こんにちは!!
Coffee Fanatic三神です!!
今回のテロワール編は南米編のトリとなるエクアドルをご紹介します!!
一応他の南米の生産国としては経済が崩壊して地獄のようになってしまったヴェネズエラがあるのですが、はっきりりってこの国のコーヒーは今はほとんど市場に出回らない(でも一応年間60万袋くらい作っている)ので、実質この国で南米の主要生産国はカバーできたと思います。(一応伝統的カテゴリーではパラグアイなんかもBrazilian Naturalに含まれるけどね)
・・・・・・・
ぱちぱちぱち(≧◇≦)
おつかれさまでしたー to 自分♡
・・・・・・・
というところのエクアドルですが、近年は結構大変な時期を迎えてまして、2000年代に経済が傾いてからはこれを契機に自国通貨を廃し、米ドルを自国通貨として使用することになりました。よって国内の金融状況や経済はアメリカのFRB(アメリカの中央銀行みたいなもん)の動向に大きく影響を受けるようになりました。
これは自国通貨が米ドルとペッグされているパナマとほぼおんなじ状況ですね(つまりこの両国はほぼアメリカの属国)。2024年8月現在のアメリカの政策金利は5%超ですが、エクアドルの経済状況に関係なく、この金利をベースとした金融政策や市中金利が国内で適応されるので、自国の経済が死にそうになったとしても、金利を安くして経済を活性するといった措置ができなくなります。また通貨発行によるインフレ誘導政策や、または国債の中央銀行による買い支えなども出来ないので、ほんと何にもできないです(´Д⊂ヽウワアアア。
まあ緩和や紙幣発行をやりすぎてアルゼンチンやギリシャみたいになったらそれはそれで大変なのですが・・・・。まあどっちがいいかはわからんですぁ・・・・。
この様に自国通貨を廃ししてしまうと、金融政策ができなくなるので、金利や通貨の価値、インフレ動向はアメリカと同じ傾向(アメリカに翻弄される)になります。
ということで元から高値だったエクアドルのコーヒーは、通貨安でデフレ基調が長く続いた日本にとって割高な状態になっておりますです・・・・。相手がドルなので(2024年8/14日終値の円相場は$1=¥147.31・・・・)。
またエクアドルで行われている品評会であるTaza Dorada (Gold Cup)の2023年大会はアメリカで行われたことから、やはり同国のアメリカ依存度はかなり高い事が伺えます。
エクアドルの生産概要
- 伝播時期:19世紀
- 年間生産量(2022年):544,000袋
- 主な生産処理:水洗式
- 主なコーヒー・ロットの単位:小/中規模農園、または農協などによるエリア集積
- 主な品種:
- アラビカ30%
- Caturra, Catucai, Typica, Typica Mejorado, Sidra,
- カネフォラ70%
- Conilon, Napo Payamino, Robusta, Pepon Brasileno, Tropical
- アラビカ30%
- 主な生産形態:小/中規模農家
- 主な収穫時期:5~9月
- 主要港:マンタ
南米の生産国の一つであるエクアドル。コーヒーの生産量は544,000袋(32,640MT)となっており、中米のエル・サルバドルよりやや少なく世界第20位の水準となっています。同国のアラビカコーヒーは基本的にやや高価格帯である、ハイコマーシャル~プレミアムクラスでの扱いが多くなっており、特に近年ではスペシャルティコーヒー業界において知名度が上昇してきています。1860年にスペインの入植者の手によってManabi地方のJipijapa地区に苗が植えられたのが最初とされており、それ以降1900年代に入って生産量が増えました。1985年には年間生産量約1,800,000袋、栽培面積は約350,000haにまで拡大しましたが、1990年代の世界的な景気後退から生産量は減り続け、栽培面積も約60,000haにまで減少してしまいました(すごい減り方だな!)。なお生産全体の内訳としてはロブスタ種の生産量が多くを占めており、アラビカ種の約2倍となっています。上のリストではUSDAの資料にのっているカネフォラの品種を上げてみましたが、結構品種があるんですね!コニロンとロブスタしか知っているのがありませんが(Tropicalってなんだ?)。
現在も減少傾向が認められるので、国としてはスペシャルティなどの高品質マイクロロットに力を入れている感じですかね?方針としてはパナマみたいなものを目指しているかもしれませんが、取り組みが中途半端の様に感じます・・・。やる気があるのかないのか・・・・?
輸出規格はスクリーンサイズと欠点数から輸出規格を定めていますが、統一された規格が用いられている訳ではなく、様々な表記で流通しています。
【スクリーンサイズと欠点での規格】
- Superior: 75% 15–19; 20% below 15, defect 1%
- Especial: 13-14, defect2 %
- Selecto: Small–Med, defect 3%
【スクリーンサイズでの規格】
- Extrafino Less than 350µm
- Fino 350µm to 500µm
- Mediano 500µm to 700µm
- Grueso 700µm to 900µm
【標高での規格】
- SHB/SHG (Strictly High Grown): 1,200m~?
- HB/HG (High Grown): 900~1,200m?
- CT (Central Standard): ~900m?
【その他の規格】
- Washed Arabica
- SUPREME = manicured coffee sieve 18/19
- SELECTO = equally matched Coffee cared grits Criv. 17/18, very sweet and aromatic cup.
- Natural Arabica:
- Caracolito = some small defect (blacks or broken)
- GALAPAGOS = very nice, Criv. 18
- A = 17/18 sieve and with some damage.
- EXTRA SUPERIOR = mixed grits: 18/17/16/15, some flaws.
(参考)TOSTABAR
https://www.ingnapoli.com/green-coffee-knowing-the-raw-material/?lang=en
Café Imports
https://cdn.cafeimports.com/images/Common-Coffee-Grades-Chart.pdf
National Quality Standards, ICO (PDF)
・・・・・・なんかいっぱいあるんですけど・・・・・(‘ω’)。
あ、あとEP(European Preparation)やUP(American Preparation)なんかも副規格であるっぽいです。
ちょっと規格がありすぎてよくわからんのですが、多分一番使われているのはSHBとかSHGではないかと思います。基準となる標高もよくわからんですね・・・・。ただエクアドルはそれほどコマーシャルでは優位に立てないので、実質SCAの基準を使ったグレーディングがスペシャルティでは多くなってきていると推察しますです。
1990年代の新興国の参入、2000年代に入ってのドル化、最低賃金の上昇などによる高コスト化を背景に数十年にわたって減産基調を継続しており、国内生産は順調に減少(!)しているものの、代わりにブラジル、ベトナム、近年では特にコロンビア、ペルーなどからコーヒーを多く輸入しているといったおもしろい特徴があります(でもこっちもかなりの勢いで減ってきている)。こうした輸入コーヒーはフリーズドライのインスタントコーヒー(Soluble Coffee)用の製造原料となっており、実は生豆の生産量とほぼ同量を輸入しています。インスタントの輸出国ですが、国内消費用に輸入もしています。なおエクアドルの国内消費は昨対で1万袋近く増加しています。
エクアドルは、生産国よりかは消費国へ転換していっているように見えますね。
【2022/23年の生産及び輸出入量の内訳(予測値)】
*1袋=60kg換算
- アラビカ生産=113,000袋
- ロブスタ生産=241,000袋
- 生豆輸入=330,000袋
- インスタント輸入=110,000袋
- インスタント輸出=465,000袋
- エクアドル国内消費=328,000袋(内インスタント283,000袋)
(参考)Coffee Annual Ecuador, USDA
https://agriexchange.apeda.gov.in/MarketReport/Reports/Coffee%20Annual_Quito_Ecuador_EC2022-0008.pdf
国内のコーヒー機関としてはANECAFE(Asociacion Nacional de Exportadores de Cafe)、ACEDE(Asociación de cafés especiales del Ecuador)、COFENAC(Consejo Cafetalero Nacional)らがあります。Anecafeはエクアドルの品評会であるTaza Doradaを、ACEDEはスペシャルティコーヒーの協会としてCOEを運営しています。COFENACは農務省的な立ち位置となっています。
ANECAFE
https://www.instagram.com/anecafe_ecuador/
ACEDE
COFENAC
https://agroscopio.com/directorio/consejo-nacional-cafetalero/
品評会としては2016年にTaza Dorada(Golden Cup)開始され、長らくコスタリカのExclusive Coffeeがサポートや審査員派遣を行っています。2021年にCOEが開始されましたが、基本的に出品者はTaza Doradaと同じ顔触れになっています。こうしてみるとスペシャルティの産業は国としてはあまり裾野が広がっておらず、一部の特定生産者の入賞に偏っているようです。出品ロットが極めて少ないのも特徴で、これがオークションでの高値を誘発しやすい背景ともなっています。
(参考)Cup of Excellence Auction Results
https://allianceforcoffeeexcellence.org/competition-auction-results/
国内流通と収穫
エクアドルも他の生産国と同じく、小規模生産者の割合が多い国となっており、96%が5ha未満の農地を所有する小農家で、3%が5~10ha、そして最後の1%が10ha以上の生産者です。品評会などではこういった10ha以上のやや規模の大きい私営農園などの入賞もよく見られます。特に2010年以降に農園事業を始めた比較的裕福な農園主らの受賞が多いのが特徴です。生産国の中では経済(GDPはペルーの次)は高い方だと思います。
国としてコーヒーの品質向上に取り組んでおり、収穫はハンドピックが主流で、ロブスタ種においても手収穫が90%となっている(他国では機械収穫が多い)のが特徴です。めずらしいですね!2021年以降のNY価格の上昇により収益は改善傾向にあり、肥料の使用率も増えているものの、いまだにアラビカで45%。ロブスタで20%程度となっています。また灌漑はコーヒー栽培で一般的ではないのですが、Loja地方などの山間部では水不足を補うためのスプレー式の灌漑が行われているようです。
収穫は国内や国外(コロンビア、ペルー、ヴェネズエラ等)の季節労働者を雇用して行い、収穫したチェリーを農協や輸出業者、チェリーコレクター、販売所などに販売します。他国では規模が大きくなると自家生産処理を行う割合が増えるものの、エクアドルの場合は基本的には農協や輸出業者に委託して生産処理を行う事が通例ですね。
エクアドルも、メキシコやエル・サルバドル同様にやや乾燥が甘い生産国であり、スペシャルティコーヒーでもかなり高い確率で到着時の白変がみられることがありましたが、近年、生産処理の品質が向上したようで、こういった劣化のケースは減少傾向にあります。しかし、それでもいまだにフェノールやウッディなロットが高値でオファーされることがあるようです(ぎゃー)。
Infused Coffee
2020年前後からTypica Mejorado種やSydra種などのエクアドル固有品種でのロット展開が多く散見されるようになり、同時に嫌気発酵や炭素発酵などの嫌気性処理も積極的に取り組む農園が増えました。こうした取り組みはエクアドルのコーヒーの魅力を高め、より風味豊かで市場に好感されるコーヒーの誕生に大きく貢献しましたが、一方でスパイス香や柑橘系の風味を付与する、いわゆる“Infused Coffee”の処理も多く行われるようになりました。現行のCOEでは風味添加型のコーヒーの出品は禁止されており、ここ数年、過剰なInfusedコーヒーはやや鳴りを潜めた印象がありますが、一時期はTaza Doradaなどでかなり多くのロットがこうした生産処理を施されていたことがあります。こうした中スペシャルティ業界で人気の高いエクアドルのコーヒー産業が、今後どういった方向性に舵を切るのかが注目されます。
一時期はマジでひどかったですね(笑)。もうInfused全開の味が多くて、山椒風味のナチュラルやら、ピーチやら、ゴールドウオッシュ系の柑橘風味やら、なんでも来いと言いた感じでしたねー。
インスタントコーヒー(Soluble Coffee)
エクアドルは年間で100万袋の生豆をインスタントコーヒー(欧米ではソリュブル=”溶ける”と言います)に処理する能力があるよウなのですが、現状では300,000袋近くの生豆を処理するのにとどまっています。El Café Co社はエクアドルのフリーズドライ・インスタントコーヒーの70%を製造しており、全世界で10%のシェアを占めてる国内最大手ですが、現在は競争力を欠いてきているんだとか・・・。これは他の国と比べて水道と電気のコストが高いのが要因だそうです(特に水のコストはコロンビアより60%、ペルーより85%高いんだってー)。
国内のでインスタント処理量は年々減少してきており、2018年では714,000袋あった生豆輸入量が、2022頃では半分以下の333,000袋にまで減ってきています。( ;∀;)チーン
(参考)Why does Ecuador import so much coffee?
https://perfectdailygrind.com/2022/01/why-does-ecuador-import-so-much-coffee/
Nestle選抜品種
近年注目を集めるコーヒーの品種にTypica Mejorado種とSidra種があります。これらは共にエクアドルにあるNestleの研究農園で開発/選抜された品種であることがわかっていますが、それまでは結構めちゃくちゃな由来や交配種の説明がされていましたね(笑)。
現在Typica Mejorado種はエチオピア原生種(Geishaという説もある)とBourbon種との交配種とみられており、エチオピアライクなフローラルなニュアンスが特徴となっています。Taza DoradaとコスタリカExcusive Coffeesとの兼ね合いもあり、この品種はコスタリカで興隆を見せ、同国のCOEでも多くの入賞をさらったことから高品質種として認知されるようになりました。
一方のSidra種は“Bourbon Sydra”とも呼ばれ、こちらはエチオピア原生種の一つであると考えられており、リンゴのような甘さと香りを特徴とします。2019年のWorld Barista Championshipで優勝したバリスタがコロビアのSidra種を使用したことによって、知名度が上がったのは皆さんご存じのとおりですね。コロンビアへの伝播系統は不明となっていますが、現在もコロンビアの著名農園をはじめとした高品質ロットでの採用が増えています。
これら両品種はもちろん本国のエクアドルでも見ることができ、特にTaza DoradaやCOEの入賞農園等で栽培されているケースが多くなっています。
(参考)2021年下半期、コーヒー品種アップデート②!
エクアドルのテロワール
国名の由来となった赤道(Equator)が国内を通るため、スペシャルティなどの高品質コーヒーでは生産標高が2000mを超えることが多く、他の生産国と比較してもとても高いのが特徴です。これは緯度が低いので、冷涼な環境を得るために標高が高くする必要があるからですね。離島であるガラパゴス諸島でもコーヒーは栽培されており、これらは生産標高が300m程度と一転してかなり低くなります(すごい差だね)。しかしこういった低標高産でも他のカリブ系や離島系のコーヒーに比べて品質は高い特徴があります。
かなりむかーし、ガラパゴスにブラインドカップで高得点をつけちゃったことがありました(笑)。うぺぺ。
生地域はManabí, Carchi, Loja, Zamora-Chinchipe, El Oro, Pichincha, and the Galapagos Islandsといった地方が主要な栽培エリアとなっていますが、水洗式アラビカ、ナチュラルアラビカそしてロブスタではそれぞれに主要な生産地が存在しています。
【カテゴリーごとの主な生産地方】
- Washed Arabica:
- El Oro, Manabí, Loja, Guayas, Zamora Chinchipe
- Natural Arabica:
- Loja, Manabí, El Oro, Los Ríos, Guayas, Pichincha
- Robusta:
- Santa Elena, Manabí, Guayas, Orellana, Sucumbíos
エクアドルではアラビカの40%が西の海岸エリアであるCoastエリアで栽培されており、その内Manabi地方での生産が67%を占めています。対してロブスタは総生産量の86%がSucumbíos、Orellana、Napo、Pastaza、Morona、Zamoraといった各地方を含む、国の東側のAmazonエリアで栽培されています。
なお国の地域区分は大きく4つあり、下記の通りとなっています。
- 東側=Amazonエリア(La Amazonia/El Oriente)
- 中央山脈帯=Andesエリア(La Sierra)
- 西側海岸=Costエリア(La Costa)
- 離島(Galapagos諸島)=Islandエリア(La Región Insular)
ここではCOE入賞農園などの多いテロワールや有名な生産地域らを取り上げて行きたいと思います。Loja、Pichincha、Chimborazo、Zamora Chinchipe、Imbabura、Galapagosの各地方をご紹介しまーす!
・・・・・・
農園情報などは開催歴が長いTaza Doradaから情報を取ろうと思っていたのですが、Anecafeのサイトが閲覧できなくなっており、過去の受賞歴が全くわからん状況になっているため、今回はCOEから主な情報を抽出してあります。・・・ほんとにこの国のコーヒー産業大丈夫なのかしら(/・ω・)/イミワカラン。
あ、恒例の行政区分はこんな感じです。
【地方(Provincia)以降の生産地域区分と行政区分】
- Canton(小群及び郡都)
- Parish(区)
- Village(村)
- Parish(区)
それではいってみよー!
Loja Procvince(ロハ地方)
Loja地方はエクアドルのスペシャルティシーンをけん引する重要な生産地であり、COEやTaza Doradaといった品評会に名を連ねる農園らを多く輩出する、国内最高のテロワールです。位置としては国の最も南西に位置する地方です。
主要な生産地域もLoja地方の南西にあり、ペルーとの国境に近いエリアとなっています。よって当地のコーヒーはペルーのPiura州やCajamarca州に近い特性を持っている可能性があります。
- Calvas(カルヴァス)
- Cariamanga(カリアマンガ)
- Cango Bajo (カンゴ・バホ)
- El Tablaso(エル・タブラソ)
- Cariamanga(カリアマンガ)
- Catamayo(カタマヨ)
- Vilonaco(ヴィロナコ)
- Colaisaca(コライサカ)
- Yambamine(ヤンバミン)
- Chaguarpamba(チャグアルパンパ)
- Gonzanamá(ゴンサナーマ)
- Nambacola (ナンバコーラ)
- Loja(ロハ)
- Podocarpus National Park(ポドカルプス国立公園)
- Vilcabamba(ヴィルカバンバ)
- Macara(マカラ)
- Puyango(プヤンゴ)
- Álamor(アラモール)
- Quilanga(キランガ)
- Sozoranga(ソソランガ)
- Saraguro(サラグロ)
- San Pablo de Tenta(サン・パブロ・デ・テンタ)
- La Papaya (ラ・パパヤ)
- San Pablo de Tenta(サン・パブロ・デ・テンタ)
【著名農園】
- Finca El Dorado/ Edilberto Guevara Hernandez (地域詳細不明)
- フィンカ・エル・ドラード/ エディルベルト・ゲヴァラ・エルナンデス
- Finca Eliza / Orlando Guevara Hernandez (地域詳細不明)
- フィンカ・エリサ/ オルランド・ゲヴァラ・エルナンデス
- La Noria/ Maria Del Pilar Burneo Samaniego (Villonaco, Catamayo)
- ラ・ノリア/ マリア・デル・ブルネオ・サマニエゴ
上記3農園はCVM:Choco Vilcamumdo Cia(チョコ・ヴィルカムンド・チア)という企業/生産者一族が運営する農園です。パナマBoquete地方のコーヒーに魅せられたオーナーMartin Kutsch氏がパートナーのBernard Uhe氏(コロンビアのIbagueでの生産者一族をルーツに持つ)と共にコーヒー事業を始めたのがルーツとなっています。いずれも高い評価を受けていますが、特にLa Noria農園はCOE2022で1位、2023年のTaza Dorada でも1位と、上位入賞常連で高い知名度と名声を誇っています。
- Yambamine/ Diana Velez Rodriguez (Sosoranga)
- ヤンバミン/ ディアナ・ヴェレス・ロドリゲス
- Chorora/ Olinka Velez Rodriguez (Sosoranga)
- チョローラ/ オリンカ・ヴェレス・ロドリゲス
黄金の地=“Land of Gold”という意味を持つ“Yamabamine”は本来Colaisacaカントンの地区名ですが、農園としてのYambamineエステートはSosorangaカントン内に所在しています(ややこしいトン(;´・ω・))。このカントンは特に有名ですね!近隣に兄弟の農園のChororaがあり、この2つはGoogle Mapにも記載されています。品評会での優勝実績の他、同時期に多くの入賞ロットを輩出したことで高い評価を得るようになりました。
- Hacienda La Florida/ Fabricio Enrique Coronel Pilco (Sozoranga)
- アシエンダ・ラ・フロリダ/ ファブリシオ・エンリケ・コロネル・ピルコ
2020年のTaza Doradaで1位に輝き、その後の2023年にも3位に入賞している、エクアドルを代表する実力派農園です。RDCでも使用しましたことがあります!1994年からコーヒー事業を開始しており、現在は3世代目のオーナーが農園管理を行っています。当農園でもTypica Mejorado種やSydra種といったエクアドル発生品種に力を入れていますが、それ以外のベーシックな品種もレベルが高いです。
- Clara Luz/ Servio Lennin Gonzalez Jiménez (Quilanga)
- クララ・ルス/ セルヴィオ・ゴンサレス・ヒメネス
50年以上の歴史を持つ老舗農園であり、近年のスペシャルティのムーブメントに伴ってSydra種やGeisha種などの栽培に注力してきた農園です。COEでも上位の入手が多い農園です。
- Nuestra Señora de Guadalupe/ Eladio Gonzalo Chamba Herrera (Nambacola, Gonzanama)
- ヌエストラ・セニョーラ・デ・グアダルーペ/ エラディオ・ゴンサーノ・チャンバ・エレーナ
COE2023の2位農園。スペシャルティコーヒーは2015年から生産に着手し、それ以前の2000年代は別の作物を栽培していました。3haの農地を持つ小規模生産者であり、大手とは一線を画すエクアドルのマイクロクライメットを表すコーヒーを栽培しています。
- Alaska del Sur/ Curt John Madison (La Papaya, San Pablo de Tenta)
- アラスカ・デル・スール/ カート・ジョンソン・マディソン
その名もアラスカ出身のオーナーが営む農園です。自らが理想とするコーヒーを生み出すため、生産地域やテロワールを探求し、最高の産地として定めたのが、このLa Papayaの地でした。オーガニックの取り組みに注力しながらもアナエロビックを得意とする農園です。
Picincha Province(ピチンチャ地方)
Pichincha地方はエクアドルの首都であるQuitoを擁しており、北側をコロンビアと接する北部県です。Quitoの北側にコーヒーの栽培エリアが分布しており、当地では素晴らしい品質のコーヒーが育まれています。
- Quito(キト)
- Nanegal(ナネガル)
- La Perla(ラ・ペルラ)
- Tulipe (トゥリペ)
- Pedro Moncayo(ペドロ・モンカーヨ)
- San José de Minas(サン・ホセ・デ・ミナス)
- Nanegal(ナネガル)
【著名農園】
- Cruz Loma/ Familia Morales Rivera (San Joes de Minas, Quito)
- クルス・ロマ/ ファミリア・モラーレス・リヴェラ
モラーレス一家が営む、Pichincha地方で最も有名なCruz Loma農園は、COE以前から開催されているTaza Doradaでも数多くの入賞歴を誇る偉大なエステートの一つですね!代表的な区画はSan Jose de Minasカントンにありますが、やや離れたNanegalカントンのTulipe地区にも農園区画を所有しているとのことです。
- Rancho Tio Emilio/ Jose Emilio Gaibor Coloma (La Perla, Nanegal, Quito)
- ランチョ・ティオ・エミリオ/ ホセ・エミリオ・ガイボール・コロマ
- Maputo/ Henry Arturo Gaibor Coloma (La Perla, Nanegal, Quito)
- マプート/ エンリー・アルトゥーロ・ガイボール・コロマ
- Hakuna Matata/ Henry & Verona Gaibor (La Perla, Nanegal, Quito)
- ハクナ・マタタ/ エンリー&ヴェローナ・ガイボール
これらの3つは外科医と産科医であるGaiborオーナー夫婦が所有する農園らです。なんでも夫婦はブルンジにおける”国境なき医師団”の活動で出会ったそうです(ろまんてっく♡)2011年に始まった比較的若いプロジェクトですが、SL28種やSydra種などの新しく注目されている品種を栽培しており、高い評価を得ています。
- Terrazas del Pisque/ Arnaud Causse (Horcaf)(Pedro Moncayo, Quito)
- テラーサス・デル・ピスケ/ アルナウド・カウセ(ホルカフ社)
首都Quito北部近郊、赤道に近い2,100mに及ぶ高地に存在する農園です。7つの品種を栽培しており、それらに5種類の生産処理を適用することで、総勢35種に及ぶコーヒーのロット・バリエーションを展開しています。2010年初頭に運営が開始された比較的新しい農園では、パッションあふれるオーナーの元、認証やラベルに捕らわれない、真に高い品質を持つコーヒー生産が営まれています。・・・とのこと。
Chimborazo Province(チンボラソ地方)
Chimborazo地方はLoja地方やPichincha地方に次いで知名度のある生産地方でCOEの上位入賞も見られる優良生産地域です。、位置的にもちょうどこれら2つの中間にあり、中央の山脈帯(La Sierra)のまさに中央でコーヒーが栽培されています。
- Pallatanga(パジャタンガ)
【著名農園】
- Lagumapata/ Enrique Merino(Pallatanga)
- ラグマパタ/ エンリケ・メリーノ
Loja地方やPichincha地方らを押さえてCOE2022の1位を達成した農園で、2017年のTaza Doradaでも1位に入賞しています。2012年に2000本の木々の栽培から始まったLagumapata農園は2016年に初の収穫を迎えており、比較的新しい農園プロジェクトです。ここでもTypica Mejorado種やSydra種など現在注目を浴びている品種群を採用し、多様な生産処理を施したコーヒー・ロットを生産しています。
Zamora Chinchipe Province(サモラ・チンチペ地方)
Zamora Chinchipe地方はLoja地方の東側に隣接するエクアドル最南端の地方です。南側は国境を隔ててペルーのCajamarca県と、東側をAmazonaz県と接しており、コーヒーのキャラクターもこれらに近いことが伺えます。北側のZamoraと南側のChinchipeという主要地区の2つを併せてZamora Chinchipe地方が形成されています(そのまんま)。
- Chinchipe(チンチペ)
- Zumba(スンバ)
- Rancho del Carmen(ランチョ・デル・カルメン)
- Zumba(スンバ)
- Palanda(パランダ)
- Tapala (タパラ)
- Valladolid(ヴィジャドリド)
- Zamora(サモラ)
- La Victoria de Imbana(ラ・ヴィクトーリア・デ・インバナ)
【著名農園】
- Hacienda La Florida/ Vitalino Demetrio Merino Carrión (La Victoria de Imbana, Zamora)
- アシエンダ・ラ・フロリダ/ ヴィタリーノ・デメトリオ・メリーノ・カリオン
Loja地方にある同名の農園とは別の農園ですが(ややこしい・・・・)、COEに2021年と2022年と連続して入賞しており、こちらも実力派の農園となっています。1980年に農園事業を開始し、約7haの農地でCaturra種やBourbon種など、オーソドックスな品種を栽培しています
Imbabura Province(インバブラ地方)
Imbabura地方はそれほど知名度が高くありませんが、エクアドルにおける高品質コーヒーの産地の一つとして認知されています。北部はコロンビアのNarino県と国境を接しており、Imbabura地方の北部で形成されている生産地のコーヒーはこのNarino県のキャラクターに近似するテロワールを持つと考えられます。
- Ibarra(イバラ)
- La Carolina(ラ・カロリーナ)
- Guadua/ Mira River?(グアドゥア/ ミラ川)
- La Carolina(ラ・カロリーナ)
【著名銘柄】
- Habitat Forest/ Mario Andres Andrade (Ibarra, La Carolina, Mira River?)
- ハビタット・フォレスト/ マリオ・アンドレス・アンドラーデ
2021年に入賞している農園ですが、所在がはっきりしません(せめてカントン位記載してほしかったトン(。◕ˇдˇ◕。))・・・。農地はImbabura地方とCarchi地方の間に流れるMira川を中心とした谷間にあるという記述がありますが、ここかなぁ・・・?。近年のCOEで入賞しているImbaburaのコーヒーはこの銘柄のみとなっています。
Galapagos Province(ガラパゴス地方)
ダーウィンの進化論、そして独自の生態系環境を保持していることで世界的な有名なガラパゴス諸島。そのイメージとは裏腹に、実はコーヒーの栽培も積極的に行われている、エクアドルを代表する生産地の一つです。
標高は高くて300m程度であり、他の島国系の産地と比べてもかなり低い水準ですが、品質的にはむしろ高いプレミアムグレードを産出することで認知されています。また価格も同じく高い水準にあります。
- San Cristobal(サン・クリストバル)
- Santa Cruz(サンタ・クルス *ガラパゴス国立公園)
日本ではガラパゴス諸島を構成する、San Cristobal島とSanta Cruz島で生産されるコーヒーが流通しています。農園名を関したロットも見ることがありますが、基本的にはこれらの島名が記載された広域/地域ロットが一般的になっています。
カリブ系や、ハワイ、パプアニューギニアとは異なるものの、一部の味わいにおいて共通項を見せるのが興味深い特徴です。生豆の外見は低標高にも関わらず、硬く引き締まり、美しい青緑色を表します。栽培から生産処理に至るまで高いレベルの精製が施されていることが伺えます。見た目だけでいえばトップスペシャルティですね!!
若干ハーバルさは強く出るものの、甘いリンゴを思わせる酸は魅力十分のコーヒーと言えるでしょう。
・・・・・・・
でもやっぱり名前にインパクトがあるから、グラッシー風味のその向こうにゾウガメのビジュアルが浮かんでしまうのはこれ如何に・・・・・(/・ω・)/ウハァ
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というとことのエクアドルでしたー。
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赤道の重力って他の地域より弱いんだってー。
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ガラパゴス化の重力・・・
振り切って飛べ!!
私の気持ちはスイングバイで超加速(*’▽’)!!!!!!!!!
Mejoradoな私の思いはキット(Quito)あなたに届くはず!!!!!!!!!!!
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どこ行くトン(;´・ω・)?