こんにちはー。こーひーふぁなてぃっく三神です。

今日はちょっと品種編を小休止して、コーヒーの機械の搭載されているPID制御についてかいてみますねー

あ、あとその前に品種南米コロンビア編にWush Wush種追加しときました!

Sidra種追加するときに気づけばよかった・・・(/ω\)

PID制御

ワタルFace Book時に触れたことがありますねー。あらためて各項目をおさらいしたいと思います。PIDはそれぞれの演算の頭文字をとっていて、Proportional, Integral, Differentialの三つになります。ちなみにこれ全部関数です。微分積分やったけどつらい思いでしかないですね(涙)。・・・・もう全部忘れました。なので、思い出すときはそのたびにリサーチしないとダメなんですが、その度にいつも初めて知るときの感動がよみがえります(なははははははは)。

PROPORTIONAL(プロポーショナル=比例制御)

P制御。関数のグラフのような制御です。エスプレッソマシンのボイラーを例にとってみます。仮にボイラーお湯の温度を90℃に設定した場合、例えば70℃までのヒーターの出力は100%、80℃になったら出力を50%、90℃になったら0%にするという制御設定をします。目標値に近づくにつれてと徐々に出力を絞ることで大枠で90℃を中心としたレンジの温度帯を維持できるようになります。

ただこの制御だと目標値に近づいたときに操作量が小さくなりすぎてそれ以上細かく調整できない状態に陥ります。そうすると目標値に近いレンジを維持できるのですが、ぴったり合わせることができません。目標温度を超えたり、下回ったりして安定しません。(もちろんもっと細かいプログラミングもできるのですが、細かく温度調整するのには限界があります)。

なので、その次の機能を併用します。

INTEGRAL(インテグラル=積分動作)

I動作。上記P制御時の温度上昇の速度を計算して、ヒーターの出力を微調整します。いわゆる温度の加速度制御といったところですね。細かく設定すると小刻みに出力調整することも可能ですが、やりすぎると逆に上下動が多くなりすぎて不安定になりやすなります。またこの制御動作は温度上昇の速度のみを感知した出力調整を行っているので、例えばお湯を出してボイラーの温度が下がったり、外部の気温が変化した時など、いわゆる急な外的要因の変化に対応できません。なので次の機能をさらに併用します。

DIFFERENTIAL(ディファレンシャル=微分動作)

D動作。急な偏差を感知し、その変化速度を計算して元の温度帯に復旧できるよう出力調整を行います。日々のエスプレッソ/バーオペーレーションではポルターフィルターを外したり、お湯を排出したり、ミルクスチームを行ったり、お店の冷暖房をかけたり・・・などなどの温度の内外の変動要素が多く発生します。このD動作制御を併用することで、頻繁に起こりうる偏差に対応できるようになります。

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と以上がPID制御なのですが、最近のコーヒーシーンではいろんな機械、機器に搭載されています。

代表的なのはエスプレッソマシンですかね?10年以上前は業務用でもボイラーが1個しかないものもあって、エスプレッソ抽出するとスチームが弱くなったり、温度が低下することもありました。その後デュアルボイラーといってスチーム用とエスプレッソ用に内部のボイラーが分かれて抽出が安定するようになりました。

ボイラーは分かれたものの単純な熱交換器でお湯を沸かしていたので、エスプレッソの抽出温度が安定しない時期が長く続いてました。ある形式の昔のタイプのエスプレッソマシンはボイラーのほうで100℃以上に沸かしていて、お湯のバイパスを通って抽出グループにお湯が回るときにちょうど良く冷めて95℃位になるように設計されていたのですが、抽出の間隔があいてしまうと、ボイラーの熱でバイパスまで熱せられてしまうことがよくありました。

こうなると抽出口から激熱の蒸気みたいなお湯がブシュブシュと音をたてて落ちてくるんですね。いやー恐ろしい!!・・・なので、抽出経路を逆にお湯を通すことで冷やす、Cooling Flush(クーリングフラッシュ)といった涙ぐましいテクニックを使って、湯温を安定させる手法が編み出されたりしました・・・。(シングルボイラーには必須テクだったかも・・・。)

別のタイプのエスプレッソマシンの場合は、バイパスはボイラーの影響を受けないものの、お湯の通る回数が多くなると(抽出回数が多くなると)バイパスとグループが熱くなってしまい、たまに休ませなければいけませんでした。(忙しくて休ませられないときは、もうどうしようもない・・・。)

なつかしーですね。ようやっとPIDの機能が搭載されたのはここ6年くらいですかね?コロンビアのWBC(World Barista Championship)のときはまだPID搭載された機械じゃありませんでした。気圧の低い高地だったので、クレマの出来が粗いとなんとかいろいろあって、波乱のあった大会でしたねー。

今ではだいぶ設計も進化して、例えば現在の認定機Black Eagleのエスプレッソマシンには一次ボイラー、スチーム用ボイラー、各グループヘッド用ボイラーがあって、三連打だとたしか5つ位ボイラーがあったと思います。そしてPID制御のコントローラーはスチーミング用に1つ、各グループヘッドのボイラー用で3つ、さらにグループヘッドを定温に保つヒーター用の3つで計7つのコンピューターが搭載されています(すご!!)。だから抽出温度を設定するときはボイラーとグループヘッドを調節しなければいけないので、セッティング妙味があるものの、逆にいろいろ考えてしまいますね・・・(いやーん)。

すごい進化だ・・・・!!

エスプレッソ用のグラインダーもPIDが搭載されることが増えてきました。ポルターフィルターのホルダーに重量計がついていて、設定した重量でコーヒーの粉砕が自動的に止まる機能になっています。中~後半まで一定のスピードで挽いて、後半に差しかかかると少し粉砕スピードを落として微調整して止めます。

どのくらいのスピードで重量が増えているかをモニターしいて、あとどのくらい挽けば規定重量に達するかをコンピューターが計算しているんです。こういった機能をWeight Metric、(ウエイトメトリック。Victoria Arduino社ではGravimetric(グラビメトリック))といいます。エスプレッソマシンでもBlack Eagleの上位機種ではエスプレッソの重量を上記Gravimetric機能のPIDを使用して自動的に設定重量で抽出を止めるような機能もあります。

グラインダーに関してはコーヒー豆の形状や密度が均一でないので、初期計算に時間がかかっています(いやーこれは大変だ!だってみんな形が違うもんね)。なので粉砕開始までにまだラグがありますが、これはコンピューターの問題なので、時代が下るにつれて、演算の性能が上がれば自動的に早くなります(アップデートね)。この機能はNuova Simoneri社のMYTOS2というグラインダーに搭載されています。

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焙煎機だと最近サンプル焙煎機で有名な”IKAWA”やそのライセンスを取得して独自開発してるPanasonicの”The Roast”があたります。

アプリで設定した温度プロファイルをトレースできるようにヒーターの出力を調整して既定の温度プロファイルに沿うようにPID制御します。IKAWAは豆温度用の検知針があるので、アウトレット温度感知。The Roastはファンヒーター側の温度管理なので、インレット温度感知になりますかね?

PIDといえどもぴったりのカーブにはできないので、実際は上下にかなり細かく小刻みに振動しながらその温度プロファイルのグラフをトレースします。これもコンピューターが進化すれば、上下動のギャップが少なくなり、より正確な追随ができるようになるでしょうね。

WCRC(World Coffee Roasting Championship)大会おなじみの焙煎機GIESEN W6の6kg窯だと、Set Point設定ができるので焙煎前の窯の余熱を既定の温度で安定させたいときや、排気温度ベースで温度制御をかけたいときに使用することができます。

あとGIESENは排気圧も80~180Pa(パスカル)の範囲で設定できるのでこれもPID制御。クロップスターのログ見るとわかりますが、上下に振動しながら排気制御しているのが視覚的に理解できますね!空気は温度が上がると膨張して流量が遅くなるので、こうやって数値化して、自動的に制御してもらうと大変たすかりますね!

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身近な器具だと、ハリオやBonavita、Brewista等の電気ケトルもPIDですね。あ、あとコーヒーじゃないですけど、車のクルーズコントロールもPID制御です。

こうしてみるといろんなところでPID使用されていますね。今後も様々なコーヒー器具で搭載されることが増えていくかもしれませんね。ドリップマシンの投湯制御とか・・・。ひょっとしたら生豆の発酵槽の温度管理に使ったり!?・・・想像力が膨らみますね!いやーマニアック・・・もといファナティック!!

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PID制御だと・・・!?

俺の恋愛エネルギーを制御できると思うなよ!!

いつでも出力全開じゃあ!!!!!!!!!

Proactive Insane Drive!!!

ぬわああああああああああああああああ