こんちわー。ふぁなてぃっく三神です。

前回より突入したアフリカの品種。今回はルワンダとブルンジですね。そんなに種類ないので短めに終了するかも・・・。

WCR

https://varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties

ルワンダとブルンジの品種はこんな感じです。

Rwandaの品種

・Bourbon Mayaguez(BM71/BM139)

ぶるぼん一色!!!

Burundiの品種

・Bourbon Mayaguez(BM71/BM139)

Kayanza Premium Coffeeの扱い

・Mibirizi 49

・Blue Mountain

・SL28

・Batian

お、ブルンジの方が種類ありますね。

基本的にルワンダの場合は上記のBourbon Mayaguez種しか(ほぼ)ありません。ブルンジの場合は少し品種にも積極的で、現在Geisha種の試験栽培が行われていて、数年後に農家に配布するようです。ただ両国とも政府の管理が強いので、少し不自由な感じが否めませんね。

ブルンジのKayanza地方に本拠地を構えるプライベートカンパニーのKPC(Kayanza Premium Coffee)ではBlue Mountain種、SL28種、Batian種等実験的に栽培しています(たぶん政府に許可とってないと思う・・・)。他にもいろんな生産処理を試すチャレンジャーなのですが、政府に目をつけられているのでちょっと心配ですね・・・(今年は輸出者免許停止された)。

とりあえず、既出のSL28とBatianは割愛して、紹介してきますね。

ではいってみよー!!

Bourbon Mayaguez(ブルボンマヤゲス)BM71/139 赤品種

Bourbon-Typicaグループ。Bourbon系。BM71とBM139と2タイプあります。BM139の方が品質、収量共に高いようです。Bourbon Mayaguez種はBourbon種系統の品種で、中米プエルトリコの”Mayaguez”地方のものが伝播したようです。USDA(United States Department of Agriculture)アメリカ合衆国農務省の遺伝子資源局から譲渡されました。ちなみに余談なのですが、USDAは世界的に農業系の資金支援等を行っているので、コーヒー業界では本当にありがたい存在です。これがあるからCOE(Cup of Excellence)などが開催できたりしてます。

ボリビアは数年前に反米政権になってしまったので、USDAから資金が流れなくなり、COEが開催できなくなってしまいました(もうすぐ復活するようですが)。ニカラグアも今似たような状況なので、COE開催できない状態です。

賛否両論ありますが(アメリカ嫌いな中南米諸国は結構あるからね。複雑ね)、コーヒーの品質や農家の状況からいうとやはりUSDAはありがたいと思います。

ちょっと話題が横道にそれました・・・。Bourbon種は既出の通り、French Missionなどによってプエルトリコに到達したのですが、この品種がアフリカに逆輸入されたのは1930年代で、DRCコンゴのMulungu地区に渡りました。1950年代になってルワンダにもたらされ、以降この品種は同国にとってとても重要な品種となりました。

その後東アフリカに広まっていったこの品種は選別を重ね、新たな品種が誕生することになりました。それがBourbon Mayaguez 71と139になります。両者はその発生から極めて似たような特徴と特性を持っています。

ブリーダーはRwanda Agricultural Boardになっているので、まさにルワンダが誇る代表的な品種ですね。

生豆は親のBourbon種より丸みがあって粒ぞろいであるように見えます。あんまり極端な縦長形状にはならないですね。ケニア、タンザニアなんかで見られるエレファントやイヤーのような奇形もあまりないですね。非常にきれいだと思います。カップは甘さが強いタイプとアシディティーが明るくなるタイプのものがありますね。北部のNorth Provinceはちょっと上品なタイプ、南部のSouth Provinceは甘さとボディーがしっかりした感じになります。まあこれもテロワール次第ですが・・・。基本的にジューシーな柑橘系で、ナッツ等の未成熟的なフレーバーを感じることはまずないです。結構きれいにまとまっています。業務用ブレンドでタンザニア入れるんだったら、できればルワンダ、ブルンジの方がよっぽどいいかもしれません。使えればの話ですが・・・・。

ただルワンダ、ブルンジ、ウガンダ、コンゴは“ポテトフレーバー”が出ることがよくあります。虫が媒介するバクテリアにチェリーが感染し、生豆が影響を受けることによって、強烈な生のジャガイモ臭やえんどう豆臭発現するのですが、この欠点は本当に頭が痛いですね。いまだに完全解決にいたってません。生豆で判別がつかず、どこで出るかわからないので、結局業務用には向きません(合掌)。

カップはそんなにフローラルとかは出ないのですが、まれにとんでもないクオリティーのものがあったりして、まんまアプリコット感じられることがあったりします(まぢですごかったので、COEベースで96点つけたことある・・・クリーンカップ8点・・・)。しかもそのクオリティーが存在したのは同じロットの中でも2,3カートンのバッチのみ・・・。つまりは特定の生産者の区画がすごかったのでしょうね。

総じてクオリティーが高いのですが、高めで安定しているものの、みんな似たり寄ったりの味になることが多いです(多様性があんまり感じられない)。以前生産者にBourbon以外を植えたらどうなの?って聞いてみたら、「おれはロブスタは植えないんだ!!」と、とんちんかんな答えが返ってきたことがあります(一応ルワンダでもロブスタは植わってる)。

まあとにかくBourbon種に誇りを持っているので(お国的にも他国品種を持ち込むのはちょっと難しい)、新しい品種の登場は今のところあんまり期待できないと思います。なので、ファンキーやアナエロビックなどの生産処理で多様性を増す方向に行ったほうがいいかもしれませんね。

Mibirizi(ミビリジ)赤品種

Bourbon-Typicaグループ。Typica系。大変高いカップクオリティーを誇り(そんなに?)、矮小なので小規模生産者に向いているとのこと。でも病害虫に特に耐性ありません(そういえばアフリカってあんまり病害虫の大事件聞いたことないね)。この品種はルワンダ、ブルンジの品種ですが、ルワンダではほとんど聞いたことありませんね。

ルワンダにおいては最も古い品種で、いまだに両国の小規模生産者が生育しているようです。Mibirizi種は残存文献が少なく、詳細なデータをたどるのが難しいのですが、ベルギーのコーヒー歴史家Edmund Leplae氏によると、ルワンダのドイツ系の機構が1910年代にグアテマラから持ちこみ、そのまんま“Guatemala”種と呼ばれていました。当時グアテマラはまだ100%Typica種しかない時代だったので、このMibirizi種はTypica種系統であるとみられています。

1920年代にドイツの植民機構によってグアテマラからCatholic Mission(宗派伝導)経由で本格的に伝播し、Mibirizi種含め数種の品種がルワンダの西部に持ち込まれました(西は湖だから、北西部かな?)。そしてここで育てられた木の種子が、上記で紹介したコンゴのMulungu遺伝子資源局に移送されました。

その後Mibirizi種はFrench Mission種と混在してケニアに渡ります(あ・・・。ここでMibiriziと混じったから、フレンチミッション系のはずのSL34種の遺伝情報が混乱してんじゃないかな?)。1950年代にいくつかのブリーダーがMibirizi種単体での育成増産を試み、ルワンダのHuye地区近郊にあるRubona Coffee Research Stationで数系統の苗木を比較育成しましたが、結局農家に配布するに至ったのかが明確になっていません。なので既存の木が古木なのか、品種選抜されたものかが判明していないようです。近年の研究によると遺伝子上はTypica系に属するという結果が出ています。

カップは・・・。ブルンジ国内のBourbon Mayaguez種と明確に違うか?というと、それほど変わらないですね。やっぱり似ています。ブルンジのテロワールはややリンゴ系のニュアンスが現れて、甘さもルワンダと比べて質感が伴っているように感じます。生豆はわずかに平べったいような気もしますが、アピアランスはほぼ変わらないですね(笑)。KPC傘下のその名も“Mibirizi”CWS(Coffee Washing Station)周辺の農家で植えられています。

ルワンダの方が、平均的にクオリティーが安定していますが、ブルンジの方がカップの多様性があるように思います(もちろんやばいのもあるけど)。ブルンジはルワンダの様にITのようなお金が回る産業がなく、コーヒー、紅茶、鉱物の輸出で経済が成り立っているので、コーヒーへの力の入れ方はある意味ルワンダよりアグレッシブだと思います(コーヒーが基幹産業なのはホンジュラスに似てる)。

Blue Mountain(ブルーマウンテン)赤品種

Bourbon-Typicaグループ。Typica系ではなく、一応Typica種そのものです。ケニアのパートで紹介するの忘れました・・・(あは)。品種編の一番最初にTypica種とBourbon種の説明をしましたが、ジャマイカに渡ったTypica種が1913年にケニアに持ち込まれたものです。ジャマイカのTypica種は土地がら別名”Blue Mountain”種とも呼ばれているのですが、ケニアでこの名前・・・果たして商品に使っていいのかな・・・?国際商標とか大丈夫なのかな(汗)?

Dorman

https://www.dormanscoffee.com/our-products/dormans-aa-blue-mountain

ブルンジでは上記KPC(Kayanza Premium Coffee)で試験的に栽培してます。ケニアに行った時に買ってみたけど、アピアランスはまんまケニアAAでした・・・。スクリーンは大きくて丸っこく、ぶりぶりとした感じで典型的な肉厚な感じ・・・。味もケニアの典型的なタイプでしたが、やや甘さと質感に重さが感じられました。

まあ、やっぱりテロワールが一番カップに作用しますね。これはしょうがないですね。

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中央アフリカはこんなところですね。

次回は魔の領域エチオピア・・・・。

ちょっと調べてみたけど、品種が多すぎてやばいですね。超カオスですね。

さすが生まれ故郷。

・・・・。まとまるかなぁ・・・(遠い目)。

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家出したと思ったら、戻ってきたり、また旅に出たり・・・。

でも帰ってきたら、一皮むけたんじゃない♡

恋の旅路は永遠の堂々巡りなのだ!!!

うぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ