こんにちは!!Microclimate 三神です!!

テロワール編、今度はアフリカ大陸に飛んでエチオピアです!!

コーヒーの生産国としては年間約735万袋(441,000MT)を生産し、世界第5位の生産量を誇ります。

ちょっと他の生産国からするとわかりづらい国ですね。ロットの形成もエリアに根ざした水洗所等が起点になったり、ECXと呼ばれる市場にチェリーが運ばれたりするので、明確な農園とか地域とかが分かりづらくなっています。

それでも近年は割と小さな生産区画が限定できるようになってきており、今まで聞いたことのなかったようなエリア名がちらほら出てき始めましたね。

そんなこんなで魅力あふれるエチオピアのテロワールを分類してみました!!

・・・・・ちなみにエリアの名前と所在地なのですが、これがまた曲者でして・・・。なにせ現地語をアルファベットに置き換えただけなので、正式なアルファベット記載が存在していません。なので、似たような綴りで同じ地域を指しているものが多く、相当トリッキーです(;´Д`)。

例えばKaffa地方だと、KeffaとかKafaになってたり・・・

SidamaはSidamoだったり、他の地域にもSidamoという地名があったり・・・

GeshaがGeishaとかGechaとかになってたり・・・

・・・・・

もうね、かなりカオスなんです(涙)。

一応頑張って地図作ってみましたが、一部不正確な部分もあるので参考までにお考え下さい。ちなみに“?”がついているところは怪しいところです・・・。さらにエチオピア国内での行政区分が色々変化するので、今までのゾーンが分割されたり合併されたりして、一体どの情報が新しいのかよくわかりません・・・・。

ここまでくるとエチオピア大使館に行かないとわからないですね(行ってもわからないかも)。

・・・・・

それでは行ってみましょう!

エチオピアのテロワール

スペシャルティーで代表的なところを上げていきますが、それ以外にも重要なエリアも紹介します。行政区分としては、State(州)⇒Zone(ゾーン)⇒Woreda(ウォレダ)⇒Kebele(ケベレ)という順に区画が小さくなってきます。

だいたいゾーンでの区分が一般的ですが、Harari(ハラリ/ハラー)はゾーンより小さいけど州としての扱いになっています。下の地図ではまだWest GujiがBorenaから分離されていませんね。

List of zones of Ethiopia Wikipediaより

エチオピアの生産地域(Wikipedia)

  • Harari/Harrar Regional State(ハラリ/ハラー)
  • Jimma Zone(ジマ)
  • Keffa/Kaffa Zone(ケッファ/カッファ)
  • Sheka Zone(シェカ)
  • Bench Maji Zone(ベンチ・マジ)
  • West Arsi Zone(西アルシ)
  • Sidama Regional State(シダマ)
  • Gedeo/Yirgacheffe Zone(ゲデオ/イルガチェッフェ)
  • West Guji Zone(西グジ)
  • Guji Zone(グジ)

国連のエチオピアに関するHPでは同国のいろんな地図を参照することができます(GedeoとかGujiのKebeleとかも乗ってる)。

OCHA

とりあえず北から南西に行って、その後南部に行きます。今回も地図を作ってみましたが、(?)がついているWoredaやKebeleは本稿でも”??”に表示してあり、位置が不明確なので参考程度にお考え下さい(Google Mapの限界・・・・・)。

それではまず、それぞれの地域がどのようにグレードの名称化がなされているか見てみましょう!!

Ethiopian Commodity ExchangeのContract Name

エチオピアの輸出規格を制定する悪名高き?(笑)ECXのグレーディングを見てみます。それぞれの地域(WoredaやZone)が対応するカテゴリー名(Contract Name)が一覧になっています。

上が水洗式、下がナチュラルのスペシャルティーグレードの区分けになります。該当エリアが記載されていて、原則この区分けにそって左側のエリア名が適応されます。例えば“Sidama A”のカテゴリーに入る地域はBorena, Bennsa, Guji,などです。

Q1はGrade1~2のクオリティー。Q2はGrade1~3までのクオリティーを表していて、ECX上での品質分けです。実際の流通ではG1~G3として記載されます。

・・・・・・・・

こうしてみるとYirgacheffeのあるGedeoゾーンがかなり細かく設定されています。このエリアの扱いは別格ですね。スペシャルティーカテゴリーではいかに重要であるかが分かります。

そしてSidamaの区分がA~Eまであり、このブランド名はエチオピアで主要な水洗式規格であることが分かります。・・・・たしかエレアナさんに聞いたときはSidamaA,Bまでがいわゆる本来のエリア“Sidamo(シダモ)”。C以降は北部エリアの“Sidamo Type(シダモタイプ)”との事でした。

・・・・・・とりあえずSidamoの名前がついていることが重要なんですな・・・・・

詳しくはこちらのリンクをどうぞ。

ECX Coffee Contract

Harari/Harar Regional State

Harari(ハラリ)州はエチオピア東部に位置しています。同国で最も有名ないわゆる“Harar(ハラー)”コーヒーの産地ですね。昔からエチオピアの貿易のハブとして機能しており、歴史ある区画です。ここからイエメンに伝播してコーヒーの長い世界への旅路はじまりました。名前の通りイスラム色が強い地域でモスクが多くあります。

ハラーコーヒーはかつて存在したイエメンの“モカの港”を経由して流通が進んだため、Moka、Mokka、Mokhaなどと呼ばれる代表的なエチオピアモカとしての地位を確立しました。

Harari州には以下のWoredaが連なっています。

  • Harari
    • Amir Nur(アミール・ヌール)
    • Abadir(アバディール)
    • Shenkor(シェンコル)
    • Jin‘ala(ジンアラ)
    • Aboker(アボケル)
    • Hakim(ハキーム)
    • Sofi(ソフィ)
    • Erer(エレール)
    • Dire Teyara(ディレ・テヤラ)

(区域訳は以下の通り・・・・)

  • Zone(ゾーン)
    • Woreda(ウォレダ)
      • Kebele(ケベレ)

・・・・・一応Woredaを上げてみましたがここまで細かいロットでのオファーはまだないと思います。そもそもハラー州が小さいのであまり細かく区分する意味もないかもしれないですね。

スペシャルティーシーンではちょっと出遅れていて、プレミアムグレードの印象が強いですね。

カップは最近流行りの果肉臭はなく、正統派ナチュラルのフレーバーです。ほのかにエチオピアライクなフローラルさがあり、チョコレートっぽいフレーバーが特徴です。フローラル香はモカ香とも言われていますが、ハラーの場合はチョコレートライクなのが一般的ですね。ロングベリー形状なので縦長のアピアランスを持っています。

その名の通り“Long Berry(ロングベリー)“、”Bold Grain(ボールドグレイン)“といったスペック/銘柄が有名です。グレードはG3~G5あたりです。

グレードからも分かるように、ハラーのコーヒーはナチュラルが基本です。

Jimma Zone

Jimma(ジマ)ゾーンはOromia(オロミア)州に属し、エチオピア南西に位置しています。この地方の水洗式は“Limmu(リム)”が有名で、北部WoredaのLimmu Sakka、Limmu Kosaなどの地域が相当しています。ECXに記載されているコーヒーのエリア区分はゾーンをまたいでいることが多く、東側の水洗式は“Limmu”。西のBench Majiゾーンにちょっと入るところのナチュラルは“Jimma”として流通します。

  • Jimma
    • Agaro Town(アガロ・タウン)
    • Chora Botor(チョラ・ボトール)
    • Dedo(デド)
    • Gera(ゲラ)
    • Gomma(ゴンマ)
    • Guma(グマ)
    • Kersa(ケルサ)
    • Limmu Sakka/Saqqa(リム・サッカ)
    • Limmu Kosa(リム・コサ)
    • Manna(マンナ)??
    • Omo Nada(オモ・ナダ)
    • Seka Chekorsa(セカ・チェコルサ)
    • Setema(セテマ)
    • Shebe Senbo(シェベ・センボ)
    • Sigmo(シグモ)
    • Sokoru(ソコル)
    • Tiro Afeta(ティロ・アフェタ)

Jimmaにはエチオピアの研究所であるJARC(Jimma Agricultural Research Center)ありますね。

Gera Woredaは品種編でも触れましたが、スペシャルティー向け品種の種苗が摂取された場所です。Wush Wush種などがGera Specialty Groupですね。

Jimmaというとコマーシャルのナチュラルがイメージ的に強いですね。いわゆるプレミアムグレードにも入らないグレードが今までは多かったので、商社や大きいロースターじゃないとあんまりなじみがないかもしれないです。Jimma、Lekamptyなんかはちょっとグレードの低いコーヒーのラインナップのイメージです。

水洗式であるLimmuのカップクオリティーはなかなかいいと思います。Yirgacheffe、Sidamoに準ずる品質だと思います。ロットが良いと結構明確なフローラルがあってティーライクで柑橘系を感じます。どちらかいうと上品な方なので、Sidamo系のGujiみたいなパワフルな感じではないですが、きれいなエチオピアと言ったニュアンスですね。個人的に後述のKaffaより品質は良いように思います。

結構オファーも出てきますねRDCで使っているディカフェもリムです。Jimmaのナチュラルはあんまりなじみがありませんが(そもそも日本でスペシャルティーグレードのオファーを見たことがない)、その内いいものも出てくるかもしれません。

Keffa Zone

Keffa(ケファ)ゾーンはエチオピア南西部Southern Nations, Nationalities, and Peoples’ Region Oromiaリージョン(SNNPR)に属し、この地方のコーヒーは”Kaffa(カッファ)”の名前で一般的に流通しています(州だったり、リージョンだったり、多民族国家だから区分がややこしい)。

その名の通りこの地域の名がCafé=Coffee(カフェ)の語源となりました。東の方はJimmaゾーン、南はBench Majiゾーン、西はShakaゾーンに接しています。

  • Keffa
    • Bita(ビータ)
    • Bonga Town(ボンガ・タウン)
    • Chena(チェナ)
    • Cheta(チェタ)
    • Decha(デチャ)
    • Gesha/Gecha(ゲシャ/ゲチャ)
    • Gewata(ゲタワ)
    • Ginbo/Gimbo(ギンボ)
    • Adiyo(アディヨ)
    • Sayilem(サイレム)
    • Telo(テロ)

ちなみにGeshaとありますが、あのGesha Villageではない別の地域です・・・。

Keffaのコーヒーはほのかなフローラルに柑橘系のニュアンスがあり、エチオピアライクなフレーバーを持ちます。水洗式の上品なコーヒーですが、キャラクターは鮮烈ではないので線が細い印象です。ブレンドなんかにいいかも(笑)?

一般的には“カッファ”と呼ばれる有名な地域ですが、それほど高級なロットのイメージはありません。どちらかと言うとSidamoやYirgacheffeに準ずる位置づけです。基本的に水洗式なのでG1~G2グレードになります。

Sheka Zone

Sheka (シェカ)ゾーンも SNNPRリージョンに属しており、以前はKeffa ゾーンと一緒にKeficho Shekicho(ケフィチョ・シェキチョ)という一つのゾーンでした。今では分割され単独のゾーンになりました。

  • Sheka
    • Anderacha(アンデラチャ)
    • Masha(マシャ)
    • Yeki(イェキ)

ECX上はAnderachaかBench Majiでの表記になりそうですね。

モプラコ社のエレアナさんが、近年Shakaに農園を取得した話を聞きました。その関係でShekaのロットのオファーがありました。結構高かった覚えがあります・・・。

カップ的にはYirgacheffeとGujiを足して2で割ったようなクオリティーでした。なかなか良かったですね。程よくフローラルで質感があり、柑橘系のニュアンス。ややどっちつかずな印象でもありますが、乳酸系も感じられておいしいコーヒーでした。

Bench Maji Zone

Bench Maji(ベンチ・マジ)ゾーンもSNNPRに属する南西部のゾーンです。南スーダンと接しているこのゾーンは、Geisha種の生まれ故郷として注目されたGesha(ゲシャ)村がある地区として近年特に有名になりました。

  • Bench Maji
    • Bero(ベロ)
    • Debub Bench (South Bench)(南ベンチ)
    • Guraferda(グラフェルダ)
    • Maji(マジ)
    • Minit Goldiya(ミニット・ゴルディナ)
    • Minit Shasha(ミニット・シャシャ)
    • Mizan Aman Town(ミザン・アマン・タウン)
    • Semien Bench (North Bench)(北ベンチ)
    • She Bench/Shay Bench(シェ/シェイ・ベンチ)
    • Sheko(シェコ)

North/South Bench等のナチュラルは“Jimma”のグレーディング名になります。

このBenchi MajiゾーンのGesha村近辺の森でGeisha種が採取され、パナマに渡ったのは品種編で触れましたね。この“ゲイシャ”にあやかったプロジェクトが”Gesha Village”になります。

Gesha Villageでは独自に品種選抜を行っており、新しいコンセプトのコーヒーを生み出しています。

Gesha Village

Bench MajiはスペシャルティーだとGesha Village以外ではあんまりオファーが出てくるエリアではないと思います。なのでカップクオリティーは良くわかりません。Gesha Villageのカップは乳酸系とフローラル、柑橘系が感じられるのでエチオピアライクと言った感じです。甘さはしっかりしているのですがPanama Geishaと異なるので、あれほどのインパクトはありません。基本的なテロワールはやはりYirgacheffe、Gujiなどに一歩ゆずるのではないかと思います。

West Arsi Zone

West Arsi(西アルシ)ゾーンはOromia州に属しており、エチオピアのやや南部に位置しています。南にSidama県と接しています。この地方のコーヒーは“Sidamo Type”のコーヒー=Sidama Dとして流通していますが、近年はWest Arsiと銘打ったロットも見受けられるようになりました。

  • West Arsi
    • Arsi Negele(アルシ・ネゲレ)
    • Shala(シャラ)
    • Siraro(シラロ)
    • Shashemene(シャシェメネ)
    • Kore(コレ)
    • Kofele(コフェレ)
    • Gedeb(ゲデブ)
    • Dodola(ドドラ)
    • Nansebo(ナンセボ)
      • Refisa(レフィサ)??
    • Adaba(アダバ)

流通しているコーヒーにNansebo Woreda内のRefisaというKebele(ケベレ)区域があるのですが、Google Mapではそこまでたどれませんでした・・・。

あまりカップした覚えがありませんが、北部の”Sidama D Type”であることを考えると、おそらくややフローラルで柑橘系。やや質感は強め。酸はややマイルドなシダモっぽい印象があるかと思います。

Sidama Regional State

Sidama Reigional State(シダマ)州は以前SNNPRに属するSidama ゾーンでしたが、2019年に市民投票の末、Regional Stateとして分離しました。大きさはゾーンですが州として成り立っています。北部をWest Arsiゾーン。南部をGedeoゾーン、Gujiゾーンと接しています。正式名称は“シダマ”でECXのContract Nameも“SIDAMA”ですが、一般には”シダモ”と言われ“SIDAMO”表記も多く使われています。

  • Sidama
    • Aleta Wendo(アレタ・ウェンド)
    • Arbegona(アルベゴナ)
    • Aroresa(アロレサ)
    • Hawassa Zuria(アワッサ・ズリア)??
    • Bensa/Benssa(ベンサ)
    • Bona Zuria(ブナ・ズリア)
    • Boricha(ボリチャ)
    • Bursa(ブルサ)
    • Chere(チェレ)??
    • Aleta Chuko(アレタ・チェコ)
    • Dale(ダレ)
    • Dara(ダラ)
    • Gorche(ゴルチェ)
    • Hula(ウラ)
    • Loko Abaya(ロコ・アバヤ)
    • Malga(マルガ)
    • Shebedino(シェベディノ)
    • Wensho(ウェンショ)
    • Wondo Genet(ウォンド・ゲネ)

このエリアのコーヒーはいわゆるSidamo(シダモ)のコーヒーとして流通していてWoredaは“Sidama AもしくはB”に属していますね。いわゆるSidamo(シダモ)のコーヒーの典型的なモデルとも言えるでしょう。

柑橘系のノートが明確で甘さがあり、なめらかな質感。微かにフローラルノートがあり、これぞエチオピアの水洗式という感じがSidamoの特徴ですかね。

スペシャルティーシーンでは細かいWoredaが特定されたオファーはまだあまりありませんが、Sidamaは有名なブランドでもあります。

モプラコのエレアナさんはBenssa(ベンサ)Woredaのコーヒーを扱っていて、最近はSidamo Benssaとして日本でも流通しています。Sidama全体としてのレベルはYirgacheffeやGujiに比べると見劣りする感はややありますが、やはり従前のシダモらしさを感じさせるシトラスノート、甘さ、スムースな質感のバランスはさすが正統派Sidamoといったところです。

近年開催されているエチオピアCOEでは、上位入賞ロットの多くがこのSidama県で占められており、改めてこの土地のテロワールが再評価されるようになってきました。Benssa WoredaのKelemo Kebeleで農協を営むNiguse Gemeda氏によるコーヒーロットが一位を獲得したのを皮切りに、翌年は同じくBenssa、Alo KebeleのチェリーコレクターであるTamiru Tadesse氏が一位となり、世界各国のロースターがこぞって彼らのコーヒーを求めるようになりました。当地のコーヒーはフローラルかつ明確なフルーツキャラクターを持つ甘い味わいが特徴で、典型的なエチオピアライクな印象をさらに洗練させたかのような風味特性を持っています。

Gedeo Zone

Gedeo(ゲデオ)ゾーンはSNNPRリージョンに属し、エチオピアの南部に位置しています。正式なゾーンの名称はGedeoですが、ここのコーヒーが実質YirgacheffeのContract Nameとしてグレードが認知されていますね。同国で最も素晴らしいコーヒーを産出する稀有なエリアで、扱いがかなり別格になっています。やや小さいゾーンです。

OCHAではGedeoゾーンとWest Gujiゾーンの詳細地図が参照できます(WoredaもKebaleも全部乗ってる)。

Gedeo and West Guji Zones Reference Map

  • Gedeo
    • Bule(ブーレ)
    • Dila Town(ディラ・タウン)
    • Dilazuria(ディラズリア)
    • Gedeb(ゲデブ)
      • Worka Sakaro(ウォルカ・サカロ)
      • Banko Gotiti(バンコ・ゴティティ)
    • Kochere(コチェレ)
      • Chelelektu(チェレレクトゥ)
      • Fisehagenet(フィセハゲネ)
      • Beloya(ベロヤ)
    • Wenago(ウェナゴ)
      • Adame/Adamea(アダメ)
    • Yirgacheffe(イルガチェッフェ)
      • Dumerso(デュメルソ)
      • Idido/Adido(イディド)
      • Gersi(ゲルシ)
      • Konga(コンガ)
      • Aricha(アリチャ)
      • Haru(ハル)
      • Suke(スケ)

エチオピアで最高を誇るテロワール故、最近では細かいエリアや水洗所、農協等のロットが多くオファーされています。各Woredaの下にはKebeleが連なっています。

いわゆるYirgacheffeのフレーバーはジャスミンのような花の香りにシトラスノート、そしてTea Likeと形容される紅茶感が特徴です。ロットによっては若干ナッティーになるものもあります。Ginger系でややハーバルなもの、もしくはLacticで乳酸のようなニュアンスになど、意外と多様性があります。

GedeoゾーンのWoredaは大体有名ですね。ものによってはこのWoreda名がECXのグレード名(Contract Name)にもなっています。

Gedeb/Banko Gotiti:かなり甘いカップを誇り印象度が高い。フレーバーも強くストラクチャーがある

Kochere/Chlelektu:酸が明るい印象。シャープではなくラウンドで親しみやすい、ジンジャーのようなフレーバーも感じられることがある。典型的なイルガチェフェ

Yirgacheffe/Idido:イディドは著名なKebele。甘さがあり典型的なイルガチェフェフレーバーがある

Yirgacheffe/Konga:ティーライクで甘さと酸のバランスが良い。印象はやや弱いが上品にまとまっている

Yirgacheffe/Alicha:ナチュラルのロットで有名。ベリーの風味にフローラルが相乗効果を発揮。はでなコーヒー

まあ・・・。上記は一例なのでロットの出来によってはこの通りにならないでしょう( *´艸`)。

フランスのブルゴーニュの銘醸地Cote-d’Or(黄金の丘)になぞらえるのであれば、GedeoゾーンはCotes de Nuits(北側シャンベルタンやロマネコンティ等の区画)。West GujiゾーンはCote de Beaune(南側モンラッシェ等の区画)に例えられるかもしれません。それだけこれらのエリアのテロワールは突出しています。

West Guji Zone

West Guji(西グジ)ゾーンはGedeo ゾーンの南側を取り囲む形になっており、Oromia州に属しています。以前はBorena(ボレナ)ゾーンの一部でした。2000年代に入って区画が分割され、まずGujiゾーンが制定されてその後West Gujiゾーンが分離しました。

  • West Guji
    • Abaya(アバヤ)
    • Gelana(ゲレナ)
      • Chelbesa(チェルベサ)
    • Bule Hora(ブーレ・オラ)
    • Kercha(ケルチャ)
      • Solomo(ソロモ)
    • Hambela Wamena(ハンベラ・ワメナ)(前はUragaの一部だった)
      • Alaka Korchena(アラカ・コルチェナ)
      • Buku Sayisa(ブク・サイサ)
    • Birbirsa Kojowa(ビルビルサ・コジョワ)??

正統派Sidamoとされる“Sidama A”の区画域です。従前のいわゆるSidamoとは一線を画し、最近では明るくパワフルな印象があります。

GelenaとAbayaの両Woredaは”Gelena Abaya”というContract Nameでちょっと別格な扱いをされています。ファナティックは見たことないですが、ちょっと気になりますね。その内カップする機会があるかな?

West Gujiゾーンのコーヒーは、フローラルさよりかは甘さを湛えたグレープフルーツのような印象が強く、上品な北部のGedeoゾーンとはタイプが異なります。それゆえにこの2つのゾーンがエチオピアコーヒーの双璧とも言えますね。エチオピアの新規の輸出業者からのオファーは大体このYirgagacheffeとGujiです(売りやすいんだろうね)。

それまではSidamo G1/G2といった名称でのオファーが多かったのですが、数年前から”Guji”という名前を関してから格段にと個性と印象が向上した覚えがあります。当時は「え?なにGujiって?Sidamoって書いてあるけどようわからんな?」・・・と思っていました(/ω\)。

このゾーンのWoredaはHambela Wamena、Kercha、Bule Hora等が最近では有名です。

特にHambela Wamenaは近年注目されているウォレダで、かなり甘さが強く、リンゴや洋ナシ等のフレーバーを表し印象が強いです。Alaka、BukuなどのKebeleが日本でも流通してきました。ナチュラルのロットを見ることが多いですね。

Kerchaはややイルガチェフェライクさを持ち、ややフローラルで上品な印象です。少しYirgacheffeに印象が近いように感じます(実際に距離が近い)。

Guji Zone

Guji(グジ)ゾーンは上記のWest Gujiと同じくOromia州に属し、エチオピア南部。West Gujiの東側に位置します。旧Borenaゾーンから分離した比較的新しいゾーンです。ここも今まではSidamo(シダモ)のコーヒーとして流通していました(Contract Name上は今でも”Sidama A”

  • Guji
    • Adola(アドラ)
    • Adola Town(アドラ・タウン)
    • Ana Sora(アナ・ソラ)
    • Bore(ボレ)
    • Dima(ディマ)??
    • Girja(ギルジャ)
    • Harenfema/Harenfama(アレンフェマ/アレンファマ)
    • Liben(リベン)
    • Negele Town(ネゲレ・タウン)
    • Odo Shakiso(オド・シャキソ)
    • Uraga(ウラガ)
    • Wadera(ワデラ)

West Gujiに比べるとさらにパワフルで酸、甘さ共にしっかりしておりケニアを思わせるような力強いテロワールです。このGujiの登場で、Sidamoのコーヒーは新たな局面に入ったといっても過言ではないかもしれません。それまでは何となくYirgacheffeに準ずるような品質という感じでしたが、今ではその多様性とフレーバーの特徴からWest Guji含めエチオピアで1,2を争うテロワールであることが認められました。COEでの入賞も多いです。

WoredaはBore、Uraga、Odo Shakisoなどが有名だと思います。

Uragaはかなりパワーのあるコーヒーでジンジャーのニュアンスを持ちながら青リンゴのようなフレーバーと甘さを誇り、ティーライクさも合わせ持ちます。あるカッピングイベントで90点が付いた事もあります。

Odo Shakisoは有名なウォレダですね。ナチュラルのコーヒーをカップした覚えがあります。ベリー系で甘さと質感が強いものの特徴的なフレーバーはそれほどない印象でした。90plus社は以前Nekisse(ネキセ)ブランドで使用していた記憶があります。

West Gujiゾーン、GujiゾーンともにまだWoredaの下のKebeleまではそれほど明らかになっていませんが、今後どんどん小さいトレーサビリティーが判明していくでしょうねー!!

いやー楽しみだ!!

・・・・・

・・・・・

こんなところかしら(/・ω・)/

・・・・・

・・・・・

・・・・・

・・・・・

君を一番愛しているのは、なにを隠そう・・・

このWoreda!!(俺だ)

え?そんなの知らないって!?

・・・・・・

ってMaji(マジ)かよ!!(;・∀・)