こんにちは!!Variety Fanatic三神ですー。
もう年末・・・・!!早いですねー・・・。
今年は何とかSCAJも開催されましたし、
おかげさまでFanaticな1年を過ごすことができました!!
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年末年始はコーヒー屋さんもお休みなところも多いと思うので、暇つぶし的なコンテンツとして今年最後の品種ブログを上げてみようと思いますー。エクアドルとブラジルDaterra農園の品種群の紹介です。
あ、あと、過去に品種早見表にアップしていたと思ってた、Arara種とかCatigua種、Ouro Verde種なんかもきちんと追加しときました!!
今回も同時に品種早見表も更新しておくので併せてお楽しみください♡
エクアドルの品種たち
- Typica Mejorado
- Sidra
今まで謎品種だと思ってたTypica MejoradoとSidraについてちょっと情報が入ったので、今回こちらで再度紹介させていただきます!!
まあ、遺伝的系譜の分析は、SSR、SRAP、TRAPなど色々種類があって、採用する分析法では結果が変わることがありますが、とりあえず、今回はこんな感じのリサーチ結果になりましたー。
Typica Mejorado(ティピカ・メホラード:改良型ティピカ)赤色品種
エチオピア原生種系交雑種。長らくよくわからん品種(今でも?)でしたが、エクアドルのPichincha(ピチンチャ)エリアにあった、Nestle社が運営していた試験農場で開発された品種であることが分かりました。Ethiopia原生種系(Geisha種という説もある)とRed Bourbon種の交配種を数世代にわたって種子選抜したものです。
ゲイシャやエチオピア系を思わせるフローラルなフレーバーを表すことがあるものの、あまり強く発現しませんね。上品なテイストバランスになることが多いです。
名前が“Typica Mejorado=改良型ティピカ”になっていますが、Java島からの伝播でTypica種、Geisha種、Abyssinia種(Java)などが渡りましたが、それらが混在して、いわゆる“Typica”として伝わったものを品種改良したため、このような名称になったと考えられますねー。
コスタリカの部で一度紹介してますが、それにしてもTypical(典型的)なMejorado(改良型)ってどういう説明だよ(笑)・・・・?全然ちがうじゃねぇか・・・(― ―〆)。
Sidra/ Bourbon Sidra(シドラ/ブルボン・シドラ)赤色品種
エチオピア原生種系(??)。Typic Mejorado種と同じくNestle社の試験農場で開発された品種です。ついこの間までTypica種とRed Bourbon種との交配種と考えられてましたが、近年のWCR遺伝子分析によるとこの両者の系譜に連ならないことが判明したそうです。現在ではエチオピア原種(Local Land Race)にカテゴライズされているとの事です。しかし、別機関の分析ではSL種の要素(Bourbon/ Typica系=SL28系統?)もあると示唆されています。・・・・結局どっちやねーん(― ―〆)!?
Nestle社の試験農場では品種選抜が完了されなかった品種が複数あり、Sidra種もその中の一つとされています(という事は変異しやすいでしょうね)。ちなみにSidraの名前は近くに植えられていた“Sidra”という樹木の名にちなんだものらしいです。ロングビーンも少々混じりますが、エクアドルのロットだとアピアランスはBourbon種やSL種などのような丸みを帯びている粒が多いです。ここら辺はテロワールによって形が変わっていきそうですね。コロンビアだとYellow Bourbon種が縦長に生育しているので・・・・。
カップは甘さと質感がかなり強くて印象度の高い品種です。程度の良いものはケニアの上位ロットのようなカシス的ニュアンスもありますね。フローラルノートもたまに出る事があります。
(上記の情報を知る前のインプレッションです。ファナティック冴えてるかも!?(´∀`*)ウケケ)。
Daterra(ダテーハ/ダテーラ)農園の品種たち
- BA10
- Aramosa
- Acaua
- SH3
- IPR100
- Datopia
- Paraiso
先日ブラジルDaterra農園のMaster Pieceシリーズを拝見する機会があったので、ついでにちょっとリサーチかけてみました。2016年でLaurina種のAnerobicものがWBrC(World Brewers Cup)で優勝して以降、同社は品種改良や生産処理に意欲的な取り組みが見受けられますね。結構変わった品種が多いのですが、それはさすがに大国ブラジルですから、ブラジルのカンピーナス試験場=IACで開発/交配された品種群は膨大なものだと思います。一体どれくらいの品種が登録されているのやら・・・・。
ちょっと見当がつきませんね(笑)。うぽ。
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という事で以下はリソースなのですが、相変わらずファナティックはBiology(生物学)苦手なので、調べて理解するのにとーっても時間がかかりました(結局よく分かってないんだけどね・・・)。ひい(/ω\)・・・。
Daterra
http://www.daterracoffee.com.br/
BSCA Variety Guide
https://bsca.com.br/variety/list/page/1
SciELO Brazil
Australian Journal of Crop Science
https://www.cropj.com/pereira_15_6_2021_811_815.pdf
それではいってみよー!
BA10(ビーエーテン:IAC 1110-8)赤色品種?
Arabica種にLiberica種を交配させて、遺伝子封入(遺伝子汚染ともいう)させた品種です。葉や実に寄生する病原体バクテリアであるPseudomonas Syringae(シュードモナス・シリンガエ)に耐性を持っています。ブラジルで発生する病気や菌類に強い耐性を顕すSH3因子を持つことから1953年にIAC(Agronomic Institute of Campinas)の遺伝子バンクに導入されました。
コーヒーの病気といえば、以前ブログに取り上げたことがありましたねー。
AJCS
https://www.cropj.com/pereira_15_6_2021_811_815.pdf
Pseudomonas syringae
BA10種単独で展開されているコーヒーはないのですが、今回の品種群で重要な役割を担っているので、記載してみました。
Aramosa(アラモサ:IAC 1195-5-6-2?)赤色品種?
アラビカ×レイスモサ交配種。Coffea Arabica(Blue Mountain:ブルーマウンテン種)とCoffea Racemosa(ラスモサ?レイスモサ?)との交配種。Blue Mountain種はジャマイカで発生したTypica種の変異種でCBD(Coffee Berry Disease)に耐性を持ちます。この品種に他アラビカ種やハイブリッド種を掛け合わせた次世代の耐性種が複数ライン存在します。
Aramosa種もPseudomonas Syringae(シュードモナス・シリンガエ)が媒介する、Halo Blight of Bean(ハロ・ブライト・オブ・ビーン)と呼ばれる病気に耐性を持たせてあります。これに感染すると、実や葉に小さく黒い斑点が多く発生し、一部潰瘍化するそうですね(オソロシイ・・・)。
別のソースだとIcatu種とC. Racemosa種との交配になっているけど・・・一体どっちが正しいのやら・・・・(;´・ω・)ヤレヤレ
CURTIVARES DE CAFE
http://www.sapc.embrapa.br/arquivos/consorcio/publicacoes_tecnicas/Livro_Cultivares.pdf
まあ、IACの方が正しいと思いますがねー。SCIの方も親がBlue Mountainとの記載があります。
もう片っぽの親のCoffea Racemosa種についてですが、この品種は120あるとされるアラビカ種外のコフィア属の一つで、クワ・ズール・ナタル北部からモザンビークにかけての森林で生育しています。干ばつに大変強く9カ月間の渇水状況にも耐え、砂地に近い土壌でも成長します(すげぇな・・・)。この品種のカフェイン含有量は低く、ロブスタ種の半分以下でアラビカ種の1/4位だそうです。1960~1970年代にかけてモザンビークでポルトガル人によって栽培されてましたが、現在はIbo Island(イボ島)とHluhluwe(フルルエ)の2か所のみ農場が残っています。
Aramosa種はフローラルなアロマがあり、カフェイン含有量も少ないので刺激が少ない品種とされています。
カップしたところ甘さがありました。ちょっとナッツ様でメタリックな特徴も感じられたので、熟度の管理が難しそうな品種ですねー。
Acaua(アカウア/アカウアン)赤色品種 Sarchimorグループ
ハイブリッド系品種。Sarchimor系。Mondo Novo種(IAC388-17)とSarchimor系耐性種(IAC1668:ロブスタ種とVilla Sarch種のハイブリッド種)との交配種を6世代(F6)に渡って交配したものです。木は矮小化してやや小ぶりで、実は細長いです。ゆっくり熟すもののカップクオリティーは高いとされています。さび病耐性があり、根に寄生するネマトーデ(線虫)のM. Exigua(M.エクシグア)にも耐性がある耐性種です。パラナ州で開発されました。
Mocaの要素(なにそれ?)を20~30%程含んでいるとの事です。(親の方にまったくエチオピア/イエメン要素ないけどね・・・(‘Д’))
Daterra Master Pieceのカタログに記載されていますが、カップしたことないですねー。
SH3/Catuai SH3(カトゥアイ・エスエッチスリー)赤色品種
IAC耐性品種。Red Catuai種(H 2077-2-5-46)と BA10種との交配種。7世代にわたって交配されており(F7)、収量が高く、さび病に耐性を持ちます。生命力が強いため干ばつにもやや耐性があります。SCAAフォーマットで85.5ptの良好なカッププロファイルをあらわすのが自慢(?)。SH3種もブラジルのカンピーナスにあるIAC(Instituto Agronômico de Campinas)で開発されました。この品種も熟し方は遅いです。
こちらもDaterraのカタログにありますが、ファナティックはカップしたことないですー。
IPR100(アイピーアールワンハンドレッド)赤色品種
IAC耐性品種。Catuai種とBA10種との交配種で2012年に配布が開始されました。矮小種でさび病に高い耐性を持ち、この品種もゆっくり熟す特徴がありまする。ネマトーデであるMeloidogyne Paranaensis(メロイドジン・パラナエンシス?)とM. Incongnita(メロイドジン・インコングニタ)にも耐性があります。世代はF4~F7が導入されていて味はCatuai種に近いとの事。こちらもIACで開発された品種です。
ファナティックがカップした時にはワイン様のタンニン的ニュアンスを感じたので、Phosphoricな酸が特徴なのかもしれませんね。アナエロビックだったので、素のキャラクターはちょっとわかりづらかったですが、同じくネマトーデに耐性のあるParainema種なんかも似ている可能性がありますね!
Datopia(ダトピア)赤色品種?
エチオピア原生種。Daterra農園内でIACと共同で栽培しているエチオピア土着系の品種です。病害虫、気候変動、そして良好なカッププロファイルを持つ品種を開発するため、エチオピア政府の公認で土着品種群を原生林から数種セレクトし、研究機関に持ち込みました。たしか現在、エチオピアは国外への品種の持ち出しが禁止されていると思うので、正式な手続きを取って(植物検疫と通関)種苗を輸入したのですね。最近でなかなかレアなケースだと思います。大体密輸が多いと思うので(うぽ)。
Kaffa(カッファ)、Harar(ハラー)、Shewa(シェワ:アジスアババ近郊?)等のエリアから採取された8種の土着品種で構成されており(だいたい北と西の方だわね)、Daterra農園で育成されたことから、”Datopia(ダトピア)“と名づけられました。
質感が強く甘いカップでしたが、やっぱり嫌気発酵ものだったので正確なキャラクターが分かりませんでした・・・。
Paraiso(パライソ)黄色品種 Catimorグループ
ハイブリッド系品種。Catimor系。Yellow Catuai種(IAC30)とTimor Hybrid(UFV 445–46)種との交配種です。
・・・・・これ以上情報が得られませんでしたー・・・・・(/・ω・)/
ネットで調べると、コロンビアのEl Paraisoばっかり引っかかるので、ろくにソースがみつかんなかったですね(笑)。
オレンジ様の酸があり、甘さと質感が好印象。ですが嫌気発酵ものだったので素のキャラはやっぱりよく分らんかったですー(笑)。
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こんなとこかな??
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愛の試行錯誤の末にたどり着く境地・・・・。
こじらした先に得られたものとは!?
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それこそ愛の進化形!!
Amor Mejorado(アモール・メホラード)だわーん♡
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嗚呼・・・、年の暮れに煩悩の鐘が鳴る・・・・
ゴーン・・・・Σ(゚Д゚)