ペアリング・ファナティック三神です♡
別にマッチングサイトの運営をしている訳ではありませんが、今回はフードペアリングについて書いてみたいと思います。
(カッピングのFlavor項目は膨大すぎて、ちょっと勇気いるのでも少しまってね♡)
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まあ・・・たいていのお菓子にコーヒーは合うとは思うのですが、ペアリングを厳密に考察するケースはそんなにないですかねー?個別にお菓子にコーヒーを合わせていって、よさそうに感じたものをお勧めしたりするのが一般的でしょうか?あんまり難しくすると気軽に楽しめないですからねー。
コーヒー業界の先輩のワイン業界ではペアリングのことを“マリアージュ(結婚)”とちょっとロマンティックな言い方で描写しますね(きゃ♡)。
まさに字のごとく、相性が合わさった時には結婚した位ぴったりな感じになります。
ただまあ・・・いきなりコーヒーとお菓子を合わせてみても突然すぎてとっかかりがないので、ちょっとそのサポートがてら(結婚相談所じゃないですけど♡)合わせる手順を考えてみたいと思います(マッチングアプリ・ファナティック)。
そもそも味わい方が全然違う!!
・・・いきなりよくわかんない見出しだと思うのですが、実は我々は日本人(書いている人が日本人)だからこそ最初に気を付けなければならないポイントがあります。それが味わい方です。
日本的な居酒屋さんなんかだと小鉢が数点出てきて日本酒をちびちび飲んでいるスタイルが一番ぴんと来るかもしれません。ティータイムだとお饅頭やおせんべいに緑茶等みたいな・・・。そんな感じですよね。
実は日本人はその文化的背景から個別の食品のキャラクターを重視した味わい方を知らず知らずのうちに行っています。
どういうことか?というと例えば日本酒は辛口が好まれることが多いですが、小鉢を食べて飲み込んだ後にお酒を飲んで口の中をリセットすることで、複数の小鉢の味を改めて楽しむことができるようなスタイルになっています(ちょっと口の中を洗うみたいな・・・)。
小鉢を行き来することで各食材の味とお酒の味が対比され、日本酒そのもののキャラクターも分かりやすくなるといった働きがあります。
それぞれの特徴や良さを対比させることで際立たせるのが“日本的なフードペアリング”といっても過言ではないと思います。
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対して西洋的なワイン的な文化では、食材を“咀嚼中に飲み物を口に含む”のが特徴です。
料理やお菓子に飲料のキャラクターを追加していく楽しみ方なのです。もちろん食材を飲み込んだ後に液体を飲むことも多くありますが、基本的なペアリングでの楽しみ方に大きな違いがあります。
食材の味覚体験に飲料のキャラクターが合わさることでシナジーや相乗効果を狙っていくのが西洋的なペアリングアプローチ、すなわちマリアージュです。
日本的な楽しみ方だと料理と飲料は対照的な関係になりやすいと思います。重たい食材には淡麗さっぱりした辛口。軽くてたんぱくな料理には少しまろやかで甘さがあるような日本酒を合わせると対比がはっきりしてお互いのキャラクターが分かりやすくなると思います。
しかし西洋的なペアリングだと、料理の味やキャラクターをそろえていくのが原則になります(牡蠣シャブリみたいな例外もありますけどね)。
という事で今回は西洋的な視点からのペアリングのセットを見ていきたいと思います!ここではテーマとなる食材にコーヒーをセレクトするといったアプローチにしたいと思います(もちろん反対のアプローチでもいいよ)
【其の一】まず質感の強弱を合わせる
軽めのフルーツタルトやゼリーにはライトボディーのコーヒーを。
重めのチョコレートやチーズケーキにはフルボディのコーヒーを合わせます。
質感や濃さ、味の強さが違いすぎると食材、コーヒーどちらかのキャラクターが打ち負けてしまいます。
質感の強弱についてはコーヒーの生豆本来のキャラクター、焙煎、抽出方法が関わってきますね。基本的に重たいお菓子には・・・
- Mouthfeelの強い(もしくは特徴のある)豆をセレクトする
- 煎り度合いの進んだ(Developmentが進んだ)焙煎をセレクトする
- 意図的に質感を強める(もしくは特徴を出す)抽出を行う
上記三種のアプローチが関わってきます(軽いお菓子に対しては全て反対になる)。いずれかだけでもいいし、全部組み合わせてやってもいいと思います。
まず①ですが、質感が強めだと例えばKenya、Brazil、Bolivia、Indonesia等のもともとボディーがしっかりしやすいオリジンを選択するか、生産処理でNaturalやHoney等の物を選択するか、カッピングを通してMouthfeelに強さあるいは特徴がはっきりしている豆を探す等が挙げられます。
そして②の場合、ヘビーなチョコレートケーキなんかだと、Full Cityローストのコーヒーを持ってきて、ビターさ加減も同時に合わせていく事ができますが、浅煎り主体のサードウエーブ系だとそれができないので、Mouthfeelの強いコーヒーを探すか、抽出でコントロールする必要がありますね。
最後の③、抽出だと豆の量を増やしてTDS(Total Dissolved Solids)をあげて濃さを出すか、やや粒度を粗めにして質感をラウンド方向に振る、抽出時間を長くしてボディーを稼ぐ等、色々なアプローチで調整する必要があります。・・・まあ一番手軽なのは濃くすることかな・・・?エスプレッソとかはかなり強いから食材に勝つことはあっても負けることはないと思います。
ちょっと試してみてください(#^.^#)。
【其のニ】次にメインの特徴を合わせる
お次は食材とコーヒーの味における特徴を一致させていきます。ざっと簡単に上げてみるとこんな感じかな?(あくまで一例♡)フレーバー、酸、甘さ等をそろえていきます。左側が食材の系統です。
- Citrus系 ⇒柑橘系のフレーバーがあるコーヒー
- Malic系 ⇒林檎系のフレーバーがあるコーヒー
- Tartaric系 ⇒酒石酸(ブドウ)系のフレーバーがあるコーヒー
- Lactic系 ⇒乳酸処理等のニュアンスがあるコーヒー
- チョコレート系 ⇒Natural/Honeyのコーヒー、ラテンアメリカ系のコーヒー、
- ナッツ系 ⇒ブラジルや一般的な中米のコーヒー
- ピーチ系 ⇒ボリビア、コロンビア、ペルーなどの南米Washed系のコーヒー
- ベリー系 ⇒ワイニーなNatura/HoneyやAnaerobic等のコーヒー
- トロピカル系 ⇒インドネシア、Pacamara種等のコーヒー
- 紅茶/スパイス系 ⇒エチオピア、イエメン、もしくはGeisha等のエキゾチックなコーヒー
原則は酸とフレーバーの特徴を寄せていく感じですが、それだけだと面白みがないので、キャラクターが近いもの同士をセレクトするのも良いと思います。また酸の強弱も合わせると強調性が高くなりますが、あえて酸が鈍いお菓子に酸がしっかりしたコーヒーを合わせることで、得られる味覚体験に変化をもたらすことができます(補完)。とりあえず一番最初の質感の強弱がそろっていると自由度は高くなりますね。
【例】
- モンブランにブラジルのナチュラルを合わせてナッツフレーバーを強化する
- Citric系のお菓子にTartaricなコーヒーを合わせて酸を複雑にする
- チーズケーキにCitricなコーヒーを合わせてレモンチーズケーキ化する
- 紅茶のシフォンケーキにGeisha種のWashedコーヒーを合わせてアールグレイ感を出す
などなど・・・・。
【其の三】たまには温度を変えてみる
ケーキとか焼き菓子は温かいコーヒーでいいと思うのですが、夏場だったり、フルーツのゼリーとかもしくは生のフルーツ(生のフルーツとペアリングしても面白いよ!!)だと温度差があって知覚過敏(笑)になっちゃうので、温度が低い食材にはアイスコーヒーを合わせてみても面白いかもしれませんね。
(反対にアイスクリームやシャーベットにホットコーヒーという“アフォガード的な”アプローチもありますけどね(^○^))
ちなみにファナティックがスタバ時代に衝撃を受けたのは“ケニア”と“グレープフルーツ味のこんにゃくゼリー”でした。深煎りといえどシトラスノートのあったケニアは、生のフルーツ感(ジュース?)に近いグレープフルーツ味のゼリーと相性抜群だったのです。
いやーあんときは目からうろこだったなー・・・・。
それ以来ファナティックはフルーツにコーヒー(浅煎り推奨)という新しいマリアージュの可能性に開眼したのでした・・・・(あんまやってないけど)。
【其の四】テーマやコンセプトを合わせる
味ではなく、食材とコーヒーそれぞれのストーリーや背景を合わせるといったペアリングの仕方ですね。
例えばうちのInfusion Coffee SeriesのRon×Guatemala Santa Cruzでは、アンティグアのSanta Cruzに同じグアテマラ産のラム酒Ron Zacapa 23を合わせてあります。もちろんフレーバーや味の相性も考慮して作っているのですが、ポイントは同じ生産国であること。そしてメインのテーマは“雲の上で熟成されたラムを、古都アンティグアのコーヒーに合わせる”といったちょっと雰囲気満点なものになっています(きゃ♡)。
お菓子が生まれた国の文化、思考を考慮したコーヒーをセレクトしたり、お迎えするゲストの好きなもの同士を組み合わせるなど、テーマの中でペアリングするのもとっても楽しいですね。
こんなのもマリアージュです。
【其の五】突然変異
・・・いきなり意味不明で恐縮ですが、未知数な組み合わせがあったりします。
以前に味の感じ方編②で“味覚の変調効果”について書いたかと思います。特定の食品を食べた後、次に口に含んだ食材の味が変化する効果です。
ここではミラクルフルーツの例が上がっていますが、例えばワインなんかで言うと、“牡蠣×シャブリ”なんかがいい例だと思います。
磯の香が強い牡蠣をほおばって、ドライなシャブリを口に含むと、なんと“青りんご的なフレーバー”が感じられることがあります。
牡蠣、シャブリ共に青りんごのニュアンスはないのにとても面白ですよねー!!
なおここで合わせる白ワインのシャブリはミネラル感が強く、ドライで酸がシャープな典型的な物の方がいいです(最近のフルーティーなタイプじゃなくてね)。
変調効果系のマリアージュは実際に合わせてみないとマジでわからないので、未知数ですね。いろいろ試してみるしかない!!
ちなみに変調効果はネガティブなものもあるのでお気を付けを・・・・。あとブルーチーズに蜂蜜といったマリアージュもあって、癖の強い香りを和らげるといった“抑制効果”もありますが、コーヒーやワインでは抑制効果系のマリアージュはそれほど一般的じゃないかもしれませんね。
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こんなところかな?ここまで書いといてなんですど、合う合わないは実際にやってみないとわかんないことがほとんどだったりします・・・。まあこれは人間も同じですね。付き合ってみないと相性がいいかどうかはわからないこともありますしね(/o\)。れっつとらい!!
選べるコーヒーは近くのお店のラインアップ等、ある程度の制限がかかってしまうので、あまり無理せず、上記の内容を心の片隅にとどめておいて、気軽にペアリングを楽しんでね(#^.^#)。
あ、あと・・・そのうち昔やったペアリング実験をブログにあげてみたいと思います。
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ペアリングを昔・・・
Pair Ringみたいだね♡
・・・と“一人で”はしゃいでいたことを思いだす今日この頃・・・(*´Д`)
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あべし!!