こんちはーCoffee Fanatic三神です。

引き続きのカッピングネタですねー。

ここの所カッピングプロファイル用語を整理しているのですが、前回みたいにただ羅列しても正直わけわかめなので、今回から項目ごとに見ていきたいと思います。

なお一応私が分析してみますが、各用語の使い方や頻度はカップテイスターのお国柄、文化的背景などによって個人差がありますのでご注意を。

ここでは日本人(一応)であるファナティックの観点から各用語を見てみたいと思いますー。

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まず最初に失格事項から上げてきます。

COE失格事項=生豆欠点

  • Phenol, Rio, Riado (ヨード臭)
  • Ferment (発酵臭)
  • Oniony (玉ねぎ臭)
  • Sweaty (すえた臭い)

マニュアルには上記のみが掲載されていますが、Baggy(麻袋臭)、Mold(カビ臭)、Potato(ポテト臭もしくはPeasyともいわれるエンドウ豆フレーバー)なども一発アウトですね。Onionyは最近あんまりあたったことないですね。Sweaty(汗臭い)はFerment等の発酵に分類されてしまうことが多いと思います。

それではクリーンカップから行きますね(^^)/

Clean Cup

Gorge Howellが関わったマニュアルの用語を見てみます。

(ポジティブ)

Purity (無垢)

Free from Measurable Faults(測定可能な欠点なし)

Clarity (明瞭)

(ネガティブ)

Dirty (汚れ)

Earthy (土の味)                           

Moldy (カビ)

Off Fruity (過熟発酵)

結構微妙な表現がありますねー。・・・そもそも表現なのかな?カテゴリーを指しているようにも読めます?

・・・・まずはポジティブ側を見てみましょう。

“Purity”は無垢とか純粋という意味ですね。あんまり使う人はいませんが、まあ使っても問題ないと思います。でも使うんだったら“Pure”だと思います。その次の“Free from Measurable Faults”という表現・・・・わざわざ良いコーヒーに「欠点がありません」と言う必要はないでしょう・・・。“Clarity”は使いますが、“明瞭さ”という意味なので、具体的な描写だと、“Clean”、“Transparent”を使った方がしっくりきます。

次にネガティブですね。

Dirty, Earthy, Moldy, Off Fruity・・・・・。ほとんど一発アウトの用語です・・・。生豆欠点の描写です。こんなん出たらよほどひどいコーヒーでしょうね(涙)。

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次に前回取り上げた用語(+α)をおさらいしてみます。

(ポジティブ)

Clean, Clear, Super (Very) Clean, Transparent, Refine, Definition(Define),

(ネガティブ)

Unclean, Rough, Dusty, Dirty, Faded, Woody, Verde, Grassy, Strawy, Astringent, Ashy, Moldy, Phenol, Earthy, Baggy, Fermented, Cereal,

まずはポジティブから。

“Clean(きれい)”はよく使う用語ですね。“Clear(明瞭)”はあんまり使わないかな?“Clear View”とかちょっと比喩的に使えば変じゃないかも?“

Super(またはVery)”は使う欧米人結構いますね。“Transparent(透明感)”はかなり使用頻度の高い用語です。“Refine(洗練/精製)”もけっこう聞きなじみのある用語です。特にこの2つは使う人多いですね。

“Define(鮮明)“はラテアートでよく聞きますが、フレーバープロファイルではあんまり聞いたことないなー。

んじゃネガティブ・・・。

“Unclean(きれいでない)”はそのまんまクリーンではないという事。“Rough(粗い)”はなんとなく雑味があるときに使われます。少しMouthfeel要素も含んでいるかもしれません。

“Dusty(埃っぽい)”、“Dirty(汚れ)”はほぼ欠点ですね。“Faded(褪せる)”、“Woody(枯れ木臭)”は同じ経時変化による劣化臭のフレーバーを指します。

“Grassy(草っぽい)”、“Verde(未熟)”、“Strawy(藁)”なんかは良く使われる用語です。青臭いフレーバーがあるときに使われます。なおVerde(ヴェルジ)はポルトガル語で、未熟フレーバー(青臭さやナッツのような味、もしくは汚れ味)がある時に使用されます。

ちなみに“Strawy”という単語は正式に存在しません。“藁っぽい”という形容詞はないので、これは造語になりますね。

“Astringent(収斂味)”はかなりネガティブな表現です。これもほぼ欠点。“Ashy(灰)”は“Dusty”の強化版でまずスペシャルティークラスで出会うことはないでしょう。“Moldy, Phenol, Earthy, Baggy, Fermented”は全て欠点です。

”Cereal”は最近ではネガティブな表現です。特に”パーチメント臭”に該当すると生豆欠点とみなされます。主に生産国での貯蔵でサイロでのレスティング足りないと発生しますね。焙煎欠点(Baked=生焼け)でも同じようなフレーバーが出ますが、パーチメント臭の場合は焙煎がきちんとしていも消えることはなく、かなりはっきりとした臭気を持ちます。

Clean Cupまとめ

カップ初心者はClean、Clean Cupなどと表現するのが無難です。慣れてきたらTransparentやRefineなどと表現すると「お、こいつできるな!」って思われるかも?(#^.^#)

ネガティブで使われる用語はGrassy, Roughかな?枯れているコーヒーに対してStrawy, Woodyは良く使われます。Earthy、Astringentは結構程度のひどいネガティブですね。間違いなくスペシャルティークラスではありません。なおこれ以上に該当するAshy、Moldyなどは欠点に相当するのでよっぽどひどいコーヒーにあたらない限りはお目にかかりませんねー。

Sweetness

またCOEのマニュアルから見ていきます。

(ポジティブ)

  • Ripeness (熟度)
  • Sweet (甘い)

(ネガティブ)

  • Green (青い)
  • Undeveloped (未発達)
  • Closed (閉じている)
  • Tart (すっぱい)

こっちもなんか変な描写だな・・・?ポジティブから行きます。

“Ripeness”は熟度という意味なので、“Ripped”もしくは“Well Ripen”と言った方が適当だと思います。“Sweetはそのままですね。

んじゃネガティブ。

“Green”は未熟で甘さが少ないことを指します。“Undeveloped”も同じような意味ですね。でもあんまり使わないなー(生豆由来ではなく焙煎が失敗してフレーバーが出てないときによく使われます)・・・・。“Closed”はおそらくワイン用語で、熟成(熟度?)が足りなくてフレーバーが開いていない状態を描写していると思います。この表現もコーヒーではあまり使われませんね。“Tart”はすっぱいという意味なので、このカテゴリーではなく次のAcidityやBlanceの項目で扱われるのが適当だと思います。

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では前回とりあげた用語(+α)を見てみます・・・。

(ポジティブ)

Sugarcane, Brawn Sugar, Caramel, Vanilla, Toffee, Cocoa, Chocolate, Cacao, Marshmallow, Molasses, Maple Syrup, Honey, Toffee, Sugar Sweet, Vanilla, Marzipan, Gingerbread, Nougat, Butterscotch, Fudge, Licorice, Honeysuckle,

(ネガティブ)

Bitter, Burnt, Metallic, Smokey, Green, Unripe, Salty, Nut/Nutty(Peanut),

ではポジティブから。

ほとんど“Flavor”と表現が共通していると思いますが、主に甘さに関連の強いものをピックアップしてみました。

“Sugarcane”は砂糖キビ、“Caramel”はカラメルフレーバー(いわゆるソフトキャンディのキャラメルじゃないですよ)です。Cocoaは飲み物での上品なチョコレートフレーバーですね。いわゆる”Chocolate”は”Milk Chocolate”、”Dark(Semi Sweet)Chocolate”で苦みと質感が変わってきます。発酵臭がより強くなると”Cacao”とかCacao Nibとういうように表現してもいいと思います(Bean to Barも流行ってるしね)。Marshmallowはゼラチンのお菓子なのでふわりとした質感のある甘さですね。

“Molasses”は糖蜜という意味ですが、日本だとなじみのない食品です。黒糖が近いな?とも言えますが、独特な臭気を持つ甘さです。ちなみに“黒糖”は英語表現がないので“Brawn Sugar”を代用に使うことが多いです。

“Toffee”はバターと砂糖などから作るハードキャンディー。“Fudge”は練乳の砂糖菓子、“Marzipan”は砂糖菓子の造形でよく使われるアーモンドと砂糖を練った物。“Licorice”はカンゾウにアニスオイルを添加したお菓子。“Nougat”は砂糖と水飴の練り物にナッツ類を混ぜたものです。

“Honeysuckle”はスイカズラ(語源は“吸い葛”だって。英語も“蜜を吸う”だから同じ意味だね)という花です。

・・・上記以外はまあ聞きなじみのあるフレーバー表現ですかね(MapleとかVanilla他・・・)。

ではネガティブ。

“Bitter”は苦みですが、甘さと相克関係にあるので、あまり苦みが強くなると甘さを棄損していきます。“Burnt”、“Metallic”、“Smokey”はコゲなので、焙煎等によって生じた苦味とエグ味。

“Green”、“Unripe”は未熟による甘さの不足を意味します。”Nutty”も同じで熟度が低いことをさします。特に”Peanut”は未熟豆のフレーバーになるので、同じナッツ類でもポジティブに表現するのであれば”Almond”とか”Cashew Nut”といったような表現を用いる必要があります(ちなみに”Nutty/Nuts”は英語のスラングで”頭おかしい”という意味なので(We are going Nuts=はっちゃけようぜ!!)海外で使う場合は”Peanut”と具体的に表現したほうがいいです・・・)。

“Salty” は塩味なので通常はネガティブですが、”Salty Caramel“とか割と最近のお菓子の表現を行えばポジティブにできなくもないです。

Sweetnessまとめ

Sweet、Very Sweet、Honey、Brawn Sugarなどがオーソドックスな表現。Aftertasteと合わせて描写することもあります。特に甘さが印象的な場合はSugar SweetやSuper Sweetとか言ってもよさそうですね(“和三盆”なんか国際的に知名度があったなら日本人としては使ってみたいですけどねー)。

またCaramel, Chocolateは頻繁に使用される単語なのでこれらも使いやすい表現です。Toffee、Fudge、Ginger Bread、Butterscotchなどはアメリカ圏の人が使うことが多いかな?Licorice、Nougat、Honeysuckleも海外ではよく聞く表現ですね。個人的にはスイートコーン的なものを感じるコーヒーにCorn Syrupとか使いますが、これは一般的ではありません(あは)。

ネガティブに関しては熟度が低いことを表現することが多く、GreenやUnripeもしくはLow Sweet等が用いられると思います。しかし、そもそも甘さに関してネガティブな表現を行うこと自体が少ないですね(わざわざ甘さが弱いことを表現しない)。

・・・Licorice、Nougat、Honeysuckleとか言えたらちょっとかっこいいですが、日本でやると他のカッパーから「玄人ぶりやがって・・・」と白い目で見られそう・・・。(;゚Д゚)

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とりあえず今回は冒頭の2項目を細かく見ていきました。次回はAcidityとMouthfeelですね!

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酸いも甘いも噛み分けた大人!( ゚Д゚)

・・・まだまだそう言える立場にないのう・・・。

でもせめて・・・貴女の甘さは噛み分けたい!!

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・・・・変態断罪!!(-_-メ)