こんちはー!こーひーファナティックみかみです。
今日は前回に引き続きスペシャルティーコーヒーのお話。
前回は定義のお話でしたが今回は具体的に何がスペシャルティーにあたるのか。
それについて考えてみたいと思います。それではいってみよー。
ずばり・・・
スペシャルティーコーヒーとは・・・
カップ評価(テイスティング)で80点以上の物をスペシャルティーコーヒーとして認定しています!
以上!
おお・・・なんと単純明快!
これにて解決!
皆様今後もスぺシャルティーコーヒーを宜しくお願いします!
さようなら。
・・・というわけにもいかないので、詳しく説明します。
とりあえずスペシャルティーコーヒーの味覚評価にはSCAA式とCOE式があります。
スペシャルティーコーヒーを認定するうえで一番認知されているのはSCAA(Specialty Coffee Association of America)とCQI(Coffee Quality Institute)が認定する、Q Graderでしょうか。昔はSCAA Cupping JudgeとQ Graderの二種があって、Qの方は主に生産国側にデザインされた資格でした。いまはQのみに一本化してますかね。その要項は以下の通り。
- Objectively assess coffee quality
- Identify, quantify and articulate coffee characteristics
- Detect coffee defects
- Communicate coffee characteristics using common industry terminology
(日本語訳)
- 客観的にコーヒーの特徴に接する
- コーヒーの特徴を認識、定量化、そして明確化させる
- コーヒーの欠点を特定する
- コーヒーの特徴を業界一般の用語を使用して他者とコミュニケーションする
Q Graderは以上の能力を有するものと理解される。
ですって。
まあこの資格を取得するには1週間くらいの合宿(ほぼ合宿免許に近い費用と日数かな?)になります。またSCAA(いまはSCAか?)認定のラボでないと受講も試験もできません。詳しい内容は割愛しますが、Green Grading(生豆鑑定)、Tasting(糖、酸、塩の3種類の濃度の違う水溶液の分類実技)とか色々あります。
そしてこの認定されたQ Graderが3人集まり、80点以上と認定するとそのコーヒーはQ Coffeeという認定書がつき、オフィシャルなスペシャルティーコーヒーになります。そして認定対象のコーヒーのロットサイズは1ロットにつきなんと300袋!・・・ワンコン(1コンテナ)やんけ!
ということで全然マイクロロットじゃありません。極端なこというとボリュームの大きいハイコマーシャル、プレミアム品に近いものでも3名のQ Graderが認定しちゃうとスペシャルティーになっちゃいます。(確かこれは今も変わらんと思うけどもし違ったら教えてね)
まあいろいろ問題はあるのですが、生産国にもっとも普及しているのはSCAA式で、CQIが監修しているので一番テクニカルかつ定義付、仕組み、用語も事細かに設定されています。国際的なコーヒーの資格では実質これが一番しっかり作りこまれてるかもしれませんね。
それではコーヒーを定量化し点数付を行うツール=SCAAカッピングフォームを見てみましょう。
あ、今回はカッピングプロトコル割愛します。すんげー細かく決まってるので、それはまたの機会に・・・・。とりあえず、8.25gの粉に対して約93℃の150ccのお湯を注いでカッピングします。(これもまたの機会におべんきょしましょうね♥)(強弱、欠点等も今回は割愛!)
・・・・あ、やべ、これ絶対長くなる・・・・
わしの悪い癖や・・・。
まず点数ですが、10項目あるので、仮に80点のスペシャルティーになる場合は各項目平均8点がスペシャルティーの基準点になる感じですかね。ちなみに各項目点数と評価の関係は以下のとおり。
Good 6~6.75
Very Good 7~7.75
Excellent 8~8.75
Out Standing 9~9.75
なお各項目は以下の通りとなります。
Fragrance/Aroma 香り。フレグランスは粉(ドライ)。アロマは液体と接触した時(ウエット)の香り
Flavor フレーバー。Taste(味)とAroma(香)が融合した味覚。有機酸や芳香成分,アミノ酸。“香味”という人もいますね
After Taste 後味。液体を吐き出した後の余韻。一般に余韻がきれいで長いと良いとされますが、短くても質が良ければ好評価。
Acidity 酸味。クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等もありますが、酸味の質、印象についての評価
Body 質感。Mouthfeelともいいます。いわゆる口当たり。軽い、重い、なめらかさ等の評価
Uniformity 均一性。ボックス項目(後で説明します)1検体5カップをテイストするのですが、それらの一貫性を評価します。味のばらつきがないかどうか
Balance バランス、各評価項目の味わいにバランスがとれているかどうか?ハーモニーがあるか
Clean Cup カップのきれいさ、Clarityという人もいます。ボックス項目。5カップ中にきれいさを阻害しているカップがあるかどうか
Sweetness 甘さ。ボックス項目。5カップ中、甘さに問題(どんな問題??)があるかどうか
Overall 各評価項目の統合評価。テイスターの若干の個人的な好みや意見を反映してもよいともいわれています。
*もっと勉強したい人はSCAAが教材として販売してる”The Coffee Cupper’s Hand Book”を参照してください(むずかしい英語ばっかりだけど・・・げへへ)。
なお上記でボックス項目となっているところは、何か問題があった場合、1カップごとに-2点の減点になっていくのですが、ほとんど均一性を見ているので、ばらつきがなければ通常満点になります。昔は10点項目だったのですが、なぜか簡略化されました。これによりSCAAのカッピングフォームはTop of Top、つまり最高のスペシャルティーを評価するよりも、おおざっぱにコマーシャル(一般品、Commodityともいう)とスペシャルティーを分けるのに適していると考えている人が多くいます。
どういうことか?というと、先ほど各項目8点がスペシャルティーの品質としての平均点と言いましたが、ボックス項目はたいていの場合満点になるので、(Uniformity, Clean Cup Sweetness)10点×3 = 30点がほぼ保障されます。そうするとそのほかの項目が8点の場合、標準的なスペシャルティーのクオリティーをつけようとするといきなり86点になってしまいます。スペシャルティーボーダーラインは80点なので、これは逆に考えるとスペシャルティー平均に満たない項目が6点分あってもスペシャルティーコーヒーに認定されてしまうということになります。場合によってはロットサイズの大きい(数量の多い)ハイコマーシャル、プレミアムグレードもスペシャルティーに認定される確率が上がります。
(厳しく、細かくつける人はボックス項目をあえて減点したりしてるんですが、点数調整がめんどくさいですね。またこういう人は少数派・・・)
つまり認定のラインが甘くなったということです。なぜこの変更を行ったのかは定かではないのですが、こうしたことから、生産国、消費国でもより高品質のジャッジングに適したCOE方式を採用するところもあります。ただ高得点になりやすいので、自分のコーヒーを良く見せたいときはSCAA式を採用するといい宣伝なるかもね!!
とりあえずSCAA方式はこんなとこかなー?
詳しい点数のつけ方、コメントはまた別の機会にしましょうかね。
次回はCOE方式に行きたいと思います。
スペシャルティー(S)コーヒー(C)は、あなたの(A)愛(A)!
まあ♥・・・こんなこと言ったらイチコロだよー・・・もー♥ ♥ ♥
・・・ってイチコロなのは俺か!! うひょい