こんちはーファナティック三神です。

カッピング編も長丁場になってきたので、ここいらでいったん休憩して焙煎ネタ2つ位挟みますです。

なおカッピング編は次はFlavorの項目ですね。この項目は果てしないので、いまからちょっと気が重いです。

今回の焙煎ネタは共にCup of Excellenceの礎を築いたお二方、George Howell氏とPaul Songer氏の焙煎アプローチについて迫っていきたいと思います。

Mr. George Howell

アメリカ、マサチューセッツ州に居を構えるTerroir Coffee(あれ?今はGeorge Howell Coffeeって名前なの?)の創業者であり、近代高品質コーヒーの礎を築いた方です。Cup of Excellenceの創始にも関わり、最初のヘッドジャッジは同氏が行いました。またCOEのカッピングフォームをワイン業界の知見を生かして組み上げたのもGeorge Howell氏です。

それまでコモディティーの域を超える事のなかったコーヒーの連鎖を断ち切り、飲料としてのステータスを向上させ、農家のクラフトマンシップの醸成に多大なる貢献をしました。ほんとここ20年くらいで劇的な変化を遂げましたね。この業界は・・・。

SCAAの殿堂入りのような表彰も受けており、もうどこからどう見てもレジェンド間違いなしの御仁です。残念ながらタイミングが合わずファナティックはお会いしたことないですけど(涙)、まさに全てのコーヒーピーポーのお父さんみたいな人ですね・・・・。

George Howell

という事で本日はGeorge Howell Coffeeを主宰するスーパーレジェンド、George Howell氏から伝えられた焙煎アプローチを取り上げます。なお以下の用法、用量を守って正しく通読ください♡

【注意!!】

  • ここで挙げる焙煎プロファイルは過去に教わったもので、現在は異なる可能性があります
  • 焙煎プロファイルはワタル㈱で実際に私が行っていた物ですが、焙煎機も当然George Howell Coffeeと異なるのでオリジナルと完全には一致しません。またプロファイルも使用する焙煎機に合わせてモディファイされています
  • どうしても人間なのでFanatic三神のバイアスがかってます。参考程度に読んでください(/o\)

George Howellの焙煎アプローチ

【概要】

  • コーヒー内部にある“フレーバー”を作り出す成分にしっかり熱を与える。そのために障害となる余分な水分を抜く“水抜き”を行う。
  • 糖分のメイラード進行を常に香りで確認し、それに応じた火力調整を行う。
  • 煙の燻り臭さを除去し、窯の内部の温度と圧力を維持するための排気調整を行う。
  • 各フレーバーのバランスをとり、焦げ臭の再付着を防ぐため、2ハゼ前で煎り止める。

ジョージ・ハウウェル式(以下GW式)は180℃台で1ハゼが入ることが前提になっています。なので、まずそういった温度感の焙煎機であることを認識する必要があります(5~12kg位の半熱風式かな?)。カッピング用の適正レンジを考えた場合、Developmentの温度は、1ハゼ開始の温度+10~15℃の範疇に入ると思われるので、190℃台(200℃以下)での排出が想定されますね。

またGW式においては生豆の外皮の早急な角質化を防ぐために、ボトム100℃以下を推奨しています(一瞬指でドラムを触っても大丈夫な位)。これは序盤のDrying Phaseでの脱水の円滑化を目的としているためで、初期に表面が強く凝結すると余剰水分を揮発させづらいと考えられています。余分な水分を除去し、脱水後に高い火力を当てることで積極的にフレーバーを開かせる狙いがあります。

・・・特にボトムの100℃以下が重要で、火傷させてはいけない!!的な感じでしたね。なので、序盤の火力は弱いです。また脱水後(水抜き至上主義)の温度上昇を重視しているので、きちんと強い火力を後半に与えるのが特徴ですね。なお水抜きの判定/焙煎終了判定は目視ではなく“鼻を利かす”のがGeorge Howell流です。

【焙煎ステップ】

温度は全て豆温度。なお排気温度は+20~30℃位差がある)

窯を暖機し、豆投入後ボトムが100℃以下(80~100℃)になるように調整する。

⇒投入温度が高いと豆の表面が固まり、水抜きができなくなる。

8~9分程度を目安に、水抜きを終了できるような柔らかい火加減にする。

⇒豆は茶褐色で香りはカラッとした乾いた印象になるところまで。この時間が短いと生焼けになり、質感も減少する。反対に長すぎるとフレーバー成分が飛んでしまう。あくまで香りを取って判定する。

水抜き完了時の色合は7と9の中間位(目安:豆質によって大きく変わる)

火力をあげて1分30秒以内に1ハゼに入る。(あまりバチバチしない、優しいハゼ)

⇒水抜きの後から1ハゼまでの時間が短すぎると表面が焦げる。また長いときちんとした1ハゼが起こらない(=フレーバーが熟成しない)。

1ハゼが始まったら排気ダンパーで中立点を保ち、火力を下げる。

⇒1ハゼの時にそれまでの水蒸気が煙に変わるので排気調整を行う。テストスプーンの穴から煙が漏れ出ない程度の排気を維持し続ける(排気過多の温度低下に注意)。中立点を取ったら焦がさないよう速やかに火力を落とし、余熱で火を入れていく。(温度の低下にも注意)

ダンパーを開くとオーブンの様な熱風の対流が起こり、豆に均一に火が入る

1ハゼ後、豆の香りが落ち着いたら煎り止め。

⇒1ハゼ開始直後は炭酸ガスが発生するので、少し青臭く酸っぱい香りがする。この香りがなくなると豆の中に火が入った事になる。ここで終了。このローストポイントを“フルフレーバーロースト”という。(豆の状態によっては必ずしも1ハゼを完全に終了する必要はない)

*“フルフレーバー”=甘さ、質感、香り、酸味のバランスポイント

・・・・以上

【補足】

この後、スパイシーさやロースト香を望むのであれば焙煎度合いをあげる。しかし、ローストを深くすると2ハゼ直前からフレーバー成分は減少していくので味のバランスに気をつける。

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・・・・・こんな感じです。

【まとめ】

GW式で焙煎すると、甘さが強く、質感は重くなる。酸の印象はやや弱い

初期のボトム温度が低く生豆表面が凝結しにくいため、繊維が崩落しやすく、質感が重くなります。途中からカロリーが上がるので酸の形成はやや少なめですね。ローストカーブの角度が高く、焙煎中のRORが高いのでフレーバーが発達しやすいのですが、Development Phaseでのカロリーは相対的に多くなりやすいので、Over DevelopmentやScorchに注意する必要があります(焼きすぎ注意♡)。

・・・・GW式の場合は結構がっしりした味づくりになります。甘さ質感が強くて印象的ですが、飲み疲れするコーヒーになる可能性もあります。やや低温からじっくり火が入っていく(初期に表面が凝結していないから内部に火が入りやすい)のでメイラードの促進も高く、場合によってフレーバーが強くてもメイラード系のフレーバーがかえって酸の印象を邪魔することがあるかもしれません。

また上品で酸が明るいけれど印象の弱いウオッシュドのコーヒーはGW式で焼くと、甘さと質感が強化されるので良いかもしれませんね。

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こんなとこかなー?

もっと詳しく知りたくなったらFanatic三神にセミナー/コーチング依頼してね!(#^.^#)

次回はPaul Songer氏のアプローチに迫ってみます!!

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GW・・・・・。

“Golden Week”は一緒に焙煎しようね♡うふ♡

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わたしのトキメキはただいま壱爆ぜ中!!!!!

ぱちぱちぱち