こんにちはCoffee Fanatic三神です!!

ちょっと間が開いてしまいましたが、前回のエスプレッソに引き続き、WBC(World Barista Championship)のルール改定についてみていきたいと思います!

今回はMilk BeverageとSignature Beverage になります!

それでは行ってみましょう(^○^)!!

Milk Beverage

数年前にCappuccino(カプチーノ)と言う名称から”Milk Beverage(ミルクビバレッジ)”に変わりました。趣旨としてはよりバリスタの表現の自由を後押しするためのルール変更だったと思います。

それまでのCappuccinoだったときはある程度の液量のレンジが決まっていて、いわゆるエスプレッソマキアートなどの少量ドリンクを作成することはルール上できないことになっていました。

現在はトータルの液量が240ml以内であれば自由という事になっている(必ずエスプレッソは1ショット入っていなければならない)ので、“Milk Beverage”という名称に変わりました。

このミルクビバレッジのパートも評価項目がTaste Balanceから“Taste Experience”に変更されています。

それでは、今回はどのようになったのでしょうか・・・?

14.3.2. Taste Experience

The milk beverage is a hot beverage that should be served at a temperature that is immediately consumable. The texture and temperature of the beverage, and the taste of the coffee and milk will be included in the balance evaluation. The milk beverage should have a harmonious balance of the sweetness of the milk and its espresso base. The flavor profile of the beverage served should support specialty coffee, with a balance created by the addition of milk.

“ミルクビバレッジは温かい飲み物で、即座に飲料可能な温度であるべきです。飲み物の舌触りと温度、そしてコーヒーとミルクの味わいがバランス評価に含まれます。ミルクビバレッジにはミルクの甘さとベースとなるエスプレッソの調和のとれたバランスが必要とされています。提供された飲み物のフレーバープロファイルはミルクの添加によって創造されたバランスと共に、スペシャルティーコーヒーを支持する必要があります。”

なるべく元の単語の意味を棄損しないように頑張ってみましたが、ちょっと意訳しないと日本語が変になりますね(;´・ω・)・・・・・。

英語は日本語と違って修飾節を後からガンガン追加できるので、修飾節が長いと、順序が異なる日本語に変換するのはめんどくさいですねー(死)

「ミルクビバレッジは温かい飲み物で、提供後すぐに飲める温度でなければなりません。味わいのバランス(あ、ここら辺まだ“バランス”になってるね。項目が”エクスペリエンス“に変わったから”説明足さないとちょっと変だね)にはコーヒーとミルクの味、温度、舌触りが含まれます。ミルクビバレジにはベースとなるエスプレッソとミルクの甘さとの間に調和のとれたバランスがあることが求められています。提供されたミルクビバレッジを形容するフレーバープロファイルは、使用されたミルクが生み出す味覚バランスと共にスペシャルティーコーヒーの描写に適している表現でなければなりません。」

・・・・・・

こんな感じかな?

え?わかりづらいことには変わりない??(・ω・)ノ

最初の方はまだいいとしても、後半のフレーバープロファイルの件は意味が分からんですよね???

これはつまり、コーヒーやミルクビバレッジの風味を描写するにあたって、スペシャルティーコーヒー業界の範疇から逸脱しないでね( *´艸`)。

・・・・てことです。

どういういうことかと言うと、暗にSCAフレーバーホイールにあるような、カッピング用語などを使ってね♡という意味です(Orangeとか、Appleとか、Creamyとか、Chocolateとか、CaramelとかFloralとか・・・・・)。

スペシャルティーコーヒーはワイン業界をお手本にして興隆を見せてきたという点があるのですが、ワインコンクールのソムリエコンテストとかになると表現がかなり情緒的になります。

例えば・・・・

「この白ワインは、まるで新緑の湖畔に佇む、白い花冠をかざった可憐な少女の様である」

・・・・・

は?それ味と関係あるの????(;´・ω・)

・・・・・みたいな、ぽえむ(Poem:詩)のような感じなんですねー。

こうした描写はWBCでは評価できない・・・・というか、コーヒー業界はそういった評価軸を採用するほどまだ成熟(?)していないという状態なのです。

なので、比喩や情緒ではなく、ちゃんとみんなが分かるようなフレーバー用語を使ってね♡という事です。

・・・・・・・

ちょっと趣旨に戻りますが、このセクションの変更にあたっては、ヘッドジャッジが味見できない状況下でTaste(味)とTactile(触感)点数化を明らかにするために行われたとあります。しかしヘッドジャッジの味見が点数の透明性になぜ関わるのか、いまいちぴんと来ませんなー。

また“Taste Experience”への名称変更はこのカテゴリー描写するにあたって、より適した表現になるからとの事です。

ちなみに名称が変わっただけで、このセクションでのルール変更はないとの事です。(変わっとらんのかーい)

Signature Beverage

エスプレッソ+副材料の飲料であるシグネチャービバレッジのルールも変更箇所があります。まずは“十分に説明、紹介、準備ができているか”の項目ですね。

14.4.1. Well explained, Introduced, and Prepared

The competitor must explain their signature beverage to the judges. In order to achieve a high score, the explanation should include factual points such as the ingredients, preparation method, and the flavors and/or aromas the judges will experience. The description should include the coffee used and the connection between the coffee and the other ingredients.

Sensory judges will listen to the explanation of ingredients, preparation method, and use of coffee given by the competitor and take notes. If no information or instructions are given before the beverage is served, judges will individually choose how to evaluate the signature beverage.

The competitor must explain to the sensory judges how to drink the beverage (smell, stir, sip, etc.). The sensory judges will listen and follow drinking instructions to the best of their ability. If no information or instructions are given, judges will individually choose how to evaluate the signature beverage. In every case, judges should take a minimum of two (2) sips of the signature beverage.

Judges will evaluate the signature beverage based on competitors’ provided explanations or other observations during the fifteen (15) minute presentation only. Any explanation given by the competitor after the completion of the presentation time (clock is stopped and/or the competitor calls “time”) will not be considered by the judges.

ながー

“競技者は審査員達に自身のシグネチャービバレッジを説明しなければなりません。高得点を達成するためにはその説明が素材、準備方法、審査員達が体験するであろうフレーバー/アロマといった、事実に基づく点を内包している必要があります”。描写には使用されたコーヒー、そしてコーヒーと他の素材とのつながりが含まれるべきです。“

“センサリージャッジ達は競技者からもたらされる素材、準備方法、コーヒーの使用法を聞き、ノートを取ります。もし飲み物の提供前に情報や指示が何も得られない場合には、審査員達は個別にシグネチャービバレッジの評価方法を選択します。”

“競技者は飲み物をどのように飲むか(香りをかぐ、混ぜる、すする等)をセンサリージャッジ達に説明しなければなりません。センサリージャッジ達は可能な限りベストを尽くして競技者の飲み方の指示を聞き、それに従います。もし情報や指示が全くない場合、審査員達は個別にシグネチャービバレッジの評価方法を選択します。全ての場合において、審査員達は少なくとも2口はシグネチャービバレッジを飲む必要があります。”

“審査員達は競技者からもたらされた説明、もしくは15分の競技時間内のみで観察できたその他の事項をもとにシグネチャービバレッジを評価します。競技時間終了後(時計が止まる、もしくは競技者が「タイム」とコールした時点)は競技者からもたらされるいかなる説明も審査員達に考慮されません。”

・・・・・・

今回の変更によって削除された文節は“Taste Experience”と“Accuracy of Flavor Description”へと移動されたようです。「いつ飲料方法が与えられるべきなのか」についてのタイミングを明確化するために変更されたとの事ですね。

14.4.4. Creativity and Synergy with Coffee

Judges will evaluate competitors’ creativity based on the originality of their concept, and methods, techniques, or ingredients used in the preparation or presentation of the signature beverage. Ingredients must complement and elevate the coffee used while creating an interesting taste experience. Signature beverages with a complementary blend of creative ingredients and techniques will be rewarded with a high score.

Judges evaluate the interaction between the flavor experience of the coffee and the signature

beverage ingredients, and how they come together to produce the overall flavor experience of the signature beverage through “synergy.” “Synergy” is defined as the interaction or cooperation of two (2) or more substances to produce a combined effect greater than the sum of their parts (A+B=C, not A+B=AB).

Signature beverages that present a flavor profile that only mimics or matches the espresso’s flavor profile will receive a low score. Signature beverages that create a new flavor experience will be rewarded with a high score.

またまたながー

“審査員達はシグネチャービバレッジのコンセプト、方法、技術、準備における素材の使い方、プレゼンテーションといった、競技者の独自性から成る創造性を評価します。一つの興味深い味覚体験を創造するために、素材は使用されたコーヒーを補完し高めていなければなりません。創造的な素材と技術が補完的に融合したシグネチャービバレッジには高得点が報いられるでしょう。”

“審査員達はコーヒーとシグネチャービバレッジの素材の相互作用、そしてシナジーを通じて、それらがどのように融合してシグネチャービバレッジの全般的なフレーバー体験を作り出すのかを評価します。”シナジー“は2つもしくはそれ以上の物質が生み出す複合効果が、単にそれらの総和より大きくなる相互作用、もしくは協働のことと定義されています(A+B=ABではなくA+B=Cという事)。”

“フレーバープロファイルがエスプレッソのフレーバーの単なる模倣や一致に過ぎないシグネチャービバレッジには低得点が与えられるでしょう。新しいフレーバー体験を生み出すシグネチャービバレッジには高得点が報いられます”

・・・・・・

なんか日本語に翻訳していると、あとからあとから修飾節がでてくるのでホントにイライラしますね(-_-メ)・・・・。書き直しばっかり・・・・。

シナジーの説明で「A+B=C」とありますが、それは“変容”であってシナジーにならないような気がするのですが・・・・。

(それを言うなら「1+1=3」とかじゃないかしら?(;´・ω・))

・・・・・・

まあスルーしておきますか・・・・(結局してない(笑))。

・・・・・・

この項では、以前に文中にあった“Showcase(披露”)を“Elevate(高める)”に変更し、創造性の定義から“New(新しい)”を削除したそうです。

また“Synergy”の定義を明確化したとの事です(いやいや・・・余計に混乱・・・・・むぐ!?)。

・・・・・・・

14.4.5. Taste Balance Experience

(あ、誤植ですね。このルールの説明の項ではTaste Balanceのままになっています。)

Judges will evaluate the signature beverage on how well the taste components of the espresso and other ingredients fit together and complement each other in the total experience of the signature beverage.

If one or more of the taste components detracts from the experience of the beverage (e.g., “sour,” “acrid”), lower marks are given. If the taste component contributes positively to the beverage experience, higher marks are given.

If the beverage is unbalanced (i.e., lacking in a certain component that detracts from the overall positive experience or if a component is overpowering the beverage), the taste experience score is reduced.

Note: Accuracy of description is not taken into consideration in this score.

“審査員達はシグネチャービバレッジがその全般的な味覚体験の中で、どのようにエスプレッソの味わいと他の素材が共に寄り添い、そしてお互いを補完しているかを評価します。”

“もし一つ以上の味覚要素が飲み物の味覚体験を損なうものであれば(酸っぱい、とげとげしい等)低得点が与えられます。もし味覚要素が肯定的に味覚体験全般に貢献する場合には、高得点が与えられます。”

 “もし飲み物がアンバランス(明確に特定の味覚要素を欠損し、肯定的な味覚体験全般を損なっている、もしくは特定の要素が飲料を圧倒してしまっている場合)である場合は味覚体験の点数が減点されます。”

“注意:描写の正確性はこの項目では得点に加味されません”

・・・・・・

ここはあんまりエスプレッソの項と説明が変わりませんね・・・・

なお、この項はエスプレッソとミルクビバレッジの評価ロジックを組み込んだとの事です。

おまけ

後半部の“Attention to Detail/All Accessories Available”(細部への配慮/全ての付属品が利用可能)についても若干の補足が追加されました。

追加された部分だけを記載してみますね。

14.5.2. Attention to Details/All Accessories Available

・・・・・If the competitor instructs the judges to drink the espresso without the use of a spoon, the espresso must be served with a napkin and unflavored water.

もし競技者が審査員達に対してスプーンを使わないでエスプレッソを飲むように指示した場合、そのエスプレッソはナプキンと風味を添加していない水ともに提供されなければいけません”

・・・・・・

競技会では最近エスプレッソの飲み方を指示するバリスタが増えました。「カップを3回廻して下さい」とか、「かき混ぜないでそのまま飲んでください」とかですね。

付属品は全てそろっていなければならないのですが、確かに使わないものを置いておいてもしょうがないですね。

・・・でもそれを言ったら“ナプキン”も使わないですね(笑)。

あははははは

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・・・と言うところで、今回はWBCのルール改定についてでしたー!!

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1+1は無限大!!!!!!!!!

あなたと私のエナジーは、シナジーを超えて、愛のコスモロジーとなる!!

Space Signature Love!!

びっくばん