ちわ! ふぁなチックみかみです!
前回はSCAA方式でのカッピングフォームの話でしたが、今回はCOE(Cup of Excellence)方式にフォーカスしてみたいと思います。
知らない人は知らないのでちょっと前置きが必要ですね。
Alliance for Coffee Excellence
事の始まりは1999年のCup of Excellenceが初めて開催されたコーヒーの品評会でした。その時はまだCOEの呼称は始まっていなかったと思います。
当時世界最大の生産国であったブラジルは自国のコーヒーの低評価にあえいでいる時期で、国連のグルメコーヒープロジェクト(こんな名前だったかな?)により、モデル農園指定となったPasseio等での品質向上プロジェクトなど、本格的に高品質化に乗り出したタイミングでこの品評会が行われました。ある意味これによっていわゆるMicrolot(小ロット)Specialtyの品質の基盤やイメージが確立されていったように今は思えます。
各国のコーヒーの著名な方々が結集し、真に素晴らしいコーヒーとは何なのかを見極めるカッピングが行われました。当時の品評会に参加されたカッパーは14名で今ではCOEの始祖達として尊敬を集めています。COEのカッピングフォームを生み出したGeorge Howell氏、今日のSCAJ実践講座の教本となっている“多様性の祝祭”の著者Vincenzo Sandalj氏などが参加されました。
この品評会が行われるまで、ブラジルコーヒーの味覚についての感応評価はSoftとかStrictly Soft(標高を指す場合もある)等の呼称しかありませんでした。そしてその時のHead Judgeを務めたGeorge Howell氏は、“今回カップするコーヒーは全てStrictly Softでありこの中で賞賛に値するコーヒーを見極めるのだ”というようなことを言ったそうです(おれもまた聞きだからうろ覚え・・・)。つまりは素晴らしいコーヒーが前提でその中からされに優れた味覚特性を持つものを探しましょうということです。
この時選び出されたコーヒーはインターネットオークションにかけられ、世界各国へ旅立っていったのです。
そして2002年にAlliance for Coffee ExcellenceというNPOが立ち上がり、参加国も増え、今日まで至っています。
なおCup of Excellenceの真の目的は“バイヤーと生産者をマッチング”させるのが主な目的です。自分のコーヒーに価値があるのかわからない、誰に販売していいのかわからない生産者と、どこでどうやって良いコーヒーが入手できるのかわからない消費国のバイヤーたちにビジネスミーティングの機会を提供するための取り組みです(シンデレラ農園発掘プログラム)。
まあ前置きはこんなとこでいいかな?
それじゃCOEのカッピングフォームにいってみよー
初期のCOEカッピングフォームにはGeorge Howell氏のコピーライトが入っています。これはなんでかっていうと、この人が作ったから(今はもう入ってません)。SCAAのカッピングフォームをベースに、より高品質なコーヒーを分析するのに適した形に改良されました。なお同氏はワイン業界に造詣が深く、それらのスコアリングのアイディアはAndrew Sharp氏の著書”Wine Taster’s Secret”に影響を受けたとの言があります。
このカッピングフォームはSCAAに比べると結構シンプルでなんか凄みはないかもしれませんね。
ちなみにシステムは・・・。
・・・実際に点数に反映される項目は8つあって、そのほかにReference(参考ね)として香りのチェック項目があります(その他にもいろいろあるけど割愛!Catuai・・・なんつって・・・)。SCAA方式と違って香りの項目は点数に含まれません。
それぞれの項目の最高点は8点で、6点台から0.5刻みの加点が可能です。8×8=64点+基礎点36点を加算して100点満点のスケールになります。基礎点は見た目に判別しやすいように100点満点に調整するための点数ですが、これがあることによりメインの評価項目と分けて欠点(ディフェクト)を基礎点から減点することができるようになっています。
それぞれの評価項目は以下の通りとなります。
- Clean Cup
- Sweetness
- Acidity
- Mouthfeel
- Flavor
- Aftertaste
- Balance
- Overall
点数は・・・
0 Unacceptable 許容不可
2 Poor 劣っている
3 ?
4 Average 平均的な
5 ?
6 Fine より良い(とても良い)
7 ?
8 Great 偉大な
以上です。ん?なんかざっくりしてるなー・・・・?
ところで3と5と7がワーディングされてないけどどう表現するんだ?
・・・特に記載とか説明がみあたらねぇ・・・・
んー・・・。しょうがない。
それじゃあファナティックが英語での表現を考えてみるっす。
3 Fair 一応可である(なんとかOKって感じ。ギリギリ、すれすれ)
5 Good 良い
7 Excellent 素晴らしい
悩ましいのが6点のFine・・・この単語、口語だとそんなにポジティブなニュアンスないですね・・・汗。これはほんと“良好=まあOKかな?”ってイメージ。たいていの場合Goodの方がFineより“良い”という意味が強いです。でも文語や叙述ではVery Goodに近いみたいですね。
まあいいや・・・とりあえず先にいこう。
まずこのカッピングフォームで基準となるのは6点です。
6点はスペシャルティーグレードであるという認識でOKです。だからたとえばSweetnessで6点ついたら甘さのクオリティーはスペシャルティーレベルということになります。
基本的にこのフォームは6点以上のFineから8点のGreatまでのコーヒーを評価するのが目的なのでスケールでは6点の場所が真ん中に来ます。そして6点以降0.5刻みで配転が可能で細かくクオリティーを見ていくことができるようになります。
つまりは5点より下の点数はそもそもスペシャルティーグレード以下だから、80点に満たない物を細かく点数化する必要はないということです(意味なし!!)。それゆえに80.5点という得点は存在しえますが、79.5点という点数はCOE方式では採点しません。
SCAA方式だと全て0.25刻みで細かく採点できるのですが、そもそも例えば8.5と8.75の差がどれだけ違うのか?果たしてそこまで細かくする必要があるのか?という疑問があり、COEでは6点以上は0.5刻みということになりました。
COE方式でも80点つけばスペシャルティーコーヒーです。つまりは5点平均、“良い”にプラス6点項目(より良い)が少なくとも2項目ないとスペシャルティーになりません。
なお点数の分布レンジですが、暗黙の了解として上下2点以上の開きは存在できないことになっています。例えば5点項目があるコーヒーには絶対に7点項目は存在しません。
まとめると以下の通りになります。
- 1つでも6点項目がある場合は最低でも5点平均(7点は付かない)
- 1つでも7点項目がある場合は最低でも6点平均(8点は付かない)
- 1つでも8点項目がある場合は最低でも7点平均
6点平均は84点で、昔はこの点数がCOEレベル。つまりは開催国を代表するExemplary Coffee = 模範的スペシャルティーコーヒーの点数とされていました。
いまはコーヒーの品質が上がったのと、経験の少ないジャッジが高得点を連発する事象が多く発生したため認定基準が85点に上がり、現在はさらに86点にボーダーが上がりました。
また国内審査では86点で通過したけど、国際審査員のステージで86点未満になった物は、国内代表みたいな位置づけで“National Winner”という称号がつきます。
COEの審査会はSCAAと違って明確な資格認証プログラムがなく、実際の審査にあたってはHead Judgeによるカリブレーションと教育のみが唯一の頼みの綱なので、経験の量が如実に偏差となって顕れてしまうのがCOEの欠点ですかね・・・。
審査参加にあたってはある程度コーヒーの経験があって、ACEの会員登録をすれば審査会のObserver登録(見学ポジション。一回Observerを経験して次回のCOEから審査員として参加できる)ができてしまうので、いったいどんな人が来るのかちょっと怖いところもあります。
中にはバイヤー的な視点がなく、品評会で高得点を付けたいだけみたいな人もいる場合もあるので一貫性のある品評会にするのはそれなりに骨ですね。(すさまじい点数とコメントを隣で聞いてるととげんなりを通り越して怒りがわきますね・・・ぷんぷん!!なんだよ99点て!?ドラ○エじゃないんだよ!まじめに付けて!!)
ちょっと横道にそれましたが総合点で90点以上になるとPresidential Awardという称号が与えられ、更なる栄誉が称えられるコーヒーとなります。
ふう・・・。
詳細なカテゴリー説明省いてるのにまた長くなっちゃった。
細かい点のつけ方とかはまたそのうちにね・・・。
これでみんなスペシャルティーわかったかな?うふふ。
・・・・
・・・・
・・・・
え?COEになれなかった?・・・
うん・・・。でも心配しないで!!
だって、あなたは私のNational Winnerだから♥!!
どうよこれ!!!? ぐほ!!