの遺伝的に安定していません。3兄弟の中では最も実が大きく(末っ子が大きいパターン)、葉もさらに巨大です。なので風に弱いそうです・・・(Susceptible to Windだって)。

カップクオリティーは高く、トロピカルフルーツ様のフレーバーが出やすいです。ニカラグアではBuenos Aires農園やこのグループに属する農園のMaracaturra種が良くCOEで入賞しています(El Naranjo、Ojo de Agua、La Laguna等)。ただ味わいはちょっと薄くて濃縮感に欠けます。酸は柔らかいのですが、GuatemalaのPacamara種等と比べるとインパクトが弱く、おとなしい印象ですね(気の弱いやさしい巨人みたいな感じかな?・・・うぽ)。

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くあ!!

ここらへんですでに5000文字になっとる・・・。

しょうがないから残りの国は中米編パート2でご紹介しますかねー。

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きみの瞳はパッチリしてて・・・

まるで・・・ぱかまら・・・のようだ♡                                                    

これって誉め言葉!?・・・だよね?

ほめほめほめほめほめほめ♡