こんにちはファナティックみかみりょうです。
Espressoより自分の気持ちをExpressしたい今日この頃です(意味不)
スターバックスが登場するまでコーヒーにエスプレッソという飲み方があるとは全く知りませんでした。当時は日本にはあまりなじみがなかったので、その量の少なさにお客さんが怒ってしまったこともありました・・・(なつかすぃ)。
カフェラテ、モカなどのエスプレッソ系ドリンクのコアになるので今では大変重要な飲み物になりましたね。
でもよほど好きな人じゃないと単体であんまり飲まれないかもしれませんね・・・。味強いし、量少ないし・・・・。
それでも好きな人は大好きなEspresso。
というわけで今一度エスプレッソが何なのか復習してみました。
ちなみにマキネッタなどのモカエクスプレスで抽出するコーヒーは厳密にはエスプレッソとは言いません。イタリアでは“モカ”といわれていて、主に家庭で楽しまれてます。(エチオピアのコーヒーも“モカ”だし、チョコレート味の“カフェモカ”もあるしややこしいね!!)
Espresso
もともとはイタリア発祥の飲みものです。汽車に乗る労働者向けに提供されたものだったと勉強したような・・・?急いで飲む必要があったので、すぐに抽出できる方法として開発されたとかなんだとか。・・・でもそんなに無理してすぐに飲む必要もないような気もするけど・・・。今のイタリアはそんなにせっかちなイメージないですけどね。てへ。
ESPRESSO ITALIANO
http://www.espressoitaliano.org/files/File/istituzionale_inei_hq_en.pdf
イタリアのエスプレッソを認定している団体です。ちなみにこのロゴマークを飲食店が使用するにはちゃんと許可を得ないといけないみたいですね。使用するコーヒーのブレンド、マシンやグラインダー、バリスタの4つのカテゴリーの品質試験で認証されたものに限るとのことです。
また味覚審査のSensory Testもあるみたいです。
なおこの“Espresso Italiano”の認証ではエスプレッソのレシピがかなり厳密に定められています。
レシピ(1カップのデミタスに対してだと思います。つまりシングル)
- 使用するコーヒーは7g±0.5
- 湯温(Unitってかいてあるから抽出湯温かな?)88℃±2
- 抽出気圧9bar±1
- 抽出時間25秒±5(お、結構幅あるな・・・)
- 45℃での粘性1.5mPa.s以上(秒あたりの圧力をあらわす単位なんだ。ふーん) https://www.tacmina.co.jp/library/coretech/288/
- 油脂量2mg/ml以上
- 1カップ当たりカフェイン100mg以下
- クレマを含んだ体積25ml±2.5
おお・・・結構細かいな。
これは伝統的なイタリアのスタイルですね。
でも実際にバールに行くと意外とワイルドなオペレーションだったりするので、結構店によってばらつきがあるように思います。
・・・ん?・・・なんかこの内容昔に書いたことがあるような・・・?デジャビュ??
〇タルFB時代にちょっと書いたかもしれませんね。
コーヒー豆は基本深煎りで普通ロブスタ種を配合するのですが、北に行くほど煎りがやや浅くなり、アラビカの配合率も上がったように思います。ちなみに有名なillyのブレンドにはロブスタ入ってません。
World Barista ChampionshipでのEspresso
World Coffee Eventsが主催する、おそらく最も世界的に認知されているバリスタ大会でのEspressoの定義を見てみることにすますた。最新の2019年度では・・・。(あ、なんか定義の行数多いな・・・)
- Espressoは、ダブルポルターフィルターの片方から得られる、1つの連続した抽出(抽出ポンプ1回起動ということ)による、1オンス=約30ml±5mlの挽いたコーヒー豆の粉から作られる飲み物である。(つまり1ショットってことね)
- コーヒーはコフィア属に属する植物の果実の種子を焙煎した物体の集合体である(集合体!!)
- コーヒーにはいかなる添加物、つまり風味、着色、香料、香り付けに使用される物質、液体、粉体等、その他様々な種類の物質を、コーヒーの実が収穫されてからそれが飲み物として抽出されるまでのいかなる時点においても添加してはならない。なおコーヒーの育成、栽培または生産処理の初期に使用される物質は許容される。例えば肥料等
- 焙煎されたコーヒー豆はブレンド、単一地域の物、単一国の物、単一農園の物などが該当する
- “ここは提供時のルールなので割愛します・・・。”
- エスプレッソは機械から抽出温度摂氏90.5~96度=華氏195~205度の間で抽出されなければならない
- エスプレッソマシンの抽出圧力は8.5~9気圧の間でなければならない
- “ここはショット間の抽出秒数の項目なので割愛します”
- クレマは破綻なく、提供時に存在しているものとする
- エスプレッソは60~90mlの容量で支障なく飲める容器で提供されなければならない(一部点数の説明なので割愛)
- “ここは付帯品の項目なので割愛します”
- 挽かれたコーヒーの粉と、水以外はポルターフィルターの中に入れてはならない
結構これも細かいね・・・でも数値的なものは少ないかな。
一応定義づけされていますが、特に抽出量は最近少ないものが多く、これについては特に罰則はないです。抽出時間も特に制約はなくなりました。
あまりルールで縛ると将来の味の発展性がなくなるので、だんだん許容範囲が大きくなりましたね(ミルクビバレッジではミルクの使用量の上限のみが240ccに設定されましたが、かなりレンジが広くなりました)。上記エスプレッソの抽出量もあくまで“推奨”です。
今のところ大体、20~23g位のコーヒーで40~45g(体積:mlじゃなくて重さです。ショットグラスで見るとちょっと多めに見える)を抽出するバリスタが多いのではないかと思います。(まあ今後もいっぱい変わってくると思うけどね)
RDC(Roast Design Coffee)でのエスプレッソ
ファナティックも上記WBCに連なる、Japan Barista Championshipに長らく審査員として参加していましたが、いろんな変遷がありました。昔はクレマの色と粘性が評価項目になっていましたが、今はなくなり、クレマがあれば1ポイント、ブレイクしていれば0ポイントくらいの評価でしかなくなりました(クレマのためにテイストを犠牲にしてはならないということですかね)。
また生豆の商社にいたので、基本的にはカッピングのサンプルをそのまま抽出することもありました。
そうしているうちに、いいフレーバーと明るい酸があればそれでいいんじゃないかと思うようにもなりました。クレマも単体でテイストすると結構苦い灰汁なので以前からちょっと疑問に思っていたこともあります。
著名な世界的バリスタでもクレマ不要論を唱える人もいたりしましたね・・・。
メーカーサイドに目を向けると、有名なLa Marzocco社は抽出圧力や温度がマニュアルで操作できるマシンを開発し、大会とはまた違った独自の路線で進化を遂げています。
ということでRoast Design Coffeeでは以下の方針で味づくりをすることにしました。
- 特にエスプレッソ用の焙煎を行わない
- フレーバー、明るい酸重視
- エイジングは翌日であればOK!!気にしない
- クレマが薄くてもなんのその
- なるべく苦みを低減する
まず焙煎ですが、あえてエスプレッソ用に深めに焙煎することをしていません。焙煎度合いはドリップ、カッピングの時と同じです。素直にフレーバーと明るい酸がよく出るレンジでロースト(ベストポイントじゃないよ・・・あくまでレンジね♡)して抽出してます。
浅煎りなのでそもそもあんまりガスが出ません。・・・なのでエイジングは翌日以降あんまり関係なくなります・・・(それでもさすがに古すぎる豆は使いませんが。てへ♡)。加えてクレマがかなり薄いです。すぐブレイクします(うほ)。
液体の濃さ=レシピですが、あまりリストレットにすると味が強すぎて刺激的になるので、今のところレシピは粉量22gで抽出液量(投湯量じゃなくて出来上がり)が45g程度をターゲットにしています。
そしてメッシュですが、とりあえず抽出秒数を無視してまずはフレーバーが十分出るメッシュまで細く挽きます。上限は粉がダマ(Crump)にならないところですかね(EK43を使用してます)。ダマになってしまうと、お湯が粉全体に行きわたらないで特定の経路で流れてしまうチャネリング(Channeling)が発生してしまうので、それ以上細かくするのはちょっと無理がありますね。そして細挽きの上限から少しずつ粗くして苦みを落としていき、できるだけフレーバーと酸が割ときれいな感じで残るところまで調整します。
この後は抽出温度を下げてみて、フレーバーを失わない範囲で苦みがどの程度軽減されるか調整します。あまり下げすぎるとフレーバーが弱くなってしまうので気を付けます。RDCは90℃を一応ターゲットにしてます。
苦みはエスプレッソにおいては必要なものとされてますが、やはり低いに越したことはありません(フレーバーと酸をマスキングするからね・・・)。できれば味の対比効果(過去ブログ参照)が得られる程度くらいまで低減したいですけどね・・・。
最後に抽出圧力を調整します。RDCのコーヒーは浅煎りでガスが少なく、また湯温が低いので抽出時間がかなり短いです。さすがにあまりに短すぎると抽出不足=Under Extractionになる上に質感がペラペラになってしまうので、うちでは6気圧に下げています。本当はもっと下げたいのですが、Black Eagleではこれ以上下げられません(うぽ)。まあ基本的にNueva Simoneriのマシンは系統的に抽出秒数が早いタイプなんですけどね・・・。これ以上はもうレバー式マシンに行くしかない(原点回帰か!?)・・・。
あ、最新のレバー式もあったか
La Marzocco
https://international.lamarzocco.com/en/machine/leva-x/
(・・・これ小柄な女性バリスタは手が届かないぞ・・・)
個人的には抽出状況見ながら圧力を変えられるレバー式(手前に倒すときに圧がかかるタイプ)はなかなかいいんじゃないと思ってます。自宅ではPavoniで遊んでますが、液体の出方をみてレバーの倒す速度を変えれば、抽出時間もコントロールできるのでなかなか楽しいですよ。これで湯温のPIDついてたら言うことなしでした。
La Pavoni
(ファナティック曰く・・・その日最初のショットがその日最後のベストショット也)
そうして出来上がったエスプレッソは印象的なフレーバと酸が凝縮されたコーヒエキスになります。気になる抽出時間(さっき気にしないっていったのにね)はなんと14秒!!早や!!これだけ早いとラテなんかで同時スチーミングできないね(涙)。
抽出時間が早すぎてBlack EagleのGravimetric(抽出重量を検知して自動的にポンプを切ってくれる機能)がちゃんと機能しません・・・。いつも3g位多く出る(汗)。
スパウトから流れる液体はまるで滝のようですね。もう“ハ”の字ですよ・・・ハハハハハ。昔スタバでは“蜂蜜を垂らすような速度で”って教わったのにね・・・。なかなかこの恐るべき抽出に今でも慣れませんね(うわぁぁぁぁぁぁぁ)。
・・・あ、ちなみにレギュレーションでマシンの抽出圧力は変更できないし、日本のJBC予選では抽出温度も変えられないから、大会基準でみるとRDCのエスプレッソは自動的にアウトです(あべし)。残念!!
すっぱいの苦手な人はRDCのエスプレッソはちょっときついかも・・・。でもフレーバーはしっかりしているから、コーヒーのフレーバーをガッツリ楽しみたい方は勇気を出して飲んでみてくださいね♡。うちはダブルショットで提供だからたっぷり飲めるよ!
それから別ラインで、少し深めに焙煎してるInfusion Coffee Seriesは本当においしいよ!まるでラムレーズンチョコみたい・・・♡。ぜひうちでBourbon Whisky×Yirgacheffeのエスプレッソ飲んでみて!(¥50アップだけどね♡)
うちに限らず自由な発想でエスプレッソ抽出しているロースターさんはいっぱいあるから固定概念をとりあえず取り払って、ぜひいろいろ試してみてくださいね!!
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絞られても・・・
圧力をかけられても・・・
愛があれば耐えられる!!
愛(I) need Espresso.
ぷしゅーーーーーーーーーーーー♡