上善は水の如し(上善如水)・・・!
水のように生きたい(けど無理)こーひーファナティックみかみです。
皆さんコーヒー淹れるときは何となく軟水がいいと思われていると思いますが・・・はて?なんで軟水がいいのか・・・?ちょっとそこら辺を掘り下げていみます。
とりあえず今回は水の品質に関わるものに焦点を当ててみたいと思いますので、まずは下記の3点をみてみましょう!
- pH
- 硬度
- RO水
pH
ぴーえいち。液体が酸性か塩基性(アルカリ性)であるかを計る指標です。中学校の理科の実験なんかでみんな必ずやりますよね?リトマス試験紙とか、フェノールフタレイン溶液とか・・・。むかしは“ぺーはー”ってドイツ語(?)読みしてました(いやーん歳がわかっちゃう♡)。
数値が0~14位まであって7が中性。7未満を酸性、7を超えると塩基性(アルカリ性)と言われています。ちなみに味覚の相関関係は以下の通り。
- pH7=中性 特になし
- pH7より下= 酸性液体に“酸味”が感じられる
- pH7より上= 塩基性液体に“苦味”が感じられる
英語だと酸は“Acid”、塩基は“Base”といいますね。
レモンはpH2くらい、コーヒーでpH5。海水がpH8、アルカリイオン水pH9~10、ベーキングソーダがpH9.5・・・。
pHが10を超えると石鹸水とかアンモニア溶液とかになるので、実際のテイスティングは難しそうですね。漂白剤とかはpH13.5かー。アルカリ性の飲料はあまりないのね(こんにゃくはpH12だって!)。
正式名所はPotential of Hydrogenといって液体の水素イオン、H+の含有率を指します。単純に含有率が上がると酸が強くなっていきます。表記上では数字が小さくなり強酸性を示します(反対なのね)。
計算式は以下の通りです。
pH = -log10【H+】
やべえ・・・。対数出てきた・・・。昔やったけど今もう全然覚えてないや・・・。あの化学のスキンヘッド教授元気かな・・・。サンダース教授だったか・・・えらくガタイが良い人だったな・・・(遠い目)。
慣れるとそんなに難しくない計算だったような記憶があります。水に電離した(溶けた)時、水素イオン(H+)を供給する分子、例えば塩酸(HCL)等が溶けてた場合、その分子量=mol数から計算して、H+の総量をはじき出したのち、上記の式に代入する事でPHが算出されます。
pHが1減少すると水素イオン濃度は10倍になり、逆に1増えると10分の1になります。(数の隔たりがすごい!)
もしお時間ある方はmolの分子量計算式を参照して計算してみてください。うふ♡
でもまあ、pHが7より低いと酸っぱい、高いと苦いという事で!!
硬度
いわゆる水が硬いか柔らかいかの指標です。アメリカ硬度が日本では主に採用されていて、水に含まれるCa(カルシウム)塩、Mg(マグネシウム)塩の含有率を示しています。単位はTDSの回でも触れたmg/Lまたはppmが使われていて、含有率の高さで以下の通りに区分されてます。
*1mg/L = 1ppm
- 硬度0~60未満 軟水
- 硬度60~120未満 中硬水
- 硬度120~180未満 硬水
- 硬度180以上 非常な硬水
こんなかんじー。
アメリカ硬度ではカルシウム塩、マグネシウム塩の量を炭酸カルシウム(CaCO3)の量に換算することで算出しています。
ちなみに計算式は・・・
硬度(mg/L) ≒カルシウム濃度(mg/L)×2.5 + マグネシウム濃度(mg/L)×4.1
あ、そんなに難しくないね。
味覚への影響は硬度が高くなるにつれて、味が苦くなり、口当たりが重くなっていきます。
一般的に硬度とpHは別と考えられているので、硬度の強弱とpHは比例しないことになっています。
しかしマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)は共に水(H2O)の水酸化物イオン(OH-)に結びつくこともできると仮定すると、相対的に水素イオン(H+)が増える可能性があります。
実際硬度の高い水は酸性に一部傾いているものもあるようです。
なおSCAAのカッピングプロトコルでは硬度125~175ppm(mg/L)を推奨しています。(結構硬いね)でも最近は大会とかでももっと低い硬度で抽出する事が多いですね(30~100位?)。
水が硬い地域は焙煎を浅くしないと明るさが出ないので、浅煎りが多い地域はこういった事情もあるかもしれないね!
もっと深く知りたい方は、SCAAが出版してる、“The Coffee Cupper’s Handbook”や“Water Quality”を読んでみてね!!(まあ全部英語だけど・・・。ぐふ。)
RO水
Reverse Osmosis Waterりばーすおずもーしすうおーたー。日本名=逆浸透膜水。
簡単に説明すると、逆浸透膜を使って作った硬度0ppmでpH7中性の真水ってことです。(限りなく純水に近づける処理)
これを理解するにはまず、“浸透圧”を知る必要があります。
例えば塩分濃度の高い液体と濃度の低い液体を、“半透膜”=小さな分子(この場合水分子)しか通さない膜で隔てた場合、濃度の低い液体が、その膜を通過して濃度の高い液体に移動(浸透)する物理現象があります。
この時、薄い液体が濃い液体の方へ移動するときに膜に生じる圧力、もしくはこの移動を阻止するために濃い液体側に必要な圧力、これを“浸透圧”と言います。
身近な例で言うとお風呂上りの皮膚とかですね?細胞の膜は半透膜で透過性があり、人の体液はお風呂の水より濃い液体です。なのでお風呂の水分が皮膚に入り込み膨張してふやけるという訳ですね。水で目を洗うとしみるのも同じ理屈・・・(実は目が膨張して痛いんだって!!こわ!!)。
逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane)処理はこの性質を利用して、浄化したい濃度の濃い液体に浸透圧を超える高い圧力をかけて、強制的に逆方向に浸透膜を通過させます。すると濃い液体から水のみが浸透するので真水が得られます。ちなみに逆浸透膜の穴の大きさは2ナノメートル以下なので、すべてのウイルス、病原菌を除去できます(すごい!!)。
ただ濃度の濃い液体を通過させていくと残った液体はドンドン濃くなっていくので、相対的に浸透圧が高まっていきます。そのため原理的にすべての水を100%通過させることはできません。ちょっと無駄が出る(濃縮水が発生)。
なお海水を真水に変えるときもこれを使います。
じゃあコーヒー業界ではRO水をどうやって使うかというと、ただそのまま使うだけではありません。こだわってる海外のバリスタ/ロースターさんとかは人為的にカルシウム塩等をRO水に再添加して、硬度調整して使用しています(・・・ふぁなてぃっく!!)。
いやー、マニアックですねー。自分の望む硬度を得るためにわざわざ真水にしてからミネラル添加するとは・・・。うほい。
RO水の機械は業務用で購入できるので、もし自分のお店に入れたかったらぜひどうぞ。ちなみにRoast Design Coffeeではまだそこまで予算かけられないから、EVERPUREさんとかに普通の浄水器お願いしようかな・・・。
次回はこうした硬度なんかがどのように味の感じ方に作用するか考えてみたいとおもいまーす。
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私は好きな人がいると、
つい話を盛ってしまうの♡。
・・・ってmolのは御飯だけにしとけ!!
心のRO膜を通ってピュアな自分に戻りたいこの頃・・・。
Peace in Heart。
うぽ。