たかが粉、されど粉。粉を知ればコーヒーが見える!

コーヒー粉体ファナティックみかみです。

前回までは抽出における抽出具合を主にフォーカスしてきましたが、上級編ではグラインドされた粉がどのように味覚に影響を与えるか考えていきたいと思います-。

フォーカスしたいのは2つのタイプなのですが、その前にどんな種類のグラインダーがあるか見てみましょうね♡。

グラインダーの種類

  • ロールグラインダー
  • フラットカッター
  • コニカルカッター
  • ブレードグラインダー

代表的なのは4種類。これらの違いは何かというと、カッティングブレード=カット刃の形状が異なります。

グラインダーの性能を計る指標の一つに“粒度分布”というのがありまして、統計学的グラフで表される物なのですが、グラフ形状のピークの山が高くてすそ野が狭い方が、粒子の粒が“揃っている”ということになり、好ましいととらえられています


グラインダー図
豆だけ実写です・・・

粒の大きさが異なると、引っ張れるコーヒー成分の速度にばらつきが出るので、味の統一性が出ません。なので粒度はそろっていた方が抽出は安定します。でもまあ、ぶっちゃけ完璧に同じ粒度にすると味がすごい単調になるので程度問題ですけどね・・・。昔CRUVEシフターでかなり頑張って揃えたら、ぺらぺらなコーヒーになりました。ミクロレベルではある程度の幅があった方が、複雑性が増すのでよいのでしょうね。

これとは別にもう一つ気にされる要因にマイクロパウダー=“微粉”があります。こちらも一般的にできるだけない方が良いとされています。微粉はコーヒーに無用な苦味やエグミ、金属味、ザラつく舌触り等のネガティブな風味を与えると考えられています。特に深煎りの場合は限りなく焦げに近いのでない方に越したことがないです。

しかし、上記の粒度分布と同じように、100%微粉がカットされたコーヒーも単調になりやすいので無理にシフター(スクリーン選別機)使って完璧に取り除く必要もないかもしれません。わずかな苦味成分は“味の対比効果”に良い効果をもたらしますしね!(これについてはまた次回以降・・・)

前置きが長くなりましたが、グラインダーの粒度分布性能は高い順から、ロール>フラット>コニカル>ブレードの順になります。なのでロールグラインダーが最も粒度分布的に優れています。

・・・一応それぞれの説明しておきましょうかね。

ロールグラインダー

いわゆるグラニュレーターとも言われますが、これ、ほぼ工業用グラインダーです・・・。だからあまり一般の人には関係がないかも・・・。ロール状のカッティング山が着いた棒が2つで1セットとなり、この回転するロールの間で豆が粉砕されていきます。大体3セット用意されおり、1番最初で粗粉砕、2番目のセットで中間粉砕、3番目のセットでターゲットの粒度に粉砕されます。

粒度は単純にそれぞれのロール間の距離(ピッチ)を変えることで調整します。

一番熱の発生が少なく、また量を挽けるので工業用向き、だいたい工場に設置されています。確実に多段階に渡って粉砕されるので粒度分布に優れる最強のグラインダーです。でもサイズがでかいのでコーヒーショップで!!とはいきません・・・。機械だからね・・・。

フラットカッター

ディスクと呼ばれる、円形状の2枚の刃で粉砕する方式です。ディスクの真ん中に穴が開いていて、そこから豆が入ります。高速回転するディスクの遠心力で、粉がディスクの間から外に排出されます。

ディスクの刃は中央から3~4段階にわたって刃の細かさが変化しています。中央から外側に向かって目が細かくなっていきます。投入された豆はまず内側の粗挽刃で粗粉砕されて、次の段階で中粉砕。一番外側の刃が最終整形の粉砕となります。

粒度は上の刃と下の刃の間の距離(ピッチ)変えることで調整します。

ロールグラインダーの次に粒度分布に優れ、粉砕速度も速いので効率が良いです。難点は熱を持ちやすいことと、ちょっと微粉が多い事かな?でも微粉に関しては刃の素材や付け方によって改善されているので一概には言えませんが、一般的にはちょっと多く出るという風に認識されています。

なおフラットカッターの粒体(粉の形のことね)はフレーク状で平べったい形をしてるのが特徴です。粗い粒度では分布が少し下がるので、ややメッシュが細かい側の粒度で分布がそろいやすい特徴があります。

コニカルカッター

臼上の2枚の刃の組み合わせのグラインダーです。上の刃が凹(おう)を下向きにした刃。下の刃が凸(とつ)の形をしています。上の刃の中央に穴が開いており、そこから豆が入ります。フラットカッターも同じですが、だいたい上の方が固定刃で下の刃が回転します。

粒度は上下の刃のピッチで調整します。

凸側を見てみると、上の方が刃が少なく、下に行くにしたがって刃の本数が増えていきます。大体これも3~4段階位ですね。粉砕された粉は凸の山のすそ野から下に排出されていきます。

切るだけでなく、挟まって砕かれるという側面を持つので、粒体は多角形の形をしています。粉砕速度はやや遅く、熱の発生はフラットに比べて少ないという利点があります。ただ刃のセット形状から、重力に対して斜めにセッティングされてるので、ピッチを刃から直角に見た場合と、重力方向から直角に見た場合で長さが異なります。それゆえにやや粒度分布が低くなるデメリットもあります。

ちょっと前までは微粉が少ないという事でエスプレッソグラインダーの主流でしたが、実際は微粉が多いのではないかという議論もあり、今のところ2019年ではまたフラットが主流になっていますね。(まあトレンドだからね)

あ、あと基本的に手挽ミルの大半はコニカル式になっていますよ!

(ペッパー見るとかも同じ)

ブレードグラインダー

家庭用では最も簡単に手に入るグラインダーではないでしょうか?形状としては2枚の金属の羽が高速回転してコーヒーを粉砕します。羽のついているチャンバーに豆を入れて、蓋をしてからスイッチをいれます。終わったらひっくり返して粉を取り出します。

羽には鋭利な刃がついているわけではないため、カットするのではなく、まさに“殴って”粉砕するのに近い状態です。(まあ!乱暴さんですね♡)ゆえにもっとも粒度分布が低く、微粉が多い上に粒形が安定しません。

粒度は回転して時間で調整します。短いと粗く、長いと細かくなりますね。

このことからわかるように毎回挽くたびに粒度がぶれます・・・。自分で何秒とかメモっておく必要がありますね(うほ)。なおホッパーにはかなり少ない量のコーヒー豆しか入らないので、ほんと少量や一人分のコーヒーを点てるのが精いっぱい。効率は良くありません。

もしせっかくコーヒー淹れるのであれば、頑張ってBODUMのビストログラインダーか、カリタさんのナイスカットあたりでグラインドしたいですね・・・。(うふふ)

・・・

現在の主流はフラットカッター、コニカルカッターですかね。

次回はこの2つと最新の機能がどういう風に味覚に影響を及ぼすか掘り下げます・・・。

お楽しみに!!

・・・

・・・

・・・

・・・

私の心は、

あなたの所為で、

粉々よ!!

うほほほほほーい♡