こんにちは。

Roast Design Coffee代表のみかみひとみです。

前回までファナティックがこってり家系らーめんのような記事を投稿しましたので、今回はメイヤーレモンのようなすっきり爽やかな内容でお送りします。

ネットショップ開始から1ヶ月少しが経ちました。まだまだ駆け出しの自家焙煎店ではありますが、密かにこれまでの日本のスペシャルティーコーヒー界隈では見たことのない商品を開発すべく夜な夜な焙煎とカッピングを繰り返していました。

発端はこちらのコーヒーです。

すらうぇし

ミラノのお土産のスターバックスのコーヒー豆です。商品名WHISKEY BARREL-AGED SULAWESI WHOLE BEANといい、木樽で1年間生豆を保存してから焙煎したものです。(日本でも買えるようになったようですね。ブログ下書き時はロースタリーオープン前でした〜)

第一印象はしっかりとしたウイスキーの香りが感じられました。冷めてからはカクテルのような雰囲気もありますが、グラインドしたときの印象に比べるとウイスキーの風味は弱めでした。

そこで、これをもっとクオリティの高い豆でできないか、と考えました。(スラウェシごめんよ)

しかし、いくつかの問題も同時に頭に浮かびました。

第一にそのままで十分優れた風味特性を持つ豆にわざわざお酒をぶっかける必要があるのか、ということ。

そして、1年間も漬け込んでいたら生豆自体が劣化するのではないかという問題です。1年後にどれだけ劣化が進んでいるか予測できない怖さがありました。

ですが、ここでみかみ家で1つのアイデアが生まれました。

カレントの生豆で短期間で漬けてみてはどうか、と。

生豆は時間が経つと水分が抜け枯れていきます。そして徐々に風味の印象が弱まり、さらに劣化が進むとテイストに阻害要因を感じるようになっていきます。

しかし、甘さや質感など劣化しにくい要素もあります。

これを漬け込むことで、初年度よりほんの少しだけ輝きを失ってしまった生豆を救済することにもなるのではないかと思いました。ベースとなる甘さや質感に、ウイスキーやラムといったお酒の風味をのせることができるのです。

しかも、カレントであれば水分値も下がっているため漬け込みに向いており、焙煎のコントロールもそこまで難しくないという利点もありました。

方向性が定まったのちは、ひたすら漬け込んでは焙煎・カッピングと検証を重ね2種類の商品化が決定しました。

Infusion series ・WHISKY Colombia Villa Fatima

ウイスキー × コロンビア ビジャファティマ

コロンビア ビジャ ファティマのブルボン種を高級国産シングルモルトウイスキーで浸けました。(日本最初のモルトウイスキー蒸留所のものです)

ウイスキー自体にかなり甘さがあるので、焙煎は1ハゼが終わるころまでとし、深めにして味のバランスをとっています。(インフュージョンシリーズ全てに共通)

ウイスキー特有の香りと、ビジャ ファティマのチョコレートやハーブのような風味があわさり、かなり印象度の高い独特な味わいです。

Infusion series・RON Guatemala Antigua La Folie

ロン × グアテマラ アンティグア ラ・フォリー

グアテマラ ラ フォリー農園のコーヒーをグアテマラを代表するあの高級ラム酒につけました。

何かと高級アピールしてすみません。しかし検証の結果、コーヒーのクオリティに見合ったお酒でかつ相性がよくないといけなかったのです・・・

こちらは香りのインパクトはウイスキー・ビジャ ファティマほどではないのですが、圧倒的な甘さとトロンとした質感の相乗効果がすごいです。

玄人うけするカップだと思います。

ロースターとして

このように生豆を加工することについては賛否両論あると思います。

しかし、私はバリスタとしての経験も焙煎に取り入れていきたいと考えています。

例えばラテを作るときエスプレッソにミルクを加えることでどう味を表現するか、その豆のもつポテンシャルをいかしつつどのような相乗効果を出すのか意識しますし、またはアレンジドリンクやシグニチャードリンクを作るときにも、同じように意志をもって抽出した液体に”手”を加えます。

ロースターとしても同じ姿勢でいたいと考えています。

それぞれの生豆の特徴をとらえ、ロースターが味を表現することも自由だと考えています。

また、今回のようにカレントにスポットを当てることは微力ながらコーヒー業界全体にとってもプラスになる面もあるのではとも思います。

皆さま、様々な信念をもってコーヒーに携わられていると思います。

どうか”多様性”を受け入れていただけると幸いです。

気になる販売開始時期は?

まず、先行販売として3月16日(土)出店予定のしんゆりマルシェにて2種類同時に店頭に並べます!

普段ネットショップでは150gからのパッケージですが、マルシェでは100g売りとなりますので、少し手が伸びやすい価格でご案内できるかと思います。

ネットショップでの販売開始は3月18日(月)以降を予定しております。

宜しくお願いいたします。