こんにちはBrew Fanatic三神です!

この間まで焙煎の話だったので、ここらへんで抽出ネタでも入れようかと思います。

ファナティックのトレーニングでは“Brew Design”という概念を称していまして、“Roast Design”と同じく、抽出の良し悪しを論じるのではなく、抽出者が出したい味のバランスをコントロールするための設計方法をお伝えしてます。

特定のやり方やメソッドではなく、その人がどんなバランスで抽出したいか・・・・。それが重要なんですね。

今回はこうした“Brew Design”の土台になる抽出における項目を分解して整理したものになります。

相変わらず読みづらい文章ですが、頑張っていってみよー!!!!

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うぽ。

抽出原則

まず最初の原則なんですが、コーヒーの成分は以下の順で成分が抽出されます。

  • 酸味成分
  • 甘味成分
  • 苦味成分

超大雑把に言うと、コーヒーの抽出ではまず酸から水に移動し、ついで甘さ、最後に苦さ/雑味が移動してくるんですね。

一般的に抽出が不足し酸味が主体的なものを“未抽出=Under Extraction”と言い、抽出が過剰で苦味/雑味が主体的なものを“過抽出=Over Extraction”と言います。

という事で、“抽出”とは上記の成分の移動速度移動成分の総量各成分の配分を調整する事を指します。

3つの分解

現在のコーヒー抽出では、いまだにTDS(Total Dissolved Solids)、EY(Extraction Yield)、コーヒーフレーバーの理解に混乱があり、それぞれがどのように抽出コーヒーの味に影響を及ぼしているのかが未整理になっています。ここでは下記の様に定義づけを行って分離してみました。

  1. 味の強さ                        =液体の濃さ(TDS)
  2. 味のバランス                =酸味、甘味、苦味のバランス(EY)
  3. フレーバーの強さ        =コーヒーフレーバーの明確さ(Structure)

・・・・当然EY収率が高くなれば濃さ(TDS)もフレーバーの明確さ(Structure)変わりますが、まずは上記の3つがそれぞれ別々の役割を担うと考えます。

1.【TDS: Total Dissolved Solids】

ではまず味の強さ/濃さですね!

TDSは日本語で“総溶解固形分”と言います。

コーヒーの液体に溶解した成分の総量は%、mg/l、ppm等の単位で表されます。これはいわゆる“濃度”の指標です。

  • TDSが高いと味が強くなり、質感が重くなる。液体が濃すぎると口内刺激をもたらす。
  • TDSが低いと味が弱くなり、質感が軽くなる。液体が薄すぎると水っぽくなる。

*質感=液体の粘性(Mouthfeel、触感、舌触り、コク、ボディー等と形容される)。

*英語圏では液体が濃いことをThick/Strongといい、薄いことをThin/Weak(Mild) と表現します。

2.【EY: Extraction Yield】

各成分の抽出具合はEYで表されます。“収率”と言うやつですね。

コーヒー豆から成分(酸味、甘味、苦味等)がどれだけ水に移動したかの割合になり、%で表されるいわゆる“過抽出”、“未抽出”の尺度です。

  • EYが高くなると抽出効率が上がり、味覚要素が多くなる(Complex)。甘味が増し、酸味は弱くなる。高すぎると苦味(Bitter)が強くなる。=過抽出(Over Extraction)
  • EYが低くなると抽出効率が下がり、味覚要素が少なくなる(Simple)。甘味は減り、酸味は強くなる。低すぎると塩味(Rough)が強くなる。=未抽出(Under Extraction)

*EYの数値が高い方がOver Extraction。低い方がUnder Extractionになりますが、明確な指標は存在しません。でも推奨値はSCAで参照できます(Golden Cup Standard)。・・・以前触れましたね。

3.【Structure】

コーヒーのキャラクターのメインでもあるいわゆる風味(=フレーバー)の明度を、飲料の比喩的な味覚表現の一1つである“Structure”という言葉で表現してみました!

本来の意味は液体の味わいの背筋/骨格を表し、構造の整った状態を指します。ここではコーヒーの個性を代表する“フレーバーそのものの明確さ”としてみました。この項目は主に粉の粒度(メッシュ)に影響されます。

  • Structureが強くなると、フレーバーが明確(Solid)になる。
  • Structureが弱くなると、フレーバーが不明確(Dull)になる

*骨格が強く、印象がはっきりすることをSolid(しっかり)。骨格が弱く、印象がぼんやりすることをDull(にぶい)と表現します。

実際の抽出における諸事項

【Brew Ratio】

コーヒーの飲料カテゴリー、例えばエスプレッソ、ネルドリップ、ハンドドリップ、フレンチプレス等はコーヒー飲料のレシピ、つまり粉とお湯の割合によって大方決定されていますよね。こういったレシピは一般的にはBrew Ratioと言いますです。

もちろん例外もあるけど、いわゆる飲料の濃さが飲み方やコーヒー飲料の方向性を定めているといっても過言じゃありません。そしてこうした濃度はTDS(総溶解固形分)で数値化することができます。

コーヒーの濃度は粉とお湯の割合による影響がかなり大きいため、コーヒーの飲料カテゴリーとそれに伴う濃度は原則“Brew Ratio”で決定することが望ましいのではないでしょうか?

【Coffee Extraction】

最初の方で述べましたが、コーヒーの成分の移動速度や抽出時間を調整し、成分の種類と総量の割合を変化させる事が“抽出”になります。コーヒーの成分は“酸味”、“甘味”、“苦味/雑味”の順で移動速度が速いので、繰り返しですが、抽出が不足して酸味が優位になりすぎるものを“Under Extraction(未抽出=成分が少なすぎる)”。抽出が過剰になり苦味が強くなることを“Over Extraction(過抽出=成分が多すぎる)”と言います。

こうした抽出効率は上記で述べたEY(収率)で数値化できます。

では実際にどういった事項で成分の”移動速度””移動量”が変化するかを考察していきます。

①コーヒー成分の移動速度が速くなる事項

  • 抽出温度が高い
  • コーヒーの粉の挽き目が細かい
  • 抽出圧力が高い

②コーヒー成分の移動量が多くなる事項

  • コーヒーの粉と水の接触時間が長い
  • コーヒーの粉と水の接触回数が多い

(ふむふむ。もっとあるかと思ったけど意外とシンプルだのう)

・・・・ではそれぞれの味覚への作用を挙げていきますね!

①コーヒー成分の移動速度に関する事項

①は抽出開始までの下ごしらえ的な感じですね。準備事項とかセットアップ。主に器具や機器の設定、調整に依存します。

【Brew Temperature(抽出温度)】

抽出時の温度。

温度が高いとOver寄り、低いとUnder寄りになります。

*人間の味覚の構造によるものか、温度が高いものは特に苦みを感じやすいです。

【Grind Size(粉の挽き目=メッシュ)】

抽出時のコーヒーの粉の挽き目。この事項はコーヒーのフレーバーの明確さ=Structureに大きく影響します。よってフレーバーの発現度合いは粉の挽き目(メッシュ)で調整するのが効果的ですね。

挽き目が細かいとOver寄り、低いとUnder寄りになります。

  • 挽き目が細かいとフレーバーははっきりする(Structureが強い)
  • 挽き目が粗いとフレーバーは穏やかになる(Structureが弱い)

また粉の挽き目は同時に質感のTexture(品質)にも影響を及ぼします。

  • 挽き目が細かいとCreamy/Syrupyな粘性のあるTextureになる
  • 挽き目が粗いとRound/Smoothな滑らかなTextureになる

*挽き目は細かすぎると粉っぽくなり、粗すぎると水っぽくなりますねー。

【Brew Pressure(抽出圧力)】

抽出時の圧力。

一応“原理的”には圧力が高いとOver寄り、低いとUnder寄りになります。

水がコーヒーの粉に押し込められることで抽出効率が高くなり、同時に液体の濃さを高める作用があります(TDS上昇)。ギューッと絞ったって感じですかね?また質感の形成に大きく関わり、特にエスプレッソでは液体の乳化を促進します。

  • 圧力が高いと粘性は上がり、質感は重くなる
  • 圧力が低いと粘性は下がり、質感は軽くなる

*抽出に圧力をかけた場合、閉鎖空間でないと抽出時間は変わってしまいます。一般的には抽出器の下部にドリッパーの穴やスパウト等の抜け口があるので(エスプレッソ、エアロプレス等)、圧力が高すぎると、早い速度で液体が抜け落ち、抽出時間が短くなっちゃいます・・・・・。

高い圧力は原理的に味が強くなるはずなんですが、このように抽出時間が短くなる場合にはUnder Extractionになりやすいです。

*特にエスプレッソの場合は圧力を上げるとShot Time(抽出時間)が短くなり、質感はあるものの、Under Extractionが顕著になります。

②コーヒー成分の移動量に関する事項

②は実際の抽出方法に関わる事項ですね。〇屋式とか、〇〇メソッド、花びら抽出、点滴抽出、何とかスピン、ペーパーリンス、攪拌・・・・などなど。主に人の手に依存します。

【Brew Time(抽出時間)】

抽出時間。

時間が長いほどOver寄り、短いほどUnder寄りになります。

コーヒーと水の接触時間が長くなるとより多くの成分が水に移動し、総成分量が多くなります。(じっくり抽出・・・・(゜-゜))

接触時間が長くなる項目は以下の通りになります。

  • 抽出時間を長く取る(浸漬式)
  • 投湯速度を遅くする(透過式)
  • ドリッパーの穴を小さくする
  • 抽出フィルターの目の細かいものを選ぶ
  • ペーパーフィルターの目を細かくする (透過しづらい材質、高い密度、濡らす=リンス等)

*抽出における時間は温度とも関連性が強いですね。抽出が長くかつ温度が高い場合にはOver Extractionになり、抽出が短く温度が低い場合にUnder Extractionになります。(例:エスプレッソの抽出時間はかなり短く、水出しコーヒーはかなり長い等)

【Brew Frequency(抽出頻度)】

コーヒーと粉の接触頻度(回数)。

コーヒーと粉の接触頻度が多くなるとOver寄り、少なくなるとUnder寄り。

接触頻度が多くなるとより成分が水に移動し、総成分量が多くなります。

接触回数が多くなる事項は以下の通りですー。

  • 投湯する回数を増やす
  • シャワーヘッド等で広い面積に投湯する
  • コーヒーとお湯の混合液を攪拌する
  • 抽出液を循環させる(短時間水出しコーヒー製造機など)

*温度が低く抽出時間が短くても抽出頻度を高めることで、抽出を進めることはできますね。水出しは時間がかかりますが、循環式だとかなり抽出時間を短くすることができますよ!(たしかカリタさんの機械だったような・・・・)

コーヒー成分の移動速度と移動量のまとめ

成分の移動速度を速めた場合、抽出時間が長いと中~後半成分にあたる甘味と苦みが多く存在することにより、Over Extractionになりやすいですね。

逆に時間の短い抽出の場合はある程度成分の移動速度を早めないと、中~後半成分である甘味や苦味があまり抽出されず、酸味が主体的なUnder Extractionになるリスクがあります。この場合、対策として抽出時間を長く取ったり、攪拌を行ったりすれば成分の移動量が増えるので、後半の成分が移動してくる時間をかせぐことができます。こうして短時間でも結果的に酸以外の甘味や苦味等の後半成分を抽出することが可能になるんですね。

実際ホットコーヒーと水出しコーヒーの成分分析を行ったところ、(ホットコーヒーの抽出は3分程度、水出しは8時間以上とした場合)あまり両者に違いはないという結果が出ました。酸が穏やかとされる水出しには、ホットコーヒーとほぼ同量の酸成分を検知されており、それ以外の成分においても大きな違いなかったそうです(成分の移動速度と移動量との兼ね合いですな)

以上の様に成分の“移動速度”と“移動量”の両方を考慮して抽出設計を行う必要があるんですねー・・・・。

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こんなところかしら(/・ω・)/

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Lineの返事の早い遅いに惑わされてはならぬ。

なぜなら・・・。

“待つ”という事が愛には必要だから!!!

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いつまでも待ってるわーん♡涙

(風化)