こんにちは!!こーひーファナティック三神りょうです。6/16-27日の間で、アフリカのブルンジ/ルワンダに行ってましたので、今回はちょっと真面目(文章だけね)にレポートしてみたいと思います。
もともとこのツアーは私が企画して今回が2回目なのです。
そして今回はすぺしゃるげすととして我らが伊藤先輩(ワタル輸入部次長)に登場していただきました!
それでは行ってみよー!!
【目的】
昨年も好評であったブルンジ/ルワンダ買付ツアーを今年も開催。ブルンジ至っては数か月で完売してしまったため、今年度は買付数量をやや増量しての買付を行う。
6/18-20【ブルンジ視察】
ブジュンブラ着。
到着同日中にスペシャルティー主要産地であるNgozi市へと移動。その前にIntercafe Burundi(コーヒーの官民共同出資Educational Board)にてGreetingと今クロップの作柄の説明があった。昨年240,000MTの生産が80,000MTまでドロップ。要因は昨年のビッククロップと今年の降雨の減少によって、生産量が70%減った。しかし何とかスペシャルティーのクオリティーは維持していると。
Greenco
毎年COE(Cup of Excellence)常連であったGreenco社(スイスSucafinaグループ)は本年度のCOEの出品を見送り、既存顧客への玉確保を優先している。そのため今クロップは弊社が買い付けているKibingo CWSのFWのロットが買付できない事態となってしまった。同社はミルを9つほど所有しているので、今回は別のCWSロットを確保する必要がある。
KPC(Kayanza Premium Coffee)
弊社がブルンジ最初の通常品として買い付けたBuzira(Buziraghindkawa)CWSを所有するSlum RAMADHAN氏が運営する個人オーナー会社いわゆるプライベートカンパニー。所有CWSはBuzira, Mibirizi, Sehe, Shembatiの4つ。今年は新設のドライミルを稼働して輸出をするはずだった。ブルンジではコーヒーの輸出に関して、一度得た外貨収益を中央銀行に入金してブルンジフランに換金して戻すというレギュレーションがある。KPC社は今回売り上げの一部が現時点で未回収となっており、その入金不足を政府より指摘され、操業免許を停止されている。そのため各CWSとドライミルが稼働できない事態になってしまった。今年は迂回策として、Buzira周辺地域のチェリーを買い上げ、別のウエットミルへ運搬、知り合いのドライミル、エクスポーターを仲介して輸出することになった。
今回は政府より圧力があり、同CWSドライミルへの訪問は見送りとなった。カッピングでも同社のロットは出品不可となってしまった。そのため今回Buziraのロットに関しては友人でもあるBufcoffeeのSamuel氏の計らいにより、後日RwandaのNAEB内にあるBufcoffeeのオフィスでカップを行うことになった。
今回ぼブルンジ国内アテンドはIntercafeのBoniface氏。カッピングから産地訪問まで丁寧なアテンドをしていただいた。政府からのプレッシャーを受けている彼はしきりに国内のCWSに偏りなくワタルに紹介したい。バランスを取りたいと語っていた(要は政府系農協からもっと買ってほしいという事⇒確実に政府にお金が入る)。
Cupping
NgoziのARFIC(農作物、家畜、環境を管轄する官庁)オフィスにて50ロット弱をカッピング。政府系、Greenco、プライベート、スタートアップ等をカップ。やはりクオリティーは高く、同国のレベルの高さをうかがわせる。今年はナチュラルの生産ロットが増え、素晴らしいものもいくつか散見された。特にスタートアップのKIJESCO社のNKUBAのナチュラルは一番人気。その他政府系Sojestal KayanzaのKinyovu CWS等が、評価が高かった。
翌日はお隣のKayanza市へ移動しCWSを訪問。その前にNgogi市の市長にご挨拶。
Kibingo CWS(Coffee Washing Station)
Greenco傘下。Budecaのドライミルを使用。COEで上位入賞も果たしている。今年は干ばつにより収量が25%に減ってしまった。歩留り確保のため、今年はナチュラルとハニーの生産に注力。なおブルンジのレギュレーションで、チェリーをウエットミルに持ち込む際に必ず水槽を使ってフローターを取り除き、その後ハンドピックを行ってから、重量を計量するのが義務付けられているそうだ。
Nemba CWS
Greenco傘下。こちらもCOE1位に輝いたことのあるCWS。例年250-300袋ほどのグリーンビーン(生豆)を生産しているが、今年は50袋しか生産できないと。そのためハニーの生産も止め、ナチュラルに注力。なお収穫のピークは4-5月とのこと。
Kinyovu CWS
Sojestal Kayanza所属。政府系。実は昨年も買付予定だったが手違いがあり買付できなかった。CWSは大変優良で毎年品質が良い。傘下に1000のグループの生産者が参加しているが、今年は収量減で500の農家からのみの買付となる。500MTから50MTに収量が減ったが、それでもグリーンで600袋ほどは拠出可能とのこと。
20年周期で植え替えを実施しており、健康な強い木を選んで次世代のナーサリーとして継承している。なお現在ISAVUの研究所ではGeisha種の栽培試験が実施されており、土壌適応が確認され次第、国全体に配布をする計画であるらしい。
Nkuba CWS
Kijesco社所有のナチュラル専門ミル。水洗設備がまだないのでCWSと呼称していいのか迷う。オーナーはまだ若いJoslin女氏。ご両親の遺産をなげうってコーヒービジネスをスタート。創業2年目。その内ウエットミルを建造する予定であると。その際は様々なプリパレーションを計画。初期投資があまり必要ないナチュラルから生産するのは賢い取り組みだと思われる。今年は200MTのチェリーを農家からコレクト。ナチュラルだからか、グリーンは400袋ほどになる見込み。
Kijescoは周辺農家900世帯へプレミアム+健康保険を提供することで優先的に優良チェリーを獲得。信頼を得ている。
乾燥は3週間くらいと事。今回のカップではナチュラル一番人気。バイヤーが訪れたのも我々が最初とのことで、アフリカンダンスで歓待を受けた。
Gatukuza CWS
ETS NDUWAYEZU社傘下。同CWSはNgozi県になる。プライベートで2008年より操業。年間生産グリーンは13-15コンテナで大変大きい。CWSの敷地もかなり広大である。生産内訳の60%がコマーシャルグレード。2019年よりナチュラルの生産を開始。系統的にはややプレミアムラインに近いかもしれない。
6/20-23【ルワンダ視察】
20日夜にルワンダの首都キガリに到着。アフリカのスイスというだけあって、町の発展度合いが毎年早い勢いで進んでいる。同国は1994年のジェノサイド以降、人口の分布で若年層が多く、またIT産業に力を入れたカガメ大統領の長期政権で目覚ましい発展を遂げている。知己の生産者たちに出迎えられ、翌日はルワンダ農務省NAEB内のBufcoffeeオフィスで40ロットほどカッピング。
Bufcoffee/ Samuel MUHIRWA氏
ご存知Bufのサミュエル。相変わらずマイルドな人柄。いつも多忙な御仁だが昨年よりかは電話の回数が減ったか?今年は弟のアロイスが結婚するのでおめでたムード。新しい取り組み積極的な同氏は今回も嫌気性発酵のAnaerobic等に挑戦。傘下のCWSにNyarusiza, Ubmwe, Remera, Umrageがあり、南部South Provinceが本拠地、なおUbmweのみキガリと南部の中間地点にあり、ここにDry Millがある。ついでゲストハウスも建設予定でCoffee Tourismを行いたいと考えているようだ。
3 African Sisters/ Faustin NDANGAMIRA氏
Cokoおじさんこと、North Provinceに位置するCoko CWSのマネージャー件コンサルタント。3 African Sistersという輸出業を運営。大変情熱的な御仁で、感情が高ぶるとちょっと何を言ってるかわからなくなる時がある。品質の話になると話が長い。Cokoは農協でFustin氏が所有している訳ではないが、実質オーナーのような立場である。今年はRed HoneyとNaturalに挑戦。
Simbi Coffee Investment/ Abdoul RUDAHUNGA氏
South ProvinceのHuye MountainエリアにあるCWS、SimbiとKinaziを所有。Simbi CWSは過去のCOEでも上位入賞しており、毎年クオリティーは高い。Abdoul氏は心配性で毎年今年は何袋買ってくれるのか?と聞いてくるのでその度にルワンダの単独CWSの中でワタルのベストセラーだと伝えている。なかなか受信できないメールアドレスの不備が彼の心配に拍車をかけている。Simbiは今回の一番評価。試験的にKinaziで作ったナチュラルもクオリティーが高く、来年はSimbiで作る予定。
Cupping
政治的にカッピングができなかったブルンジのBuziraのロットを交えカッピング。最終日にSimbi他、BufのFunky NaturalやCokoのYellow Honeyなどをカップ。Buziraはやや若い感じ、CokoはナチュラルよりYellow Honeyの出来がよかった。Simbiはクオリティーがやはり安定しており、新しい取り組みのKinaziナチュラルが好評価であった。Umrage Funkyはやや若くフレーバーが安定していない。後日Anaerobic含め日本にサンプルを送ってもらう。
カッピング翌日はSouth Provinceへ向け出発、片道3時間半のやや長旅となる。
Ubmwe CWS & Dry Mill
Bufcoffee社所有。所在地は首都キガリとSouth Provinceの間。ややキガリ寄り。CWSは最大のキャパシティーで1000MTのチェリーを年間で処理することができる。Ubmweは現地語キニャルワンダで“Together”という意味がある。
併設されているドライミルは1000MTのパーチメントを処理、700MT程度のグリーン=40コンテナ位をしたてる能力がある。
近日中にゲストハウスを建設予定。またIntelligentsiaの一団が訪問予定とのこと。
Simbi CWS
Simbi Coffee Investment社傘下。年間で200MTのチェリーを処理する。生産処理はドライファーメンテーションを行い、合わせてソーキングも併用。
ちなみに来る途中にKinazi CWSがあるが、FWの品質がいまいちで今まで成約には至っていない。また同地区でSpeciltyの先駆けであるMaraba CWSも近隣にある。
Umrage(Kigoma地区) CWS
Bufcoffee傘下。今年で創業3年目の新しいミル。Umrage は“Heritage”という意味。年間1000MTのチェリーを処理する能力がある。なおこれから後述するBufcoffeeのCWSはみな同じシステムを採用しているので、処理能力は同じ1000MTとなる。
ルワンダでもブルンジと同じくチェリーを水槽でフローター除去するのが通例となっている。ウエットミルで処理後はシェード付きのアフリカンベッドに移し、すぐにDefect豆を取り除くのがルワンダの最近の主流であるようだ。乾燥前の濡れている状態の方がパーチメントの色が識別しやすいのが理由で、乾燥が進むと同じ黄色に変化してしまうため、水洗後のハンドピックに力を入れている。(ブルンジでも同じ)
基本的にFunky NaturalはここのCWSで生産される。
Remera CWS
Bufcoffee傘下。2003年より操業の同社で最も古いミル。山から湧水が出るためそれを使用してチェリーを処理している。ここでは巨大な乾燥テーブルが目を引く。基本的なコンセプトは風で乾燥を行い、極力熱での乾燥を防ぎたいとのこと。しかし最上段は最も温度が上がるので、高さによって乾燥時間が異なるのが現状。将来的には各テーブルを機械でローテーションさせたい意向。ここでの検証結果を生かし、今後他のCWSでも3段程度の乾燥テーブルを建設し、なおかつ紫外線を遮断できるシートでカバーする予定。
Funky, Anaerobicはここでも生産可。
Nyrusiza CWS
弊社で最初に扱ったBufcoffeeのCWS。近年ではBaro区画の物を主に弊社で扱っている。ミルの処理能力は同じく1000MTのチェリーを処理。
幼稚園
Bufcoffeeは生産者の将来や持続可能な農業のために生産者向けの幼稚園を建設している。将来子供たちがコーヒー事業を活性化させてくれること願いながら、農業に従事する生産者のための保育施設の提供している。また保育後は生産者たちの寄合の場としてさまざまに活用できるようにしてある。子供は早くから英語教育され、幼稚園の内部もかなりきれいで驚く。
なお周辺の子供は外国人慣れしているので、いたずらしほうだい。車のドアを勝手に開けたり、“Give me Money”といっては我々を追い掛け回してくる。お金が欲しいのではなく、そう言うと困った顔をするのが楽しいのだ(ドルを持っても使えないので親に渡すしかない)。Samuelはもう少しお上品になってもらいたいがために幼稚園を建てたが、悪ふざけは男の子の性なのでどうしようもないかも。
Coko CWS
翌日は3 African Sistersにアテンド交代でNorth Provinceへ出発。キガリから1時間半程度で行けるのでアクセスはとてもよい。南部と違って山の尾根の道路を進むので、霧の中ちょっと海沿いを走っている気分になる。さらに北部に進むとMuyongwe CWS行くことができる。北部は基本的に冷涼で過ごしやすい。
国のレギュレーションで、例えば一つのCWSでグリーン4-5コンテナほど処理できるようになると、新しいCWSの建設許可が政府より認可されるらしく、今年Faustin氏許可を取得、来年に向け新しいCWSを建設予定。Cokoの近隣にはKikuru, Nyanzaという区画グループがあり、来年のミルはこのいずれかの名前を冠することになると思われる。
昨年買い付けたロットはCokoを取り囲む農地の区画を限定してマイクロクライメットを細かく指定。農地はMartin氏とういう生産者が所有。今回のCokoのカートンボックスにも名前が印字されている。
標高が高くかつ冷涼なので、Martin氏の一部の区画は9月に収穫する。そのためCOEなどには間に合わない。
なお余談だがルワンダCOEは入札が振るわないため、コスト面から2年に1回の隔年開催なると(Samuel談)。翻ってブルンジは世界銀行から資金援助があるのでCOE開催は積極的。
6/24-26【アムステルダム視察】
FUKU
出張の直前にワタル本社で行ったディッティングセミナーでプレゼンしてくれた、現WBrC王者の深堀女史に奨められたカフェ「FUKU」を訪問。オーナーのLex氏は2018年のWBCで2位だった実力者。深堀女史がWBrCで使用したBrazil Daterra LaurinaはLex氏が焙煎して提供した。店名の「FUKU」は日本語の「福」が由来。
深堀女史が使用したブラジルのイパネマ、Laurina種はCarbonic FermentaionのスペシャルロットでFUKUからほんの少量分けてもらったらしい。ちょうど我々が到着する前日に売り切れてしまった。とても残念である。
また彼の紹介で「White Label Coffee」、「Scandinavian Embassy」などの最新のカフェを視察。その他にもワタルと昔商売の在ったDouque社にいたNiels氏の紹介で「Coffee Company」、「Kaldi」、「Café de Heffer」など様々な形態のコーヒーショップも視察した。
以上。
またいきたいね♡