こんにちはCoffee Fanaticみかみりょうです。
最近ブログの執筆者が奥さんなのか、私なのか、ちょっとわかりづらいというご意見をいただいたので、これからフルネームで表示していくことにしますです。
このままだと、うちの代表がいつも変なこと口走っているとだと思われてしまうので・・・(むふふ)。
今日は味覚の感じ方について考えてみます。
いままで散々、抽出不足Under、抽出過多Over等、“味の出方”“味のバランス”なんかについて話してきましたが、ちょっと今回は違った視点から見てみます。
ではいってみよー。
舌の味蕾について
みなさん一度は下記の絵を見たことがあるかと思います。味覚地図ってやつ?
舌の先端が甘味で端っこが酸味を感じる・・・。みたいな。結構有名ですよね。でも実は、これはもう・・・正確な科学的事実ではないと言われています。
最近の科学的見地では、舌の特定の部分が味を感知するのではなくて、舌に無数に分布している“味蕾”が感知しており、単独の味蕾一つで、甘味、酸味、苦味等の全ての味が検知できているのだそうです。
味と言えば以下の5つが代表的な物ですね。
- 甘味
- 酸味
- 苦味
- 塩味
- 旨味
最近は“旨味”も国際的に認知されてきましたね。
味を感じるメカニズムとしては、溶質した食品の分子やイオンが舌の味蕾に触れることで人の脳が味を感じるという化学的仕組みです。(あ、また分子とか出てきたね)
味蕾は様々な味を検知する数種の受容体で構成されており、甘味の受容体は甘味物質をキャッチして人に“甘さ”を感じさせ、塩味の受容体は塩味物質をキャッチして“塩味”を感じさせています。
ただ受容体のキャパシティーはある程度の限界があり、例えば酸味の物質を多く摂取すると、酸味の受容体は一杯になってしまい、行き場を失った酸味物質は他の受容体、例えば苦味の受容体に無理に入り込んでいくことがあります。そうすると物質は酸なのに苦味の受容体に検知されるので苦味を感じたりします。
Roast Design CoffeeでいうとEthiopia Gujiの水洗式コーヒーは、一番酸のボリュームが多くて明るいのですが、実はこのコーヒー、浅煎りなのに特徴的な苦味を感じます。
結果としてこの渋味に似た苦味がグジのフレーバーと合わさって“レモンティー”のような味になっているので、このままにしていますが、もしこの苦味が気になるようなら、さらに浅く焙煎するのではなく、もうちょっとだけ深めに焙煎する。もしくは酸を弱めるような抽出をすると苦味が低減されます。
面白いですねー。ふつう苦味は焙煎で増大されますが、反対のアプローチで苦味を抑えることもできるのですね。もちろん生豆由来のクロロゲン酸も苦味あるので、煎りを深くすることでクロロゲン酸が減るという事もありますが、大抵の場合は焙煎の方が影響大ですね。
他の例だと、例えば豚汁なんですが、旨味を増やそうと思って、かつおやコンブ出汁をとってしまうと、豚肉、みそ、野菜、その他の副材料の持つ旨味の総量が多くなりすぎて、味蕾の旨味受容体のキャパを越えてしまいます。そうするとこれも苦く感じてしまう事があります。なので豚汁の場合はあえて出汁をとらないで味のバランスを取る。なんていうアプローチもあるのです。
あ、あと特殊なケースだと“ミラクルフルーツ”ってのもあるみたいね。
https://www.olive-hitomawashi.com/column/2017/12/post-1004.html
カップの形状
良くワインは、ワイングラスで飲まなきゃダメ!と言われますが(コップじゃダメとかね)、これもきちんとした理由があります。実は人の感じ方のメカニズムを研究した上で形状が設計されてるんです。
ワイングラスのメーカーだとリーデル社が有名ですね。
リーデルは様々なお酒や嗜好飲料を、品種や地方の特徴から生ずる味覚プロファイルごとに分けて、グラス形状を数多くデザインしています。
対象の液体によって無数の形状があるのですが、例にとってワイングラスの代表的な形式だとボルドータイプとブルゴーニュタイプですかね?ボルドー型は縦長な形状。ブルゴーニュ型は腰が張ってグラマラスで淵に返りがあります。実はこれ、ちゃんと意味があってこの形になってるんです(知ってた??)。
*前提として、注ぐ液量はだいたいグラスの容量1/4位です。香りを確認できるスペースを残しておきます。
基本的にボルドータイプのワインはボディーが強く、タンニンも味もがっしりして重厚なものが多いです。こうしたものを長く口の中に入れていると、舌が疲れて味が分かりにくくなるし、味わいも印象も重々しいものになってしまいます。
ボルドー型のワイングラスはグラスにあまり傾斜がついてないので、傾けた時に液体の流れが速く、口に含んだ時に舌の中ほどに落ちやすくなっています。そうすると液体の口内での広がりはやや少なく、飲み込むまでの時間が少し短くなるので、味の重たい液体をすっきりした印象に近づける作用が働きます。
逆にブルゴーニュタイプのワインはボルドーに比べてやや繊細かつ酸が少し強めに感じられます。軽く繊細な液体は短い時間で口内を通過すると、味わいが分かりづらく印象が弱くなってしまいます。なのでブルゴーニュ型のワイングラスは腰を張らせることで液体の流れを遅くし、また淵に返りを付けることで、舌先付近に液体が落ちやすいように設計されています。そうすると口内の液体の広がりと滞留時間が増えるので、繊細なワインでもしっかり味わうことができるのです。
またそれぞれの形状は香りにおいても考慮されており、傾斜の浅いボルドー型は香りが素直に上に立ちます。ボルドータイプのワインは、香りも力強いので変に傾斜をつけてグラス内部にこもらせると重々しいからです。
ブルゴーニュ型は腰が張っているので香りが中にこもりやすくなっています。ブルゴーニュタイプのワインは香りもボルドーに比べて繊細なので、じっくりと香りを楽しめるようにこういう作りになっています。逆に傾斜が浅いと香りが揮発していくので、印象が弱弱しくなってしまうのです。
また大きなグラスは飲むときに鼻全体がグラスの口の中に入ります。十分に香りを堪能できるので、大げさではなく、大きいグラスが好まれるのはこういう理由もあります。(コーヒーは熱い液体だから蒸気でむせるよ。気を付けてね。・・・まあ、あんまりやる意味ないか)。
白ワインは少し冷やして、すっきり、さっぱり飲む事が多いためか、赤ワインに比べるとグラスはストレート基調で小ぶりですね。あんまり液体を口内に滞留させない。
デザートワインなんかは通例かなり小さなグラスで飲むことが多いですけど、もし甘ったるいワインを大きなグラスで飲んだら液量が多くて、くどくて、しんどいですね(ぐえええ)。同様なことはグラッパ等の蒸留酒とか強いお酒にも言えそうですね。(少量をちびちび時間かけて味わうのはまさに至福・・・♡)
こうしてみるとやっぱり、液体の種類や状態によってグラス形状が変わる必然性があるのもうなずけます。
上記の形状による作用は当然コーヒーとそのカップでも同じことが言えるので、いろいろ試してみると面白いですよ!(でも火傷に気を付けてね)
また補足ですが、カップの淵も薄い、厚いなどいろんな種類があると思いますが、淵が厚いと人間の舌や唇が錯覚して、質感を強く感じる傾向があります。なのでボディーが弱いコーヒーの質感を向上させたい場合はカップの淵を厚くすると満足感が得られます。ただ同時に液量が少なくなるので、味が分かりづらくなるかもしれません。その場合はカップ口径も大きくした方がいいでしょうね。
もっと知りたい人は下記のリンクがお勧め!!
RIEDEL
ただ気を付けたいのはまず味を確認した上でグラスやら、カップを選ぶということです。エイジングが効いたボルドーワインは繊細さを増して、酸が少しはっきりする場合もあるので、その場合はブルゴーニュグラスとかがいいかもしれません。
白ワインもムルソーなんかの重厚な奴は赤ワイン用のグラスで飲んでもいいかも!(逆に重さを堪能・・・)
コーヒーだと、少しくどいナチュラルのコーヒーは深さのある口径の小さい薄いカップで飲んでみたら、印象が変わるかもしれません。
フレーバーが繊細なコーヒーは口径と深さが共に大きめのカップで、半分くらいの量をそそぐと、アロマとフレーバーがとりやすいかもしれません。
とにかくまあ、繰り返しですけど、しっかりテイスティングした上で、その飲料の味の感じ方を器で変えてみる・・・。すると新しい発見があるかもかも!?
器は見た目だけじゃないのよ♡。うふ。
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この世にはきっとあなたを引き立ててくれるダーリンがいるはず!!
恋の味蕾しょーっく!!!!!
ちゅどーーーーん♡